会山行紀行文 2025年
8/19(火)-22(金)
晴れ
(ごしきがはら・やくしだけ)
五色ヶ原、薬師岳

2500m
 2926m
参加者 (紀行文) 2044 S/M
No−104  グレード:B  21名
 担当リーダー 2044 S/H (男性6名・女性15名) (写真)2055M/K 2472M/I

≪コースタイム≫
一日目 新潟駅(5:00)=立山IC=室堂(10:05-10:20)…浄土山南峰(12:40)…獅子ヶ岳(14:40)…ザラ峠(16:50)…五色ヶ原山荘(17:50)
二日目 山荘(5:50)…越中沢岳(9:30)…スゴ乗越小屋(15:00)
三日目 小屋(6:10)…北薬師岳(10:30)…薬師岳(12:40)…薬師岳山荘(14:10)…太郎平小屋(16:20)
四日目 小屋(6:10)…青淵三角点(8:15)…折立10:10-10:25)=グリーンパーク吉峰=立山IC=新潟駅(16:10)

≪紀行文≫
〜〜〜強烈な思い出が〜〜〜

 二年前、黒部五郎岳から笠ヶ岳への縦走を会山行で行った。次は室堂から五色ヶ原、薬師岳、いわゆる北アルプスのダイヤモンドルートをと決めた。ところが昨年は台風接近によって中止に追い込まれた。それで今年はリベンジをと、参加希望者は昨年以上に多く集まった。スゴ乗越小屋にあらかじめ20人の予約を入れていたが、それ以上受付できないと言われ、20人での山行のつもりだった。でもこのルート、非常に厳しいルートなので、全員が無事に歩ききれるかという不安もあった。でも天気さえよければ何とかなるだろうと前向きに考えた。事前の天気予報は晴れの連続、でも山の天気はわからない。夕方になればにわか雨もくるかも。心配なのは事前の1週間でこのルートで2件の遭難事故があったこと、慎重に歩けば事故なく終える、20人の大集団、難ルートに時間がかかるのは織り込み済み、何にもなければいい、そう願って当日を迎えたのでした。

≪一日目≫
 新潟を5時に出発したバスは室堂に予定通り10時に着いた。準備して歩き出す。
 室堂から浄土山のほうへ歩き、ここで雷鳥に会う、山旅の始まりに運がついてきたようだ。

立山室堂パーキング 登山準備
浄土山へ 雷鳥に出逢えました

 途中で昼食、そして浄土山、龍王岳の麓に、ここからザラ峠まで鬼岳、獅子岳と登ったり下ったりの足場の悪い浮石の多いところだ。滑りやすく大人数ではより慎重に歩かないといけない。 

振返り 室堂ターミナル、みくりが池
浄土山南峰 奥の三角形は龍王岳 龍王岳西面トラバース
 鬼岳東面トラバース  獅子岳山頂へ 遠くはガス 左下 黒部湖 針木岳方面
.
 下り切るとザラ峠だ。その昔、佐々成正が徳川家康に会いにここを越えたという有名な場所、でも今は名前の看板しか見当たらない。ここで大休憩、そこから登って、登って、また登る。
 ようやく五色ヶ原の木道にたどり着く。そこは本来高山植物が多く咲き、花の楽園として有名なところ、でもこの時期はもう終わっている、そうした静かな時期をわざわざ選んだのだった。そこから木道を歩いて、といっても登って、この日の宿、五色ヶ原山荘に到着、この日山荘はほぼ満員状態、荷物を部屋に入れ夕食、翌日の天気を心配し布団に入る。一日目が終わった。

ザラ峠へクサリと2段ハシゴ急坂中
ザラ峠 五色ヶ原の木道へ出た ガスってる
 雲上の楽園五色ヶ原 槍ヶ岳方面  五色ヶ原山荘見えた 右側残雪 五色ヶ原山荘から立山方面

 ≪二日目≫
 天気は快晴、でもガスが発生していて周りの景色はチラチラとしか見えない。ここでもハイマツの茂みから雷鳥が道の横に現れた。あまり人が通らないところ、雷鳥も安心して歩いていたのか。それに時々にわか雨が降ったりして雨具の着用もしたが暑くてまた脱いだりもした。
 相変わらず歩きにくい。浮石やぬかるみ。長い長い縦走路だ。とんび山通過時、そこは一週間前に滑落事故の起きたところ、注意を促す。時々下に黒部湖が見える。右横は絶壁の崖、足元に気を付ける。遅れるメンバーがいないか、気をつけて後ろを振り返る。

深いガスの中 鳶山へ
集合写真出発前 五色ヶ原山荘
ガスの中アップダウン繰返し越中沢乗越へ

 さらに増す急登、越中沢岳だ。ここまでくればあとはスゴノ頭まで降りて、少し登るだけ。ところがそれが長かった。まだかまだかと登ってようやくスゴ乗越小屋に到着した。長い長い一日だった。小屋の前で飲んだ冷たい缶ビールが実に美味しかった。この日の小屋も満員。夕食は揚げたてのトンカツだった。こんな山の中で結構厚めのトンカツが美味しかった。

越中沢岳山頂見えた
スゴの頭へ急坂中 スゴの頭へクサリ場
 スゴ乗越へ激急坂 奥は北薬師岳方面  登り返しでスゴ乗越小屋へ  シラビソ林に囲まれたスゴ乗越小屋 着

≪三日目≫
 この日はようやく薬師岳にとどく日。樹林帯の中、間山まで登る。
 ここがこの縦走路で最も奥地、慎重に足を進める。大きな岩のゴロゴロする、また砂の多い、滑りやすい道、遠くに薬師岳も見えてくる。でも北薬師岳はまだまだ遠い。

その北薬師岳で昼食、そこからのカールの眺め、左には赤牛岳の雄大な姿、北アルプスの奥のその奥の雄大な景色を楽しみながら歩くのでした。
  間山へ急登
 集合写真出発前 スゴ乗越小屋
北薬師岳へアップダウン
北薬師岳へアップダウン連続 北薬師岳はまだまだこの先

大岩歩きに緊張感
この山のさらに奥が北薬師岳 ようやく北薬師岳山頂

 しかし北薬師岳から本薬師岳までが長くて歩きにくいのです。薬師岳の山頂に多くの人が確認でき、ようやく難関道の終了を感じました。多くの登山者に愛される薬師岳を反対側から3日間もかけてたどり着いたのでした。少し休憩ののち下りに入ります。  
薬師岳へ岩場のアップダウン
左 薬師岳と金作谷カール 薬師岳山頂へ気勢上げる
 薬師岳山頂着いた〜
 振返り ニセ薬師からの大下り 集合写真 薬師岳山頂

 そこからは歩きやすい山道。薬師沢山荘を通り過ぎて休憩、なだらかな広い山道となる。やがて樹林帯に入り沢道になる。それが非常に長く感じられた。何度も通っている道(会山行だけでも3回は通っている)だが、疲れがピークに達したか、スピードが上がらない。下って下って、ようやく薬師峠のキャンプ場に着く。ここは本来多くのテントがあるのだが、最近熊が出て、キャンプは禁止、誰もいなかった。

薬師岳山荘 2日前熊出没テン場襲わる
薬師峠までのゴーロ下り大岩など緊張感 ようやく薬師峠

 ここで休憩して木道を太郎平小屋まで歩いたのでした。受付を済ませ、ようやく生ビールを飲むことができました。
 360度の景色、黒部五郎、鷲羽、水晶、そしてもちろん薬師岳を眺めながらの至極の一杯なのです。
 今までは缶ビール、でも太郎平には生があるのです。夕食はまたまたトンカツ、スゴ乗越小屋と同じ系列の小屋なので、しかたないかも。部屋は個室を4部屋ほど与えられて、ゆっくりと朝まで寝たのでした。 

太郎平小屋 熊出没で広場にテン場移転 く生ビールで乾杯 夕食前の団欒 「酒やめろ 山登れ」

≪4日目≫
 この日も快晴、6時半の出発の予定がみんな待ちきれず、6時に集合写真を撮り、そして歩き出します。
 しばらくは木道の道、やがて石のゴロゴロした道、でも昨日までの道と違ってよく整備されています。
 この日は金曜日、多くの登山者とすれ違う。快晴なので右に剱岳、立山が望め、左の奥には白山も良く見えた。
 青淵三角点のあるベンチ広場で休憩、アラレちゃん広場にも休憩、そしてバスの待つ折立に全員無事に帰ってきたのでした。
 長い長い縦走がこうして終わったのでした。

 五光岩ベンチへ
  集合写真出発前 太郎平小屋
三角点ベンチ 

  今回、山小屋の管理人とか他の登山者などから20人もの大集団でこのコースは無謀だと何度か言われた。
 そんなことはない。みんな私の山行で重量級の山を何度も経験した達人だらけ、大集団だからゆっくりとしたペースで歩けば、必ず貫通できる。
 高齢者の集まりで時間を競うことなど何の意味もない。その日、たまたま体調の悪いメンバーがいても、ゆっくり歩けば着いてこられる。

 たまたま今回も天気が良かった。強烈な思い出が、そして北アルプスの奥の奥まで行った経験が今後の山登りにどのように生かされるのだろうか。

 参加者の皆様、大変ご苦労様でした。今度はもう少し楽な山登りを楽しみましょうね。  
 折立下山口
 日帰り湯 よしみねゆ〜ランド

≪出逢えた花々≫