会山行紀行文 2023年
7/31(月)-8/4(金)
天気:下記記載
(あさひだけ・とかちだけ)
旭岳・十勝岳・トムラウシ山

2290m 2077m   2141m  
参加者 (紀行文) 2044 S/H
No-83 グレード:B  19名
 担当リーダー 2044 S/H (男性5名・女性14名) (写真) 2131 Y/S
≪コースタイム≫
≪(曇り時々雨)≫
新潟空港(11:10)~新千歳空港(12:20-13:10)=ホテルベアモンテ(16:50)
≪8/1(晴れ)≫
宿(7:50)…ロープゥエー山麓駅(8:00)≒山頂駅(8:15)…旭岳山頂(10:30-10:45)…山頂駅(13:30-13:45)≒山麓駅(13:55-14:00)=大雪山ホテル(16:30)
≪8/2(曇りのち強風)≫  
宿(5:50)=望岳台(6:10-6:20)…十勝岳撤退地点(9:10)…望岳台(11:50)=大雪荘(17:15)
≪8/3(曇りのち強風と雨)≫  
宿(3:00.)=短縮コース登山口(3:30)…カムイ天上(4:50)…コマドリ沢出会(6:50)…前トム平(8:00)…トムラウシ公園(8:50)…トムラウシ山山頂(10:40-10:55)…登山口(17:25)
≪8/4(曇り)≫
 宿(9:00)=新千歳空港(14:00-16:40)~新潟空港(17:50)
≪紀行文≫
~~~天気には恵まれなかったが、強烈な思い出がお土産に~~

≪一日目7/31新潟~北海道へ(曇り時々雨)≫
 しばらく雨が降らない新潟から北海道の新千歳空港に飛んだ。
 迎えに来たバスに乗り雄大な北海道の大地を旭川経由で旭岳の麓までバスの中の人となった。私には一年ぶりの北海道だが何度来てもその農地のスケールには驚くばかりだ。運転手によると北海道の面積は東北6県と新潟県を合わせた面積だという。今回はその中央部だけの三つの山に登るわけだが移動時間が実に長い。北海道は一つの県だと思わず、まったく別物だと思わないといけない。
 今回の宿は旭岳のロープゥエー山麓駅から歩いて3分の宿、温泉に入り長旅の疲れを癒し、翌日からの登山に備えた。天気予報では翌日は晴れることになっていた。
新潟空港から飛行機です 千歳空港からバスでホテルへ ホテルベアモンテの夕食

≪二日目8/1旭岳(晴れ)≫
 宿で朝食を済ませ、7時50分に玄関前に集合、いらない荷物をバスに乗せ、歩いてロープゥエー山麓駅へ行く。

 山頂駅へ着くと、そこは標高1610M、朝まだ早いのと合わせ涼しい登山が期待できた。

 山頂駅の前の遊歩道を反時計周りに歩き出し、ここから姿見の池までが高山植物のある地域でこれを過ぎると火山癖、大きな石と砂の道になり植物はなくなる
 ホテルの朝食 ロープウェイに乗車
 噴煙を眼前に出発  周りはお花畑 整備された道を進む 

 姿見の池で少し休憩、そこからやや急な登りになる道を歩き出した。この日は多くの登山者がいた。特に外人さんが多かった。会うたびにどこから来たか聞いてみた。フランス、チェコ、ノルウェー、イスラエルなど実にさまざまだった。
 遠くの山々は少し雲に覆われていたが、たまたま外人さんをガイドしていた若い女性があれが十勝岳、あれがトムラウシ山、などと教えてくれた。明日登る山、明後日登る山、それがそう遠くなく見えるのがうれしい。 
 姿見の池  徐々に高度を上げ 広大な景色に圧倒
休憩地で振り返る 山頂直下の急登 金庫岩

 山頂では多くの登山者が休んでいた。山の反対側、黒岳方面が実によく見えた。山頂には10時半に到着したがまだ昼食には時間的に早く、また朝食のバイキングを食べ過ぎたメンバーが多く、姿見の池まで降りて昼食とした。
 下山にかかっても登ってくる人は絶えない。時間的に簡単に登れる山であり、登山口まで旭川からバスの便も多く、人気の山の条件がそろっている山だった。
 大雪山系の山並みが広がる
旭岳山頂集合写真 雲上から下山開始

  さて姿見の池で昼食休憩、その後今度は時間もあるので噴気活動展望台に寄り夫婦池経由で山頂駅に戻った。そこは高山植物の宝庫らしいのだが時期が悪いのかたいした花はなかった。
 ロープーウェーで降り、バスに乗り十勝岳麓の宿に向かった。
 途中宿のすぐ近くの「青い池」に寄ったが、すでに夕方だというのに多くの観光客にはびっくりした。 
姿見の池で昼食 第一展望台から旭岳 ロープウェイ駅に無事下山
 ぜるぶの丘は無料のお花畑
ぜるぶの丘で集合写真 美瑛の青い池
  さて明日は十勝岳、出発を早め、トムラウシ山の山麓宿に着く時間を早くしょうと予定を変更した。
≪旭岳のお花≫ 大雪山白金観光ホテルで夕食会

≪三日目8/2十勝岳(曇りのち強風)≫
 朝6時前に玄関前に集合、朝食の弁当は部屋で食べてもらっていた。
 バスに乗り近くの望岳台登山口に、もうすでに多くの車が駐車していた。準備を済ませ平坦な登山道を歩き出す。
 前方には十勝岳の雄大な姿が望まれる。ただ頂上部分は雲が立ち込め山頂は見えない。ここからの眺めは本来、美瑛富士から富良野岳までの連峰が出そろい絶景が見渡せる場所だ。それを前方に眺めながら歩くのは実に気持ちがいい。
 朝食はおにぎり弁当
 望岳台から出発  なきうさぎと遭遇 緩やかな登り 

   暖斜面をしばらく歩くと十勝岳避難小屋に着く。ここからはやや急になった道を大きな石を避けながらの石の道だ。上のほうを見ていると多くの登山者が歩いているのがよく見える。そう木など一本もない火山癖の道だ。この日は晴れていたが、もし雨の中歩くと泥の中の道だろう。やがて高度を上げるにつれて風が強くなった。
 前方を見ると立ち止まっている登山者が多くいることに気づいた。登るか降りるか迷っているようだ。さらに歩くとすれ違う登山者が何人か、聞くと風が強くて途中で撤退したという。心配になりすれ違う登山者にはみんなに聞くようにした。
 道はペンキでルートを失わないようにマークしてあった。その尾根伝いに急坂を登っていく。風はますます強くなった。
 やがて稜線上に出た。さすがにここまで登ってくる登山者は少ない。風は周りの砂を巻き上げ顔に打ち付ける。ガスが周りを覆い、先が見えない。時々あるマーキングを目当てに前に進む。
 十勝岳避難小屋  強風の中登る  稜線に上がると強風とガス

  昭和噴火口を通りすぎたところで前から戻ってきた登山者に聞くと、その先は風がもっと強くて立っていられないという。最もこの先はガスがなくても迷いやすい地点、みんなの了解を得て、この日の登山はここまでとした。1750M地点、約8合目、これ以上前進しても視界はゼロ、帰りには低体温症の恐れもある。あと40分くらいで山頂なのに、いやいやまた来ますよと。
 そうと決まれば、たまたまそこにあったケルンを写真に撮り、走るように風の弱いところまで降りたのでした。そして休憩、時間はまだ早いのでゆっくりと避難小屋まで降りて食事タイムとしたのでした。
進むにつれ強まる強風とガス 登頂を断念しここが本日の山頂 十勝岳避難小屋で昼食 

 そして望岳台に戻り、バスに乗りトムラウシ山の宿へ向かったのでした。途中シュピングモールのようなところに寄って、ラーメンを食べ、運転手の紹介でメロンの販売店に寄り、富良野の広大な農地をバスは走ります。
 途中トムラウシ温泉まで後50キロの看板がありました。えっ、まだそんなにあるのと、そうです。ここは北海道、広い大草原なのです。運転手に聞いたらこの辺の農家は30ヘクタールほどの農地をもっているそうです。でもね、奥さんはいっさい農作業をしないそうですよ。農作業をするといったら誰もお嫁に行かないようですよ。やっぱりどこでも女性は強いですね。
 山の中、そのまた山の中にトムラウシ温泉がありました。山の中の一軒宿、おそらくここの客はトムラウシ山の登山者だけでしょう。この日は夕食時に翌日の朝弁当を受け取り早めに寝たのでした。
 下界は穏やか
エゾシマリスに遭遇 望岳台で集合写真

≪十勝岳の花≫ 

≪四日目8/3トムラウシ山(曇りのち強風と雨)≫
 3時にバスに乗り、まだ暗い中、トムラウシ山短縮登山道入り口に向かう。準備をしてヘッドランプを付けて歩き出す。
 初めは緩い登り、やがて少しずつ急坂になる、ササ原の刈り払った道、明るくなったところで朝食タイム、道はやや泥んこ道で雨が降ったら大変な道だと思っていた。また広く休憩に適する場所がない。この日はたまたま登山者が少なく、登山道の脇に場所を取り休憩を。
 やがてカムイ天上を過ぎてなおササの刈り払い道を進むと、前方にトムラウシ山本体が見えてきた。一瞬だったがまだまだ遠く感じた。

  やがて激下りが始まった。約200Mの下り、帰りには疲れた体でここを登らなければならないと思うと憂鬱だ。
 下り切ったところを少し登ってコマドリ沢出会、熊のいることで有名な場所、気を付けて急な登り坂を登る。このあたりは高山植物の宝庫らしいが季節は終わったのか、でももう少し早いとこのあたりは残雪が残る。花を選ぶか、雪のないのを選ぶか、結局雪のないのを選んだ。

 しばらく急登を行くと岩場のトラバース、大きな岩を渡りながら歩く、ペンキでマークしてあるので迷うことはないが、慎重に足を進める。やがて前トム平に着いた。雨が少しだが降ってきた。
 登山道周りは笹原が続く
 前方に山頂が見えた  コマドリ沢の徒渉 お花畑を登る
 お花畑で休憩  岩稜帯を登る  前トム平で休憩 
 
 また岩場をトムラウシ公園に降りる。雨が強くなったので雨具の着用を勧める。風も出てきた。もし晴れていれば、そして時間がたっぷりあれば、のんびりしていたいところトムラウシ公園、でも先に進む、そしてトムラウシ公園を過ぎる頃、30Mほど離れた横の岩場にヒグマが現れた。私には全長2メーターくらいな大きな熊に見えた。みた感じヤツはこちらが19人、怖い人間様が19人もいるので怖がっているだろうと勝手に思い、さらに前進した。
 そこからが大変だった。岩を登ったり、降りたり、とにかくガスで前が見えないのでペンキのマーキングだけがたより、雨が強くなり、風も強い、撤退も頭に浮かんだが、昨日も最後まで登れなかった。今日はできるだけのところに行こう。20人もの高齢者だけでトムラウシを登るなんて無茶だと言われかねない。休憩などできる場所もないし風を避ける場所もない。
 大きな岩を登って、また大きな岩を登ってを繰り返し、ルートが急こう配を増したとき前方はガスで見えないけれど山頂が近いと確信した。そして10時40分山頂に着いたのでした。みんなの顔には大きなことを成し遂げた嬉しさが出ていました。強風の中、雨の中でしたので、みんなにカメラだけを撮ってもらって下山にかかります.。
 岩稜帯が続く  眼下にトムラウシ公園 トムラウシ公園で休憩 
ヒグマとの遭遇 しばしヒグマと睨めっこ 強風と雨の中登頂 

 登った時風のやや弱い場所を見つけて置いたので、そこで短時間の食事タイムにしました。さあ、後は降りるだけです。でもペンキのマーキングは登る人にはわかりやすく、下る人にはわかりにくいのです。ガスが立ち込めるので何度もルートを間違い、その度に戻ります。ヒグマのいたトムラウシ公園も今度は早めに通り過ぎるのでした。
 雨に濡れて滑りやすい岩場、ガスで前がよく見えず、とんでもない悪ルートが続きます。岩場を越えると今度は泥んこの道、登るときは雨がなかったので水溜まりを避けて通っていたのに、今度は避ける場所がありません。
 3回ほど小休憩をしましたが、時間の遅れを少しでも取り戻すため、最後の3時間は休憩なしで登山口まで降りたのでした。でも誰も遅れず、みんな登って、そして戻ってきたのでした。

 バスに入り、夕食は7時としてお風呂にゆっくり入ってもらってみんなで美酒の乾杯をしたのでした。
 14時間もたいした休憩なしで歩き続けた、達成感いっぱいの夕食会でした。明日の朝食は7時ですよ。それまでゆっくり寝ましょうね。
≪トムラウシの花々≫ 国民宿舎東大雪荘で登頂の祝杯

≪五日目8/4 (曇り)北海道から新潟へ≫
 この日は帰るだけ。9時にバスに乗り、十勝平野を見渡せる展望台に寄って、ただみんなはそんな景色より売店のお土産に興味があるよう。
 次に空港近くの道の駅に寄って早めに新千歳空港に到着、2時間ほどのお土産タイムを取りました。
 飛行機は15分遅れで空港を離陸した。今回の北海道3座の旅、天気には恵まれなかったが、みんな強烈な思い出をお土産に帰っただろう。また、日本のどこかの山に一緒に登りましょう。今度は晴れた日にトムラウシに。ヒグマが待っていますよ。
 日勝峠から十勝平野を眺め
宿出発前に集合写真 新潟へ帰還