会山行紀行文 2023年
7/11(火)-13(木)
天気:下記記載
(きただけ)
北岳

3192m
参加者 (紀行文) 2044 S/H
No−76 グレード:B  17名
 担当リーダー 2044 S/H (男性4名・女性13名) (写真)2055M/K 2044S/H
≪コースタイム≫
≪一日目≫晴れ
新潟駅(4:50)=北陸、上信越、中央、中部横断=白根IC=芦安(10:15-10:25)=広河原(11:10-11:45)…白根御池小屋(14:30)
≪二日目≫曇りと強風
小屋(5:40)…肩ノ小屋(8:40)…北岳山頂(9:40-10:00)…北岳山荘(11:50)
≪三日目≫雨と深い霧
山荘(5:10)…白根御池小屋(9:00-9:15)…広河原(11:45-12:00)=芦安(12:40-14:20)=新潟駅(20:05)
≪紀行文≫
〜〜〜雨と深い霧で大変だったけれど日本の二番目に高い北岳に登頂で満足〜〜〜

 北岳、間ノ岳の山行が迫ってきた。天気はそんな悪い感じではなかった。でも風が強いとの情報も、でも雨が降らなければと強気の感じで当日を迎えた。新潟は連日の雨、晴天の続く山梨でどんな山旅になるのか、この時はまったく不安はなかった。試練の山行が始まるとは誰も予想しなかっただろう。

<一日目>晴れ
 バスは予定より早く新潟駅を出た。芦安でチャーターしていたジャンボタクシーに乗り換え広河原に。いつもは多くの登山者であふれているのが、時間が早いのか少ない登山者。
 観光センターの二階に上がり、そこの大ホールで昼食を取った。
ジャンボタクシーに荷物を入れる 広河原 開山祭の蔦切り木組 中央北岳 広河原観光センターの二階で昼食

 11時45分、少し早いが出発した。いきなりの急登、ゆっくりと足を進める。しばらく続く急な登り、北岳の特徴だ。前から来る登山者に山頂までの様子を何度も聞いた。とにかく風が強いと、でも風が強くて登頂を諦めた人はいなかった。うん、たいしたことはないな、とこの時は思った。
 ゆっくりとしたペースで30分ごとに休憩を取り、トラバースルートに切り替わる。あれ、少し早すぎるのではと、このままで行くと2時半には白根御池小屋に着いてしまうと、予定より1時間も早い。
 いざ、出発  広河原登山口 吊り橋.  急坂を登る
ひたすら急登   第一ベンチ 急登連続
まだまだ急登 トラバースルートを行く 白根御池小屋に到着

 鳳凰三山が見えてきたところで休憩を取り、みんなにあと15分で小屋につきそうだと説明、歩き出すとまもなく白根御池小屋の前に出た。予定より1時間も早く小屋に着いてしまった。

 受付を済ませて寝床を確保、外に出て生ビールで宴会が始まった。

 明日の天気も良さそうで、この時は高度2200Mの涼しい高原を満喫したのでした。明日は強風との情報も行けばなんとかなると、他の登山者も多くいて、みんな翌日の北岳をめざしている。

 雨さえ降らなければ、天気予報は曇り、この日、深夜に一度外へ出てみた。月が大きく光っていたので星はあまり多く出ていなかったが、それでも明日は晴れる予感がした。
白根御池小屋庭園でミーティング 宿泊

<二日目>曇りと強風
 5時に朝食、食べ終わり準備をして外に出る。集合写真を撮り、歩き始める。「草滑り」、
 草が下に落ちないで滑ってしまうという急登、これが2時間も続く。これを乗り越えるにはゆっくりと歩くこと。遅れるメンバーがいないことを確認しながら足を前に進める。
 朝日を浴びる白根御池小屋全景
北岳山頂へいざ  集合写真 
青空ルンルンでスタート 白根お池を後に草滑りの急登へ 草滑りは九十九折り急登

 小太郎尾根分岐に出る少し前、少し風が強くなってきたので雨具の着用を指示、体温が奪われるのを防ぐ、雨は降っていないが稜線に出ると風が強そうだと。

 もし風が強ければ肩の小屋まで休憩なしで進むと連絡、歩き出したのでした。
雲行き怪しく雨具着用 ガスの中シナノキンバイを横目で

 稜線に出ると濃いガスと強風、でも歩くのはなんとかできた。本来なら後ろに甲斐駒ヶ岳の雄姿、そして右には仙丈ケ岳を下に望める絶好のビユーポイントなのです。それが真っ白のガスの中、慰めはたくさんの高山植物、でも風が強くてカメラに収める余裕がありません。すれ違う登山者に聞いても強風にひたすら耐えるという感じでした。

 肩の小屋で休憩、そして岩場を登ります。風は強いといってもまだ歩くには大きな支障はありません。ただガスが強くて前がよく見えません。なんとか山頂に、20人くらいの登山者が休んでいました。本来ならそこで集合写真を、でも濃いガスの中ではとても無理、みんなに個人の写真を撮るように勧め、短めの休憩の後、北岳山荘に向かって下ります。
 小太郎尾根越えてガスと強風  北岳の肩 雨とガスと強風  雨とガスと強風の北岳山頂

 ところが八本場のコル分岐に来たところで立ってもいられないほどの強風、少し八本場側に下ってみんなを休ませました。このまま稜線上を進むのは危険だと思い、予定を変更して八本場のコルの巻道を進んだほうが風が少ないだろうと予定変更をみんなに指示しました。本来ならキタダケソウの咲いている場所でもあります。過去2回の山行にもこの道を反対側から歩いています。少し危険な個所もあるけど注意して歩くように、そしてゆっくりでいいからと、高山植物の一番きれいな道を濃いガスの中歩いたのでした。  
強風避け 八本歯のコル分岐へ迂回
お花畑も早め通過 
 八本歯のコル分岐付近  池山吊尾根分岐

 そして再び稜線に出ます。そして強風の中、足を進めます。本来なら北岳山荘が見えるのですが、濃いガスの中、前は真っ白です。岩場の道を何度も大きな石を乗り越え、ようやく北岳山荘に到着です。
 時間はまだ11時50分、でも間ノ岳は中止としました。行きは良くても帰りまで強風の中では低体温症など危険が伴います。みんな納得で小屋の中に入りました。雨が降っていなかっただけでも幸いでした。

 この日はこの小屋は60人の予定だとか。寝床に荷物を置いて、乾燥室で衣類を乾かし、食堂で宴会の始まりです。なんとか北岳に登頂できた。そして北岳山荘にも到着した。安堵の瞬間でした。
 明日の予定をみんなに言います。もし天気が良ければ北岳に登り返します。そして雄大な景色を楽しんでから急坂を下ります。天気が悪ければ八本歯のコル経由で大樺沢は通れないので二俣から白根御池小屋経由で広河原に行きますと。でも翌日の天気予報は雨なのです。
強風の中 北岳山荘 着 一時富士山現わる 北岳山荘 夕食

<三日目>雨と深い霧
 夜中にすごい豪雨があった。風も強く唸っていた。もしかして停滞かもと。心配になりなかなか深い眠りに入れなかった。
 朝4時半の朝食。外は雨、でもそんな大雨ではなかった。小屋から稜線に出て、北岳方面に足を進める。霧が深くて前がよく見えない。大きな石を何度も乗り越え、ひたすら登る。

 ようやく八本場コルの分岐に。ここから北岳を巻いてトラバースルートを歩く、花、花、花が美しい。昨日歩いた道だが、朝のほうがもっと美しい。でも雨と霧で誰もカメラに収められない。

 途中何度も梯子や階段があったが手すりがしっかりしていて安心だ。そして北岳からのルートに交わり、そこから急坂を下に降りて行く。ゴロゴロした石の道、落石に気を付けて、そして階段が現れる。急坂の階段だが手すりがしっかりしていて、それでも手すりにつかまらないとあまりにも急で怖くなる。
北岳山荘 雨の中スタート準備 ガスの中 八本歯のコルへ 八本歯のコル

 そんな階段を何度も降り、多少道が緩くなったところで左沢の淵に出た。左沢は大きな雪渓で覆われていた。その淵を歩くのだが、普段は水のない小さな沢が増水していた。

 なんとか石伝いに渡ること4回か5回、ようやく二股に到着、白根御池小屋への分岐から森の中の道へ、約30分で小屋に到着、そこで大休憩を取るのでした。
大樺澤 渡渉の連続
 多くの人が小屋の前で休んでいました。風が強いという情報で登頂を断念しようかとの人も、山小屋のキャンセルの電話なども、でも我々はここから帰るだけ、雨はあっても、ここからは風はありません。

 トラバースルートを通り、急な下り道をひたすら下ります。途中すれ違う人から山頂の様子を聞かれます。風は強いです。でも昨日北岳に登りましたと。

 最後の最後まで急な坂道をひたすら下って、広河原に着いたのでした。

 予定より少し早いけど予約してあったジャンボタクシーは待ってくれていました。
 雨具を脱いでタクシーに乗り芦安まで行き、そこで上信のバスから着替えを取ってお風呂に入って遅い昼食を取りました。

 こうして三日間の北岳山行が終わったのです。参加者の皆様、大変ご苦労様でした。

 これに懲りずまた山に行きましょう。雨と深い霧で大変な山行だったけれどきっと今頃は日本の二番目に高い北岳に登頂できたことに満足していることでしょう。

 何度も行けば今度は晴れますよ。また行ってください。北岳は待っていますよ。
  
 帰ってきた白根御池小屋
さあ、もうすぐ広河原です。
≪出逢えた花々≫

 残念ながら、極一部です。