会山行紀行文 2023年
5/27(土)-28(日)
晴   晴れ後曇
(しちめんざん)
七面山と身延山久遠寺

1989m
   
参加者 (紀行文) 2097 T/Y
No−48 グレード:C上  33名
 担当リーダー 2097 T/Y (男性10名・女性23名) (写真) 2097 T/Y
≪コースタイム≫
≪5月27日(土)≫
新潟駅南口(6:10)=新潟西IC=(北陸・上信越・長野・中央・中部横断道)=(車内で昼食)=中富IC=表参道登山口(11:55-12:13)…肝心坊(13丁)(13:08)…中適坊(23丁)(13:54)…晴雲坊(36丁)(14:53)…和光門(46丁)…敬慎院(50丁)(16:03)(泊)
≪5月28日(日)≫
敬慎院(5:50)…七面山(7:02-13)…敬慎院(7:54-8:20)…表参道登山口(11:40)=六郷の里・つむぎの湯(温泉・昼食)(13:30-14:50)=身延山久遠寺(15:20-16:00)=下部温泉早川IC(16:25)=(中部横断・中央・長野・上信越・北陸道)=新潟西IC=新潟駅南口(22:00)
≪紀行文≫
〜〜〜苦行の先に究極の聖地 七面山へ 山岳信仰の霊山で富士山方面のご来光を拝む〜〜〜

 標高1989m、山梨県の南側に位置する日本二百名山の一つにも数えられる霊峰七面山。
 ここは法華経信徒を守護する「七面大明神」を祀る山であり、修行の山として知られており、毎年多くの人が登詣し、いまでもここは徒歩でしか辿り着くことの出来ない聖地。

 身延山地に扇状に佇む七面山は、日蓮宗の総本山として知られる身延山の裏鬼門に位置しており、日蓮聖人とのいわれが伝説として残っている。
 その昔、日蓮聖人が説法をしていると、その聴衆の中に麗しい女性がおり、他の信者の方々がその女性が誰かといぶかしげに思っていて、日蓮聖人が本当の姿を皆に見せてあげるよう伝えると、その女性は「私は七面大明神。身延の山を守り、『南無妙法蓮華経』と唱える者たちを守護します」と言い残し、龍の姿となって七面山の方へと飛んで行ったという伝説がある。それから700年もの間、七面山は七面大明神を祀る山として法華経に帰依する多くの信徒が登詣する聖地として守られてきている。

≪5月27日(土)≫
一日目のルートと高低(クリックで拡大) 二日目のルートと高低(クリックで拡大)

 登山口近くの道路が狭いので、マイクロバス2台で新潟駅から25名を乗せ、新潟駅6時10分出発。高速道に乗り、巻潟東ICで8人を乗せ、合計33名で一路表参道登山口に向い、表参道登山口に11:55到着。

 修行の山として知られる七面山の登山は苦行。決して簡単な道のりではなく、標高差1500m近くある道のりを4時間をかけて登る。高低差からすると、富士山五合目から山頂までと同じくらいあり、平地がなく、ひたすらに急な坂を登っていくため、決して甘くはない。

 山門のある登山口からスタート。ここを一丁目とし、五十丁目の敬慎院まで番地が付いており、途中に4つの坊があり、休憩をすることができる。景色に変化がないので、○丁目の灯籠の数字が増えることをモチベーションの糧にして登る。
 登山道は、手入れが行き届いていて歩きやすいが、登りがいもある。杉木立の中に続く道を、杉の根を踏み、石段を登り、1丁ごとにある石灯籠を辿りながらジグザグに進む。

 神力坊は、表参道の二丁目にあり、参拝者が道中安全を祈念して出発する場所とのこと。神力坊の本堂には日蓮聖人(にちれんしょうにん)の木造とともにお萬の方の木像が安置されており、七面山の守護神でもある伽藍坊大善神の木像が登山道をはさんだ向かいの堂に祀られている。
表参道登山口に到着し、登山準備 山門のある一丁目表参道入口からスタート 出発してすぐに二丁目の「神力坊」を通過
「○丁目」の灯籠が50丁まである 苦行・修行、ひたすらに急な坂を登っていく 十三丁目の肝心坊に到着し休憩

 二十三丁目の中適坊に到着。敬慎院まであと半分ほど。
このような少しなだらかな登りやすい登山道もあるが 二十三丁目の中適坊に到着し休憩 二十五丁目、半分登った

 二十九と三十丁目の間に「見晴らし」と呼ばれる展望台がある。方角的には北で、遠くに見えているのは甲府盆地かと思われる。
 漸く最後の休憩場所、晴雲坊(三十六丁目)に到着し、水が補給できる場所でもある。
「見晴らし」展望台。方角的には北の方向 晴雲坊に到着し、休憩 登山道が崩落で、回り道に

 和光門(四十六丁目)に到着、和光門をくぐって坂を登りつめたところにあるのが鐘楼。この鐘楼の釣鐘は、誰でも自由に撞くことができる。
 和光門の先にある鐘楼。左の坂を登ると随身門(四十九丁目)と展望台、右に進むと敬慎院(五十丁目)がある。やがて緩やかな登りになり道幅も広がって、五十丁目の敬慎院に到着。
和光門(四十六丁目)に到着
 右に折れて敬慎院(五十丁目)へ 敬慎院で集合写真 
 
 宿坊の敬慎院で受付し、まずはシャンプー・せっけんが使えないし、数人しか入れない風呂に入浴。
 夕食は、精進料理にお神酒付きで一升瓶のお酒がついたので、みんなで注いで乾杯をする。精進料理は皆が思っていた豪華な精進料理でなく、野菜中心で素朴な味付けの本当に質素なものであったが、お腹も空いていたのでおいしく頂いた。質素なものと聞いていた人は、別におかずを沢山持参していた。
敬慎院五十丁目の標識 夕食は、精進料理にお神酒付き 敬慎院名物、巻き布団

 夕食後は、本堂の一段奥の場所で御開帳に参加し、その後夜のお勤めにも参加した。御開帳の参加でお札もいただく。夜のお勤めでは荘厳で迫力ある読経と説教があり、読経後には数人特別な御祈願・ご供養を申し込んでいたので、読み上げられていた。

≪5月28日(日)≫
 翌朝は日の出前に起床することになっており、起床時間の4時より前に起きて、登山準備。4:30の朝のお勤めと御来光と絶景を見に全員で敬慎院から少し登った所にある随身門の遥拝台(展望台)に向かう。既に4時頃から遥拝台で既に朝のお勤めをしていた白装束の信徒がおり、その脇でご来光を待つ。
 遥拝所(展望台)から眺める富士山の姿は本当に素晴らしく、春秋のお彼岸頃にはダイヤモンド富士を拝むこともできる。

 ご来光を見た後、戻って登山準備。予定の1時間10分前の5:50に遥拝所(展望台)へ登り、登山開始。ここから三角点のある山頂までは休憩除いて約1時間。
随身門の遥拝台(展望台)でご来光前4:15の絶景富士山 富士山の左、右三ツ峠山・左黒岳の間からご来光
白装束の信徒の脇で御来光を待つ 予定より1時間10分早く登山準備 敬慎院まで荷物を運搬する索道を潜って 

 敬慎院から山頂付近にかけては富士山の好展望地が何か所もあり、また、山頂付近の東側斜面に「ナナイタガレ」(大崩れ)と呼ばれる大崩落地がある。1600年代から起こっていたとされ、その後の大地震で崩壊が拡大し、今でも崩壊が続いている。
「ナナイタガレ」と呼ばれる大崩落地 「ナナイタガレ」に沿った登山道を歩く 富士山の好展望地から雲海と富士山
 「ナナイタガレの上部から眺める
七面山山頂到着、三角点あり 山頂で集合写真

 山頂から敬慎院までの下山途中で、数十頭の鹿に会う。
 昨日から約500人の白装束の信徒が別な棟に宿泊しており、我々より前に下山していたが、敬慎院からの下山途中で今日泊まる500人を超える白装束の信徒が登ってきた。

 信徒の方は「南無妙法蓮華経」とお題目を唱え祈りながら登っていく。法華経の信徒でなくとも、「祈りの道」「修行の道」であることが分る。
敬慎院から下山開始 白装束の信徒が登ってきた 1600m弱を下り漸く登山口に到着

下山後、六郷の里・つむぎの湯で久ぶりの温泉に入り疲れと汗を取り、途中もコンビニで買った昼食・ビールでお腹とのどを潤す。2000m級の山からの下山後のビールは旨い。
 その後、身延山久遠寺へ向い、駐車場から斜行エレベーターに乗って、日蓮宗の総本山の身延山久遠寺を参拝する。さすが総本山なので、全体の規模と本堂が大きく豪華で荘厳な感じである。
 本堂・祖師堂・報恩閣・五重塔などを見学し、その後下部温泉早川ICに乗り一路新潟へ帰る。  
六郷の里・つむぎの湯で温泉と昼食 身延山久遠寺本堂や五重塔。閉門近い時間なので観光客は我々のみ