≪紀行文≫ |
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〜〜〜オホーツクからの強風で身体が揺れ〜〜〜 |
≪7月4日(月) 羅臼岳(雨)≫ |
知床半島を俯瞰して見ると、半島は太平洋とオホーツク海を分けるように突き出ている。その半島の中央を貫く知床連山の最高峰が羅臼岳である。世界遺産に指定された知床のシンボルといってもいい。
朝起きて窓の外を見ると雨が降っている。
今日は出掛けからかっぱの着用とのことで各自準備を始める。
稜線から山頂にかけては風が強く冷え込むだろうとのことで防寒対策を考えなければならない。
予定より1時間早くホテルを出発。
岩尾別温泉登山口の駐車場に到着するとすでに多くの車が止まっている。
百名山はどこに行っても全国各地からの登山者でいっぱいだ。
今日は道東三山の最高峰羅臼岳の山頂を往復する。
これまでの疲れがピークにきているので最終日は特に気力をとり直し、断乎たる決意で臨まなければならない。
いままで登ってきた二日間とは違う。
雨が降っている、風も強い、歩行時間は8時間超と長く、標高差も1400M以上だ。
みなさん準備運動にも気合が見られる。
木の下小屋の脇を通って登山口へ。 |
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雨の中準備運動をする(Y/N) |
雨具をつけて出発 |
木の下小屋の脇を通って登山口へ(Y/N) |
樹林帯の中に入るといきなり急登が始まる。
559Mのピークを過ぎ弥三吉水まで樹林帯の中を黙々と足を運ぶ。
弥三吉の水場では先行のパーティーが休憩していた。ここまで2時間弱まだまだ先は長い。
ここからは平坦な道がつづく極楽平で呼吸を整えながら次の急登に備える。 |
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エゾシカが近くで迎えてくれた |
弥三郎清水(Y/N) |
極楽平(Y/N) |
急登の仙人坂から銀冷水を過ぎるとやがて大沢雪渓が見えてくる。
登山道から雪渓に取り付き、はじめは緩やかな斜面でアイゼンなしでも歩けるが、高度を上げるにしたがって斜度が増してくると危険を感じてくる。不安の人は安全を期してアイゼンの装着をはじめた。雪渓に慣れているせいかアイゼン無しで歩き切った人も数人いた。 |
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銀冷水(Y/N) |
大沢雪渓が見えてきた(Y/N) |
例年以上に雪の多い大沢雪渓を進む |
雪渓を全員無事に歩き切ると1345mの羅臼平に到着。
頂上まであと標高差は315M、ハイマツ帯を通り過ぎると頂上直下の岩場が待ち受けている。
ガスで視界は悪く、まだ雨と風は止むことはない、少しづつ体温が奪われていくのがわかる。
頂上までの岩場を登るにはポールの所持は危険である。ポールはハイマツの陰にまとめてデポし、頂上に挑むことにした。 |
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羅臼平に到着 |
ガスと風の羅臼平を行く |
岩場のルートは、岩に印したペンキの矢印があり見落とさないように登る。雨で岩が濡れているので滑り落ちないようしっかり三転確保をし、腰を低く落とし這いつくばって慎重に進んでいく。突然オホーツクからの強風で身体が揺れ不安定になることもあった。
漸く決死のおもいで羅臼岳(1661M)頂上に辿りつくも強風で吹き飛ばされそうになる。
ガスに包まれて視界はゼロ、長居は無用。一人山頂標識に手をおいて腰をかがめて記念写真を撮ってもらった。
山頂は狭く全員が頂上に到達するまでには時間がかかるということで到達したものから下山することになった。残念だが集合写真はパス。 |
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山頂直下の雪渓、アイゼンをつけて |
ガスと強風の山頂 |
ポールをデポしたハイマツの場所で全員集合。お互い無事だったことを確認し合って同じコースを下山です。
二か所あった雪渓の下りは慎重を要しなければならない。下から上を見るのと、上から下を見るのとでは感じが全く違う。
下りは恐怖心が大きい。アイゼンは、万が一の危険防止のためには装着が必要である。
ハイマツ帯の登山道は長身の者にはストレスがたまるものである。頭注意の知らせがあるもののぶつけてしまうこともあり、長身のための悩みを思う存分知らされたようだ。それは痛いだけでなく、歩行ペースが乱されることのようでもある。 |
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下山前に全員の確認 |
下りの雪渓 |
下山は花々に癒されながら |
≪羅臼岳登山中に出逢えた花々≫ |
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三日間の道東三山の山行を無事終わることができ、山行に参加した者にとっては充実した達成感を味わったことだろう。 天気は天の神に問うても教えてくれない。こればかりは天に任せるしかないのだ。
今夜の宿は、中標津のホテルマルエー温泉「俵橋」である。道東三山の最後の夜をカラオケで盛り上がり締めくくった。
リーダーはじめ山行をともにしたメンバーのみなさんに感謝。特に会計を担当されたMさん、Wさんのご苦労にありがとうございました。 |
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宿泊したホテルマルエー温泉「俵橋」(Y/N) |
帰路苫小牧までは様々なスポットに立ち入りながら(Y/N) |
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