八ツ目沢は高井峠と大石山から発して、飯豊の湯の島小屋、オンベ松尾根ルートに向かう道路の途上、小荒集落の入り口付近で実川に注ぎ込む沢です。
橋の上から見下ろすと、沢床は20m以上下場で、両岸は切り立った断崖です。ロープを一番下場の木に回し取りし、懸垂で下降しました。
ロープは全長20m、二つ折りで10mですが、下端までには1m程不足しました。
20mロープを2本持ってきていたので、懸垂に使用したロープは、登る時のために残置して先に進みました。
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小荒集落手前、八ツ目沢に掛かる橋 |
橋の上から木の枝越しに沢床を見下ろす |
懸垂下降した崖 |
降り立った沢床はすばらしい渓相でした。材木は無く、水量は多過ぎず、少なすぎず、水はとても澄んでいて綺麗です。 |
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橋を見上げました |
降り立った箇所から上流を見る |
上流に進んで行く |
話は前後しますが、帰ってきてから橋より下流に向ってみました。
実川の出口には大きな滝がありました。落差は20mほど、写真を撮ろうと滝の落ち口にできるだけ近づこうとしましたが、近付くにつれ、足の裏からお尻にかけてムズムズしだし、落ち口の1m程手前までで精一杯でした。 |
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橋のすぐ近くに2m程の滝があります |
沢床はずーっと岩で、気持ち良いです |
もう少し先にと思いますが、コワイです |
また話を戻して、上流に向かって進むと、高さ6〜7mの大きな滝が現れました。
もう年なんだから、こんな滝は登っちゃいけない、登るのは止めようと思っています。
しからばおとなしく高巻をと、周りを見渡したら、周囲は断崖で、高巻きする方がかえって難しく、危なそうです。
万事休す、ここでジエンドにするか、さんざん悩みました。
まだ歩き始めたばかりなのに、いくらなんでも帰るのは早すぎる、しっかり気を付けてここだけは登って、この後に、このような滝が出てきたら登らずに引き返すことにしょうと、結局は未練がましい結論を引き出しました。
登るにあたって、滝つぼに入り、水深を確かめました。水深は胸まであり、転落しても十分クッションになる深さがありました。
水流の左脇を登りました。
一歩一歩、一歩登るごとに、糞詰まった時、そこから降りる時には、どこを掴み、どこに足を置くかシュミレーションしながら慎重に登りました。
滝の上にも綺麗な渓相が続いていました。 |
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行こうか、帰ろうか、思案の滝でした |
滝の上の渓相 |
岩床の流れ |
沢が河原状になったと思ったら、突然砂防ダムが現れました。この砂防ダムには水門が在り、発電用水の取水口を兼ねているようです。
これだけの施設が在れば当然施設管理用の道が通じているはずです。砂防ダムの上に出たら、幅広のりっぱな歩道が来ていました。
この砂防ダムに至る歩道の存在を知っていれば、橋の所から苦労して沢に降りる必要はなかったと、少し悔しい気持ちになりましたが、砂防ダムを越えてしばらく歩くと、悔しい気持ちは消えました。
砂防ダムからは、渓流とは言い難い河原状の流域が、高井峠から下る沢と大石山から下る沢が合流する地点まで、延々と続きました。
八ツ目沢は砂防ダムより下流が面白い場所だったのだと分かったら、砂防ダムから入渓せずに良かったと思えました。 |
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砂防ダム兼取水口 |
砂防ダム上流の河原状の流域 |
二股、左は高井峠、右は大石山 |
二股に来て、左に行けば高井峠、右に行けば大石山、左か右か思い悩むこともなく、何となく左に入りました。
水量は、大石山からの水流が無くなる分、ほぼ半分程度に少なくなります。
入るとすぐに5m程の滝がありました。
滝の上流は流水幅が狭くなりますが、河原状の流域に辟易していた身には、“おお、やったね、沢だね、渓流だね”という感じの渓相になります。 |
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5m程の滝、シャワークライムで登る |
流水幅は狭くなる |
いい感じの流れです |
滝の落水ももちろんですが、流れる水が徐々に少なくなっていきます。 |
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滝の水もしょぼい落ち方のようです |
綺麗な景色です |
もうやっと流れている感じ |
水はどんどん少なくなり、沢が藪に覆われてしまいました。
沢に被さる藪にはクモの巣が幾重にも張られています。
水切れ点までと思っていたのですが、暑い最中にクモの巣を被って歩きたくないし、時間もほど良い頃になったので、今回はここで打ち止めにしました。
大石沢もそうでしたが、大石山の沢は、沢床の砂に黄銅鉱が混じっていて、キラキラ金色に光っています。
(おわり) |
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流水面が藪で覆われ、ここで打ち止め |
沢床の砂には黄銅鉱が光っています |