メンバーは山スキー仲間の7人で、半ば貸し切り状態のヒュッテで持ち込んだ鍋を囲んで楽しい前夜祭を楽しみました。
祓川ヒュッテは公営の山小屋ですが、食料寝具は持ち込みとはいえ、電気、ガス、水道完備、炊事道具・食器さらには毛布も置いてあります。そして何よりもありがたいのは水洗トイレもあるのです。
今年は値上げされ1泊1,800円でしたが、お金以上の快適な小屋でした。
毎年行きたい場所の1つです。
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鳥海山矢島口コース全貌と祓川ヒュッテ |
祓川ヒュッテ前、この日のスキーヤー
が下山してきました |
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ヒュッテ前の池に映る“逆さ鳥海” |
夕日に燃える鳥海山 |
ヒュッテは標高1200m、
5合目からの雲海越しの夕日です |
朝早く目が覚め、まずは外に飛び出しました。そうです、天気の具合が何にもまして気になるのです。
一面ガスっていましたが全体には明るく、暖かく、このガスもすぐに晴れると予想されました。
出発は少しでも雪が弛んだ7時としていましたが、夕方からは雨の予報、これはなるべく早く出立した方が賢明と判断し、6時半に繰り上げました。
それから、昨晩の鍋の残りで雑炊を作り皆で腹ごしらえ、準備万端整えて歩き始めました。
雪面は固く、ヒュッテ前の池はまだ一部氷が張っていました。 |
この矢島口コースは夏道なら、およそ3時間半で七高山に着くのですが、この時期はまだ行程すべてが雪に覆われていますので、スキー歩行の技術や体力によっては相当なアルバイトが必要になります。
今回は、終始トップを歩いたのは長老の六さんでしたが約4時間だったようです。
殿(しんがり)は私で、遅れること50分。這う這うの体で七高山に辿り着きました。技術や体力の差がこれほどの時間差になるのです。
コースを知り、健脚の人は、3時間を切ることもやぶさかではないとは思いますが、今回の我々は、ルート取りを少し間違えたようで、かなり苦労しました。
七高山の頂上で、ゆっくりと疲れを癒し、写真も撮り、景色を見ながらランチタイムといきたかったのですが、何やら上空に黒い雲が湧き上がってきました。
これはいかん、荒れる前に早く降りようと六さんから檄が飛びました。お昼どころではありません。
慌ててシールを外し滑降の準備をしました。 |
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明けて絶好のスキー日和、早く行こうと急かされます。中央が“七高山”頂上、右奥が
“新山”です。近いようで実に遠い山です |
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雪は固く締っていてスキーには
絶好の雪質ですが、大変なアルバイトです |
七ツ釜避難小屋上部の斜面を
懸命に登っていきます |
大きくS字を描く大雪原、ここを登り、
滑ってくるのです。ガスった時のため、
5m間隔でポールがベタに打ってあります |
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氷の薬師を過ぎたあたり、距離的には
2/3過ぎていますが、ここからが大変です |
七高山は目の前なのですが、いっこうに
進みません。一服して下界を見下ろします |
続々と登ってきますが、
どなたも難渋しているようです |
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ようやく外輪山の最高峰“七高山”に到着、ほっと一息、カメラを下に向けました |
荒々しい外輪山の様子 |
“七高山”でくつろぐ仲間たち |
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仲間たちは次々に大雪原にドロップし、きれいなシュプールを描きながら滑って行きました。
自分も遅れじと“いざ”と掛け声をかけましたが、どうしたことか足が動きません。
足元を見ると、登攀用のシールは外したものの、スキーアイゼンを付けたままでした。
なんと愚かなことか、これでは滑るはずがない。
またしても遅れる羽目になってしまいました。でも、すぐに仲間たちに追いつきました(ありていに言えば、待っていてくれたとも言います)。
鳥海山は、全山が一枚バーンです。見渡す限りの大雪原を滑るのは実に爽快でした。
今シーズンの板収めでもありましたし、滑りの感触を味わいながらの大満足のBC(バックカントリー)でした。
登りに要した時間が5時間、下りはあっという間の30分。
何とも効率の悪いスキーでしたが、良い思い出がまた1つ増えました。
おわり |
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氷の薬師付近で記念に1枚、頂上から
わずか10分でした。ちなみに登りは
この間を2時間半かけています。 |
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颯爽と滑る“六さん”の雄姿、この元気さ、
喜寿とはとても思えませんね |
どんどん下ります。
あまりに早くて写真撮る暇もありません |
七ツ釜避難小屋が見えてきました。
祓川ヒュッテはまだまだずっと下です |
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(クリックで拡大) |
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祓川ヒュッテの上までやって来ました。
最後の一滑り、そして今シーズンの板仕舞い |
最後に見上げる鳥海山、
大自然の中の雄大なゲレンデです。 |
辿った軌跡、赤は登り、
青はスキーの跡です。 |
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