会山行紀行文 2014年
 05.07(水)〜05.12(月)
天候は本文に
アケボノツツジを訪ねて
九州4座
参加者 (紀行文) 2052 M/T
2名
(男性1名・女性1名) (写真) 2051 S/T
尾鈴山1405m、傾山1602m、大崩山1643m、市房山1721m
≪コースタイム≫
             下記本文ご参照
≪紀行文≫
                               〜〜〜アケボノツツジを訪ねて〜〜〜

 数年前、会のS先輩に九州のアケボノツツジの話を聞いて以来、一度は花の季節に訪れてみたいと思っていました。
 今回の4座は丁度アケボノツツジの多い山と言うことで、期待に胸をふくらませ出かけました。

≪5/7≫新潟より夜行バスで東京へ

≪5/8≫尾鈴山(おすずやま) 天気:晴れ

 尾鈴山は宮崎県を代表する山です。懐に大小30余りの滝を有し、昭和19年の名勝「尾鈴山瀑布群」に指定されています。

【コース】
 羽田(6:30)〜宮崎空港(8:40)=登山口(11:10)…5合目(11:50)…山頂(12:35-12:55)…5合目(13:30)…登山口(14:05)=宮崎市内ホテル泊
【紀行文】
 出発直前に道路の通行止めのことが分かりガッカリ。アケボノツツジを見るためには、周回コースを取りたかったのです。
 工事の時間解除の間を利用しての入山のため、周回コースはあきらめ山頂までのピストンとする。
 シャクナゲ、アケボノツツジは山頂向こうの尾根には入らないとダメなようです。それでも花が見れることを期待しての出発。
ミツバツツジでした アセビの花と匂いが一杯 珍しいハイノキの花

 薄暗いツガ林の中の登り、1合目までは急登です。5合目を過ぎようやく斜度はゆるやかに、視界が開けるようになって展望台に。
 アセビの花のトンネルを抜け、鳥居を潜り、小さな祠の脇を少し登ると山頂です。
 ここにはミツバツツジが数本咲いているだけ、お目当てのアケボノツツジは見ることができませんでした。
鳥居を潜り 小さな祠が祀ってあります 展望のない尾鈴山山頂

≪5/9≫傾山(かたむきやま) 天気:晴れ

 傾山は、大分県と宮崎県の県境にある祖母傾山系の山です。山名の由来は北側から眺める山頂部が傾いて見えること、また肩をそびやかす人の仕草に似ている所から来ています。

【コース】
 宮崎市内ホテル(7:00)=黒仁田登山口(11:10)…九折越(11:45)…杉ノ越(12:45)…山頂(13:10-13:35)…杉ノ越(13:50)…九折越…水場(14:45)…登山口(15:05)=鹿川交流センターつりがね泊
【紀行文】
 とにかく登山口までの林道が長い、それも大変な悪路です。車のパンクを気にしながらの走行でした。
 登山口からは荒れた林道を歩き、20分ほどで水場です。ここで美味しい水を飲み、これからの登りに備えます。
 一汗かいた頃にパッと開けた九折越に出ました。これより新緑の林の中、双耳峰の山頂を見ながらの歩きは快適です。
双耳峰の山頂 アケボノツツジを眺めながら 庭園のような山頂近く

 登りがきつくなり、ロープ場も出て来ますが、アケボノツツジが満開です。

 後傾と傾山の険しい岩肌に張り付くように咲くアケボノツツジが素晴らしい。
 後傾からはいったん下り山頂へ向かいます。
 山頂からは360°の眺め、地元の方に祖母山の方向を教えてもらい、明日登る予定の大崩山の話や九州の熊の話を聞きくことができました。

 「大崩山は入山者数と下山者数が一致しない山」と怖い話が出ましたが、私たちは一番安全なコースを予定しているはず?
傾山の山頂 アケボノツツジ
アケボノツツジを愛でながら

 熊の話では「林道にある注意書には、H23年に熊に遭遇と書いてありますが、九州の熊は絶滅しており、DNA鑑定から今いる熊はどうも本州から持ち込まれたものらしい。」とのことでした。
 このあと泊った宿の主人も九州の熊は絶滅しており心配はいらないと言う話でしたが、真偽のほどはどうなのかな?

≪5/10≫大崩山(おおくえやま) 天気:晴れ

 大崩山は宮崎県延岡市北西部にあり九州山地に属する山である。
 山名は東側斜面に崩れたように見える風化した花崗岩が露出することに由来しています。

【コース】
 鹿川交流センターつりがね(6:40)=宇土内谷登山口(7:25)…尾根(8:00)…第1ピーク(8:35)…山頂(9:20)…第1ピーク(10:10)…尾根10:40)…宇土内谷登山口(10:55)=市房観光ホテル泊
【紀行文】
 昨日、傾山で大崩山のことを脅されましたが、宿のおばさんに「私でも登れました。」と言われ一安心。
 アケボノツツジが一番多く安全な宇土内谷コースを目指します。
 林道は昨日よりも走りやすい、登山口には我々が一番かと思っていたら、すぐに北九州の車が3台。今日は混みそうです。
 尾根に出るまでは急登。尾根からの道が凄い!!両斜面にアケボノツツジとミツバツツジの群落がず〜と続いています。
枯れスズタケ 展望のない山頂 展望台からの360°の眺め

 芽吹き始めた新緑とのコントラストも素晴らしい。花に見とれて足がなかなか進みません。
 第1ピークからはアセビとスズタケのトンネルの中の歩きです。
 再び視界が開け、眺めの良い岩場に出ます。ここが山頂と思ったが、違いました。山頂はこの奥しばらく歩いての所でした。
 下りは下りでまた角度が変わってお花が楽しめる。再度歓声を上げながらの下山でした。  
アケボノツツジに囲まれて

 朝、駐車場であった北九州のグループのお一人が脳梗塞をおこし、ヘリコブターで救助されました。
 「あのグループの方たち登って来ないね」と話していたのですが、大変なことになっていたのですね。他人事でない山中での事件でした。

≪5/11≫市房山(いちふさやま) 天気:晴れ

 市房山は熊本県と宮崎県の県境にある熊本県第2の高峰です。
 熊本県側の山麓に約1,200年の歴史がある市房神社があります。参道には樹齢700〜800年の巨大な杉並木が続いています。
 宿の主人の話では、市房神社があるために木を伐ることができなかったことが幸いして原生林がそのまま残ったそうです。

【コース】
 市房観光ホテル(6:40)=市房神社入口(林道終点)(6:50)…六合目・馬の背展望台(8:10)…山頂(9:30)…六合目・馬の背展望台(11:00)…市房神社入口(林道終点)(12:05)=宮崎空港〜羽田空港
【紀行文】
 少しでも歩くのを減らすために、3合目まで車で入りました。
 大杉のある八丁坂を上ると、市房神社です。立派なお社が建っています。
 この後ろから登りになりますが、とにかく急登。木の根に捕まり、階段の繰り返しです。
 六合目の馬の背で一息を入れる。谷に吹き渡る風の音が凄い、山頂方面にはガスがかかりこの先の天気が少し心配されます。
 これより、登りが少しは楽になりましたが、まだまだ気が抜けません。
 参道の大杉並木  四合目の市房神社  六合目の馬の背

 七合目を過ぎようやく尾根歩き。八合目からアケボノツツジがぽつぽつ見えてきましたが、風が強く、ゆっくりと花を見ている間がない。とにかく山頂を目指します。  
 
 さらに風が強まりガスも出てくる。
 山頂に着くが記念写真を撮って早々に退却することに。

 本当は山頂から反対側にある、ヒカゲツツジが咲いているという「心見の岩」に行ってみたかったのですが、天候が悪いので断念です。

 期待していたヒカゲツツジはまたの機会に。

 時おり風でガスが切れた合間に、姿を現すアケボノツツジを眺めながら下山しました。
市房山山頂 アケボノツツジを堪能 

≪5/12≫夜行バスで新潟着

【アケボノツツジはアカヤシオの仲間】
 九州に分布するのはツクシアケボノツツジと呼ばれ、"ツクシ"のつかないアケボノツツジは四国・近畿に分布、アカヤシオは近畿より東に分布しています。日当たりのよい標高1,000m以上の山地に生える落葉低木で、名の由来は、淡いピンクの花の色を「曙」の空の色にたとえたものです。