会山行紀行文 2014年
 08.04(月)〜05(火)
晴れ一時雨 曇り後晴れ
(きりがみね)(うつくしがはら)
霧ヶ峰・美ヶ原
1925m
(車山)2008m(王ヶ鼻)
参加者 (紀行文) 1507 N/O
19名 (俳句) 557 T/K
(男性3名・女性16名) (写真) 1507 N/O
≪コースタイム≫
≪8/4≫
新潟駅南口(6:05)=東部湯の丸IC(9:15)=車山肩P(10:30-10:50)…車山(11:35-12:20) …車山乗越(12:40)…蝶々深山(13:05) …物見岩(13:35)
…八島湿原入口(14:25) …八島湿原P(14:50-15:10)=山本小屋(15:45)
≪8/5≫
山本小屋(6:15)=(宿のマイクロバス)王ケ鼻(6:30-7:00)=山本小屋(8:30)…美しの塔…塩くれ場…牧場内…茶臼山(9:40-10:00) …山本小屋(11:05-11:15)=途中の林で昼食(11:40-12:00)=「うつくしの湯」(12:35-14:40)=坂城IC(14:20)=新潟駅南口(17:20)
≪紀行文≫
                             〜〜〜アサマフウロに出逢えて感激!!〜〜〜

 個人的には霧ケ峰も美ヶ原ももう十数年前に行ったきりでした。
 昨年の浅間山(前掛山)会山行の折に、ふと「そういえば浅間風露」と言う花があったけど・・・と調べましたら、8月中旬以降に八島湿原に咲くとの情報を得ました。
 そして、一昨年のFリーダーの山行での紀行文で、「コロボックルヒュッテ」の手塚宗求氏のことに触れてあり、手塚氏に関しては無知の私だったのですが、一冊、二冊と氏の著書を読む内に、氏の霧ケ峰に寄せる思い、そして生活等々のエッセイに本当に惹かれて、正に「惚れ込んでしまった」のです。
 そんな二つの個人的な大いなる期待で、今回の山行に臨みました。

 7月21日に一人で、下見を兼ねて来ました。その時は連休最後の晴れ、そして日光黄菅の最盛期とあって、ビーナスラインは車で溢れ、霧の駅に駐車出来たのですが、車山を目指す道も人、人で溢れていました。
 鹿害が酷い霧ケ峰一帯は往時の群生は見られずにボチボチと咲いている状態でした。でも、初めて訪れる人達にとっては充分に満足なことでしょう。でも黄菅も最盛期を終え、平日とあって、道路脇駐車場は余裕でした。

≪8/4≫
 車山肩の駐車場に下り、身支度を整えて、向かい側の休憩所やトイレが立ち並ぶ場所にあがり、トイレなどすまして出発です。
 直ぐ目の前にコロボックルヒュッテがありますが本日は寄りません。(実は後日に再訪するのですが。)

 歩き始めると直ぐに目指す車山山頂の気象観測ドームが見えます。
 平地では30度以上の暑い最中なのでしょうが、霧ケ峰高原は秋を感じさせる涼風が吹いています。

   【高原は さわ々さわと 風の秋】

 晴れていて、風はあるのに・・・展望はイマイチでした。

   【八月の雲アルプスを みなかくし】 正にこの俳句のようでした!


 山頂到着です。まずは集合写真をとります。

 平日とは言え、夏休みなので、遠足の中学生団体、家族連れなど、結構賑わっています。

 車山気象レーダー観測所は、老朽化により廃止された富士山レーダーの代替として1999年に運用されたのだそうです。
 平成11年11月1日運用開始とか。
コロボックルヒュッテ
車山山頂 集合写真 車山
 山頂までに咲いていた花です。

蝦夷河原撫子(エゾカワラナデシコ) 野原薊(ノハラアザミ) 松虫草 山蛍袋

 風を避けて、気象レーダーの脇、風を避けてお昼です。
 あまり長い休憩はしないで、空には雲も広がってきていますので、湿原へ向けて出発します。

 ロープウェイ駅への階段を下りる手前には「車山神社」があります。こんな処に神社がありましたっけ!って感じでした。以前来た時には気づかなかったか、此処まで来なかったのでしょうね。

 今更に調べますと、「天空の御柱祭」として紹介されていました。
 「奥山の大木 里に下りて 神となる」、御柱祭でよく言われる言葉ですが、ここ車山高原御柱祭では、「頂に登りつめて 神となる」であり、天空   の御柱といわれる所以です。
車山神社 八島湿原への案内

 車山乗越で、広大に広がっている高原、湿原方面へ下ります。

 まずは階段状の下りです。

   【一面の よつばひよどり 揺らぎ咲く】


   【気の抜けぬ がれ場の下山 ひめしゃじん】


   【真っ直ぐに 伸びて初咲き 吾亦紅】
れから向かう高原
四葉鵯(ヨユバヒヨドリ) 姫沙参(ヒメシャジン) 吾亦紅

 小さなピーク「蝶々深山」です。 

 広大な高原漫歩ですが、空を見ると黒い雲が覆っています。自然と休憩もプチ休憩となっています。
 流れる涼風のお陰で、水もあまり飲まなくても良いのです。8月の初旬では珍しいことです。

 浅間風露ばかり意識しているので、この花を見つけた時には「浅間風露だ!」と思って撮ったのですが、実は、後で本物の浅間風露に出会います。なので、これは白山風露だと思うのですが・・・

 物を見る岩という名付けなのでしょうか?何やら、「物思う岩」に見えますが。
白山風露 
 蝶々深山  空を覆う黒い雲  物見岩

   湿原に入る手前にありがたい公衆トイレ

 出てきました!浅間風露です。

 高原や亜高山帯の湿った草地に咲いて、場所によっては立ち入り禁止の場所もあるとか。

 環境省の準絶滅危惧種指定です。

 風露は咲く時期が長いのですが浅間風露も8月初旬から9月中旬くらいまで次々に咲くようです。
 続いて白山風露や小鬼百合、ミヤマシシウド、野花菖蒲も。

    【湿原に ししうどの花 抜きん出(い)で】
 公衆トイレ
浅間風露
白山風露 小鬼百合 深山猪独活(ミヤマシシウド) 野花菖蒲

 八島湿原が観えてきました。湿原の沼はハート型と言うことで、その一端が伺える。

     【笹原の 岩場を抜けて やなぎらん】

 八島湿原出口(入口)に到着

 集合写真を撮り終えると、黒い雲から雨粒がポツポツと・・・本当に運の良いことでした。

 ビーナスラインを登り、天空の高原、美ヶ原へ。
柳欄 
 八島湿原  八島湿原出口(入口)で集合写真 

  山本小屋では、まず順次お風呂に入り、一室に集まり、持ち寄りのつまみ(枝豆&Mさんのお手製プチトマト)などで、まずは缶ビールやワインで、食前の前の食前酒です。
    【丹精の トマトにワイン 山仲間】

 せっかくKさんが素敵な句を読んで下さったのに、私は飲む&食べるに夢中で、写真は無しです。

 いよいよ、山本小屋名物の夕食、ジンギスカン鍋です。
 部屋割り、ごとのテーブルで、各テーブルでは肉の奪い合い(?)
 和やかな夕食でした。

 窓の外は深い霧に覆われています。
 星空は期待出来ずに早々に眠ってしまい、7時半からのスライド上映も見ず仕舞いでした。
 山本小屋の夕食風景と豪華夕食メニュー 
 

≪8/5≫

 さて、一夜明けて、やはり外はガスに包まれています。

 出発前にKさんのお点前を頂きました。


 トマトを大量に持ってきて下さったMさんもお抹茶が好きだそうで、神妙な顔で頂いています。

 山本小屋の玄関前に6時集合して、宿のマイクロバスで出発です。

 王ケ鼻の手前でバスを降り、運転手さんの案内で「秘密の場所?!」へ

 石仏は御嶽山の方を向いており、御嶽教に由来しているとのことです。

 美ヶ原は三日に一日は霧に包まれているとか・・・
 この朝も見えれば、眼下に松本市街、その奥には中央アルプス郡が・・・

   【風化せる 石佛群に 霧流る】

石仏群の後ろの岩場を回りこんで、小さく風を除けるように咲いている花の説明を受けました。 
Kさんのお点前を頂きました
 王ケ鼻と石仏 

 「靫草(ウツボグサ)」は花穂は生薬にもなり、弓矢を入れる靫に似ているからなどと、私にとっては初めて知ることでした。
 「赤点弟切草(アカテンオトギリソウ)」は由来は恐ろしい史実に則って花は優しいのに、こんな怖い名前を付けられてどんな気持ちで咲いているのでしょうか!
車軸草 靫草(ウツボグサ) 小葉擬宝珠(コバギボウシ) 赤点弟切草(アカテンンオトギリソウ)
  
 宿に戻り、おしゃれな朝食を頂きます。

 バターが溶けたら、卵を入れて、スクランブルエッグか目玉焼きを自分で作るのです。
 写ってないですが、パンはクロワッサンで、パンと牛乳はお代わりできます。

 朝食後はお昼のお弁当を頂き、でも車に置いて、登山靴を履き茶臼山へ出発です。
 途中までは先ほどバスで通過した道です。さきほどはスルーした美しの塔に立ち寄ります。

 私が此処へ来たのは18歳の時に女子3人でツァーに参加してでした。
 此処へくると誰しもこの塔をバックに記念写真を撮りたくなるのですね。
 当時を思い起こすと、塔はもっと大きかったような気がします。

    【牧(まき)の鐘 たちまち消して 野分風】
 おしゃれな朝食
 長和町の長門牧場からUの字に美ヶ原までを「霧ケ峰・美ヶ原中央分水嶺トレイル」として数年前から長和町観光協会主催でトレイルハイキングツァーを実施していて、私も5コースの内3コースを歩いたことがあります。

 牧場内の道は歩く道のど真ん中に大きな牛糞が落ちている為、要注意です。

 200m毎に案内板が設置されています。トレイルでは扉峠から茶臼山を登り美ヶ原まで。

    【どこまでも 草原の道 花ふうろ】 
 美しの塔 中央分水嶺トレイルの案内   茶臼山への案内

 茶臼山山頂です。周囲は霧に覆われています。
 山頂には誰もいませんでしたので、集合写真はプチ三脚でセルフタイマーで撮りました。

    【秋草を 踏み風に耐へ 峯に立つ】  【霧晴れて 下山の道の明るくて】
 
 一瞬霧が晴れると・・・
茶臼山山頂での集合写真    紅輪花(コウリンカ)
 
 茶臼山を後にして、山本小屋に戻りました。
まだ、お腹は空いてないとの意見が多かったので、お弁当は道中で食べることにして出発です。

 美ヶ原を下り、上田市に入り、岳樺などの木々が立ち並ぶ、駐車スペースもある林の入口でお弁当を食べました。

 後は武石温泉「うつくしの湯」の露天に浸かり一路新潟へ〜〜〜

  【さは々と 木々に秋風 露天の湯】 
お昼を此処で  うつくしの湯

 ゆっくり、ゆっくりの行動だったのですが、新潟には予定よりも早く着きました。

 霧ケ峰や美ヶ原は以外と新潟からも遠くないなと思います。日帰りでも充分に楽しめるので、今後も又、来たいと思います。