会山行紀行文 2022年
5/19(木)
晴れ
(おくあが)
奥阿賀ジオツアー

参加者 (紀行文) 2288 M/N
No−T21  グレード:D緩 25名 (俳句) 557 T/K
 担当リーダー 2339 C/T (男性7名・女性18名) (写真) 2288 M/N
≪コースタイム≫
新潟駅南口(7:10)=大牧原石山俯瞰(9:00)=石灰石サンプリング(9:40)=揚川ダムポットホール観察(10:10)=高台から奥阿賀俯瞰(11:30)=麒麟館で昼食(12:00-13:00)=地層観察トレッキング(13:15)=平堀(15:10-15:30)=新潟駅南口(17:30)
≪紀行文≫
〜〜〜1,500万年前の地殻大変動と国土成り立ちについての考察〜〜〜

 コロナ禍で中止が続いた新リーダーの初山行は晴天に恵まれました。
 参加メンバーは一見して地質、地形や国土形成に詳しそうな学者タイプの会員ばかりです。
 しかし、車中で温泉饅頭の注文受付が始まると「108円の饅頭6個でいくらラテ?」、「6個食べれば腹いっぱいだコテ!」と、掛け合いの声が聞こえます。
 饅頭騒動で大笑いしながら阿賀の里で五人のメンバーが乗車、新緑の国道49号線をグリーン色の阿賀野川に沿って津川へ向かいました。
 途中で講師、ガイドと合流、先ずは旧49号線沿い、鐘馗様で有名な大牧地区から対岸の原石山を俯瞰しながら解説を聞きました。

  (俳句)ジオツアー土産は石と薫風と   若葉して奥阿賀今日は山日和   切り立ちし青嶺を映す阿賀の淵
サンプリングした石 原石山の説明 旧昭和橋橋脚

 阿賀町の険しい山々は日本列島の成り立ちを知る上で重要である事について説明を受け、イザベラバードが称賛したと言う阿賀野川をバックに集合写真を撮影しました。

 説明の後は対岸に移動して原石山の現場で石灰石のサンプル採取です。

 サンゴと同じ物質で形成される石灰石は約1,500万年前の地殻変動により日本列島が南方から押し上げられて移動し、この地で採取されているとの説明に驚きの声が上がりました。

   (俳句)掘り出しの機器錆びし山谷卯木   

石灰石の説明
集合写真 サンゴとの同質性実験

 ハワイ島は現在も日本に近付いて来ており、何万年か後には日本と接するかも知れない、等と壮大な説明を一同ワクワクしながら聞き入りました。
 次は、下流の揚川ダムに移動、日本列島が大陸と繋がっていたとの説明の後、凝灰岩のポットホールを観察しました。

 (俳句)万緑や揚川のダム大しぶき   奥阿賀のポットホールに夏蓬
揚川ダム ポットホール(甌穴) 凝灰岩探し
 
 その後、県道の岩谷高台に移動して「火山活動で隆起した地形の柔らかい凝灰岩部分は削られ、固い流紋岩部分が残って先鋭な山と曲がりくねった川が形成された」と総括説明を受けました。

 (俳句)
 水で書く地図で解説五月晴れ

崩落層の説明 午前の部 総括説明

 頭の中が飽和状態になったところで、昼食会場の麒麟館へ移動、「生きているうちに日本とハワイがつながればいいネ」などと夢を語りながら、おいしい釜飯を戴きました。

  (俳句)筍の釜飯嬉し阿賀の昼
麒麟館へ移動 釜飯タイム 早くハワイが来るといいネ

 午後からは旧会津街道に移動、音無川に沿って下るトレッキングです。
 川原に下りて石のサンプリングや旧国道の掘削によって露わになった地層を観察しました。

 ここでは、何千万年もかかって堆積し、海底から隆起した崖面を見上げて太古のロマンを感じ取る事が出来ました。
音無川の観察 見つけた! 流紋岩かな?

 最後に平堀地区へ移動、「黒ぼく」と呼ばれる火山活動で降り積もった火山灰の肥沃な土地が作物を実らせて現代に至っている事を黒土の畑を見ながら説明を受けました。

 広場での閉講セレモニーでは石部金吉タイプの流紋岩メンバーも、色白繊細派の凝灰岩メンバーも、皆んな「地質学博士」の表情になっていました。
地質学者の表情 黒ぼく リーダー閉講挨拶
  私自身、石も地質も全く無縁でしたが、リーダーの斬新でアイデア満載の企画と進行、そして講師の壮大で巧みな話術に引き込まれ、思いがけず太古の歴史探索に熱中しました。
 楽しく有意義な一日を過ごした事に感謝して奥阿賀ジオツアーは無事終わりました。有難うございました。    終わり