会山行紀行文 2021年
8/1(日)-2(月)
 曇り  曇り後晴れ
(かなやま おおなぎやま)
金山、大渚山

2245m   1566m
参加者 (紀行文) 2232 S/K
4名
(男性1名・女性3名) (写真) 2232 S/K
≪コースタイム≫
≪8/1:大渚山≫ 鎌池駐車場(10:35)…湯峠(11:10-15)…東峰(12:05)…大渚山(12:15-13:00)…東峰(13:10)…湯峠(13:45-55)…鎌池駐車場(14:25)
≪8/2:金山 ≫ 金山登山口(6:15)…水場(7:05)…1949ピーク(8:20)…天狗原山(9:50)…金山(10:40-11:20)…天狗原山(12:00)…1949ピーク(13:00)
…水場(14:05)…金山登山口(14:40)
≪紀行文≫
〜〜〜お花が沢山、その種類や数は期待以上でした〜〜〜

 金山は、雨飾山と火打山を結ぶ稜線上にある山でお花がきれいな事で知られています。但し、田中澄江さんの「花の百名山」や「新花の百名山」にその名前は無く、まさに「知る人ぞ知る」、花の隠れ名山ともいわれています。
 この山は2017年のTリーダーの会山行で登っていて、お花がとてもきれいで忘れられない山の一つです。また登りたいとの思いから、個人山行で計画しました。まさにお花が沢山、その種類やその数の多さは期待以上のものがありました。百花繚乱の言葉がふさわしい山だと思います。仲間と展望にも恵まれ、金山を満喫することが出来ました。

≪8/1≫ 大渚山
 山行の初日、足慣らしを兼ねて金山の近くにある大渚山に登りました。大渚山は、TMリーダーが今年の10月に会山行でトレッキングを予定している山です。登山口は湯峠ですが、現在そこまでの林道が工事中で通れない事から、鎌池に駐車して歩きます。湯峠まで約2km、30分程の林道歩きです。
 鎌池駐車場、ここから歩きます  鎌池、周回路は散策に良さそう  湯峠に向かう林道は、車両通行止め
 林道途中からの大渚山、雲の中です  湯峠着、大渚山の登山口です 途中の石仏、微笑ましいお姿です 
チョット見ない、色と形 東峰分岐に咲いていました 既に花の後、沢山有りました

 湯峠から1時間ほどで、大渚山山頂に到着。残念ですが、展望はありません。晴れていれば、雨飾山はもちろん、北アルプスや黒姫山、高妻山が見えそうですが、すべて雲の中です。心配した雷雨がないだけ儲けものです。

 うるさいアブを避けて、展望台の上で至福の時間としました。途中で追い越した富山のご夫婦と少しお話しすることが出来ました。浅草岳など、新潟の山にも登っておられる様子。           
湯峠から1時間ほどで山頂着 展望台、至福の時間を過ごしました 雨飾山上空の入道雲

 13:00山頂を後にします。世間話をしての下山は早く、あっという間に湯峠に到着です。林道の脇が沢状になっていて、花が終わった後の信じられないほど大きな葉っぱのミズバショウや、なじみがないお花もいくつかありました。
チョット危険ですが、注意すれば大丈夫 長い歴史を感じます 湯峠に戻りました

 駐車場に戻る頃になると遠雷です。山ではたいてい午後から天気が崩れます。明日はこれがなければ良いのですが・・・。宿への帰路、局地的な非常に激しい雨に見舞われました。トンネルを抜けると雨はなく、後で宿の主人から聞いた話では、トンネルの前後で天気が変わるとの事です。山の天気は難しいです。
どんな花が咲くのでしょう? 林道の途中で、ランの仲間ですか? 拡大するととても可愛いです
 ◎大渚山の活動時間=3時間50分、歩行距離=7.6km、累積標高差=535m。

≪8/2≫ 金山
 今日は、雨雲の動きを見ると積乱雲の発達は無いようです。山頂からの展望に期待が持たれます。計画を前倒して、宿を当初の予定よりも30分程早く出発し金山登山口に向かいます。
 雨飾荘手前を右に折れて、妙高笹ヶ峰に向かう林道を4km程走ります。この林道は毎年通行止めの期間が長く、今年は7/20に開通したばかりです。林道歩きを避けると、金山の登山シーズンはあまり長くないようです。
 狭い駐車場には既に4台ほどの先客です。関東からのご夫婦が準備中で、天狗原山迄の予定との事です。
 登山口を6:15に出発。稜線まではジグザグの急登が続きます。昨日の雨は金山にも降った様で登山道は濡れて滑ります。50分程で水場に到着し少し休憩します。アップダウンを繰り返した先の登山道右手にキヌガサソウが咲いていました。前回の金山で初めてこの花を見た所です。その時と違って花の時期は少し過ぎた様でした。
 右手が崖になった所を通り、ヒメシャジンとホツツジが出迎えてくれます。風も気持ちいいです。沢道を過ぎると前方にガレ場が見えてきます。先行した安曇野の女性が登っているのが見えました。
6:15、金山登山口を出発 キヌガサソウ、少し遅かった ガレ場、あそこを登ります

 ガレ場には、何カ所かロープが有り、これを頼りに急登を登ります。左手は開けたお花畑になっています。タカネナデシコとシナノナデシコが咲いています。不思議な事にこれらの花はここでしか見つける事が出来ませんでした。これ以外にも沢山花はあるのですが、写真を撮る余裕が有りませんでした。困った事に花の名前を教えて貰ってもすぐに忘れてしまいます。

 ガレ場を過ぎた1949mピークで休憩です。前方に天狗原山が見えてきます。
ガレ場の急登、ロープが頼りです タカネナデシコ、ここだけでした 天狗原山が見えてきました

 水場を過ぎるまでは立派なブナの大木が多かったのですが、オオシラビソが目につくようになりました。いつも登っている新潟近隣では見かけない木です。シラカバも目に入ります。
 先程見上げた崖の横を登山道は通っていて、遠方に火打山の登山口がある乙見湖を確認する事ができました。崖の斜面はちょっとしたお花畑ですが、ヒメシャジン以外は良く判りませんでした。
 オオシラビソとシラカバ  崖の向こうに乙見湖が見えた  崖の斜面はお花畑です
 
 天狗原山の手前からお花畑が広がり、女性からも歓声が上がります。黄色が濃いシナノキンバイ、それより少し色が薄いミヤマキンポウゲが目立ちます。チングルマの綿毛も沢山有ります。この辺りは雪解けが早かったようです。リンドウはお花の準備中でした。
 天狗原山手前、お花畑の始まりです  お花畑の中の石仏、今年は少ない? チングルマの綿毛 
 
 天狗原山山頂を9:50通過。山頂すぐ先の右手に前回はタテヤマリンドウがあったのですが、今回は見つかりませんでした。ツマトリソウとゴゼンタチバナは変わらずに咲いていました。ここから金山に向かって高低差70m程の激下りがあります。これを過ぎるとまたお花畑です。ここではハクサンコザクラの群落とイワカガミです。写真を撮るのに忙しくて、なかなか先に進みません。
 9:50、天狗原山山着  天狗原山からの金山方面  ハクサンコザクラの群落とイワカガミ
 
 鞍部を過ぎて神の田圃が近くなると今度はチングルマとアオノツガザクラの群落です。ハクサンコザクラも沢山有ります。イワハゼも見つけましたが少し遠くて写真が撮れません。次々とお花畑が続き、まさしく百花繚乱の言葉がぴったりです。
 ハクサンコザクラのお花畑を横切る様に沢状の所を何カ所かトラバースすると金山の山頂に到着します。予定よりも少し早いですが至福の時間とします。宿におにぎりをお願いしたのですが、これが特大で食べきれないほどです。これ以外には手が付かず、後はコーヒーを頂きました。山頂からは目の前に焼山、火打山、妙高山と連なっていますが、山頂部は雲に覆われてその全景を見ることはできませんでした。反対側の雨飾山や北アルプス方面は雲に覆われてまったく展望はありません。残念です。
 チングルマとアオノツガザクラ  10:40、金山山頂着  焼山(中央)と火打山(右)

 名残惜しいのですが、11:20山頂を後にします。少し下るとようやく焼山と火打山、妙高山がその姿を現してくれました。妙高山の右手には、乙見湖の奥に黒姫山、右隣には高妻山、中央の奥に飯縄山を望むことが出来ました。天狗原山を登り返すと、高妻山の右隣にギザギザした戸隠山を見ることが出来ます。北信五岳のうち4座を確認する事ができました。
 左に乙見湖と黒姫山、右は高妻山  金山方面  焼山の見納めです
  
 帰路の途中で、木々の向こうに初めて雨飾山を望むことが出来ました。結構な鋭鋒がそびえていて、笹平とその左にピークがあって、雨飾山に間違いありません。
熱中症に罹る事も無く、全員無事に登山口に到着しました。登山口でアイスコーヒーをご馳走して頂き、生き返りました。ごちそうさまでした。

 ◎金山の活動時間=8時間26分、歩行距離=9.9km、累積標高差=1271m。

 金山のルート定数は、29.9となっています。数字の上からは、二王子岳や粟ヶ岳よりも少し厳しいだけの様ですが、実際に歩いてみると数字以上にかなり厳しい山に思えました。真夏の暑い条件や変化に富んだ登山道などもその要因にありそうです。
 金山のお花は素晴らしく、その種類や数の多さは期待以上のものを見せてくれました。流石に花の隠れ名山だけのことはあると思いました。仲間に恵まれ、天気に恵まれ、展望に恵まれ、楽しい山登りをする事ができました。ありがとうございました。

《出迎えてくれたお花達》