会山行紀行文 2021年
6/10(木)
晴れ
(えぶりさしだけ)
朳差岳

1636m
参加者 (紀行文) 2232 S/K
2名
(男性2名) (写真) 2232 S/K
≪コースタイム≫
奥胎内ヒュッテ(5:50)…足の松尾根登山口(6:35-40)…姫子ノ峰(7:15)…滝見場(7:55)…水場分岐(8:30-45)…大石山(9:35-50)…鉾立峰(10:25)
…朳差岳(11:05-12:00)…鉾立峰(12:25)…大石山(12:50)…お花畑(13:05)…大石山(13:10)…足の松尾根登山口(15:25)…奥胎内ヒュッテ(16:05)
≪紀行文≫
~~~今年も飯豊のハクサンイチゲを見ることが出来て大満足~~~

 毎年6月の第一週は、飯豊の大石山から頼母木山への稜線のハクサンイチゲが見頃を迎えます。今年は残念ながら第一週は所用で行けませんでした。第二週も飯豊に入るとの連絡があり、渡りに船で参加させてもらいました。当初は週末の予定でしたが、天候が思わしくない事から10日の木曜日に前倒しです。仕事よりもハクサンイチゲを優先し、会社を休んで行く事にしました。
 行き先の朳差岳は意見が一致しました。登り口は東俣コースと足の松尾根の二カ所ありますが、後者が少し楽に思えるのと、ハクサンイチゲが沢山有りそうなことから、わがままを聞いてもらって奥胎内ヒュッテから登る事にしました。少し楽とはいえ、行動時間はおよそ11時間位のロングコースで、それなりの覚悟も必要です。

 奥胎内ヒュッテに到着すると、平日なのに既に沢山の車が有りました。県外ナンバーも多く、流石に人気のコースです。この前の土曜日は、車も、頼母木小屋も、テントも満杯だったそうです。まるで五頭山並み?だった様です。

 準備を済ませて6時の予定よりも10分程早く奥胎内ヒュッテを出発しました。歩き始めは涼しくて丁度いい気温ですが、登山口に到着する頃には暖かくなって一枚脱ぎます。今日は終日晴れの予報で、下界で26度まで気温が上がる予報で、暑い心配が有りました。
 6:40に足の松尾根登山口を出発。登山口から大石山まで標高差1080mの登りです。最初は緩やかですが、すぐに木の根が幅を利かす急登になります。注意を要する岩場も何カ所かあり慎重に登る必要があります。
姫子ノ峰、いつもの休み場です 滝見場着 滝見場から見上げる鉾立峰

 姫子ノ峰、滝見場、英三の峰と順調に登り、ヒドノ峰辺りはようやく傾斜も緩み、沢状の地形になっていて残雪の上を歩きます。まだ春のお花が沢山咲いていて、カタクリ、イワウチワ、ショウジョウバカマ、シラネアオイ等の花を見ることが出来ました。飯豊のシラネアオイは花びらが少し大きい様です。水場分岐の右手斜面には、毎年ツバメオモトが咲いていて、今年も楽しませてくれました。分岐から先も急登が続きます。
水場分岐手前からの二ツ峰 雪渓の脇に咲くシラネアオイ 水場分岐のツバメオモト

 1265mのイチジ峰まで来ると展望が開け、振り返るとゼブラ模様の二王子岳と二本木山が見えています。二本木山から赤津山に向かって稜線がつながって、残雪期限定の縦走コースです。二王子岳から赤津山、二ツ峰を経由して門内岳に至るロングコースで、相当な健脚が求められます。会のNさんも縦走したようです。
イチジ峰から見上げる西ノ峰 イチジ峰からの赤津山(左奥) イチジ峰からの二本木山と二王子岳

 9:35大石山着。登山口からおよそ3時間、頑張りました。右手の頼母木小屋に至る稜線のお花畑は、ハクサンイチゲで白くなっているのが分かります。帰りに時間が許せば行く事にしました。
9:35大石山着、奥は頼母木山と地神山 大石山からの朳差岳 ハクサンイチゲと二王子岳

 分岐を左に折れて朳差岳に向かいます。途中に鉾立峰がどっしりとした存在感を持って控えていて、この鉾立峰を越えるのが難儀です。大石山から142m下り、153m登り返して鉾立峰、更に83m下り、146m登り返して漸く朳差岳に到着します。これまで林道歩きを含めて約4時間の登りの後なので一層きつく感じます。
 大石山から朳差岳側にもお花畑が広がっていて、ハクサンイチゲがとてもきれいで、我々を励ましてくれます。朳差小屋の手前もハクサンイチゲのお花畑です。このお花畑が、会山行が行われる7月20日頃にはニッコウキスゲで黄色く染まります。一見の価値ありです。
鉾立峰からの頼母木山と地神山 藤島玄さんのレリーフ、ご挨拶します お花畑から見た朳差岳山頂と朳差小屋

 11:05朳差岳着。山頂からの展望は素晴らしいです。飯豊本山が左奥に見えていて、その左に見えるギザギザはダイクラ尾根で直接飯豊本山に突き上げます。手前の山塊は頼母木山から地神山です。地神山の右奥にちょこんと頭が見えているのは、門内岳の様です。いつまでも見ていたい景色です。
朳差岳山頂からの飯豊本山(左奥)と頼母木山・地神山 イチゲの写真を沢山撮りました

 展望を楽しんだ後は、真夏の様な強い日差しを避けて貸切の小屋でゆっくりと昼食を頂きました。昼食後も小屋の手前のお花畑で写真を撮ります。名残惜しい気持ちを抑えて、12:00朳差岳を後にしました。
 大石山分岐まで戻り、少しだけ頼母木方面に足を延ばしてこちらのイチゲも楽しみました。飯豊の稜線はいろんな花が沢山咲きます。季節を変えて何度でも登りたくなる所です。
 13:10大石山を後にし下山に取りかかります。疲れが溜まった下山は要注意で、慎重に下山しました。15:25無事に足の松尾根登山口に到着。後は、1時間弱の林道歩きだけです。

 今日の成果は、活動時間=10時間14分、移動距離=18.9km、累積登り=2204m。

 今年も飯豊のハクサンイチゲを見ることが出来て大満足です。久しぶりの2000m越えの山行で、たっぷりの疲労感とたっぷりの満足感がいっぱいの山行でした。

《出迎えてくれたお花達》