≪紀行文≫ |
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〜〜〜峠の茶屋の素敵な女将さん〜〜〜 |
今日は大沢山に登り、上戸倉の長寿院の石仏を見て一人吟行に出掛けました。
大沢峠には平安の代の昔、一帯に城砦を構えた大沢某という土豪がいたことに由来します。
羽生田から村松へ峠越の県道を走り、大沢峠の道沿いにある6〜7台駐車可能な空地に駐車しました。
登り始めから著莪(しゃが)が一面に咲いていました。
(俳句) 一山を埋めつくすほど著莪の花
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大沢峠駐車場(交通量多し) |
すぐ脇から登山道 |
著莪の花大繁茂 |
峠の標高が148mなので標高差137mを登りました。途中220m付近に鍾乳洞がありました。
石積みのある砦址風の台地状の小広場には東屋があって石祠が祀ってありました。
(俳句) 若葉して小祠(こぼこら)二つ砦址(とりであと)
登山道は良く踏まれて田上町のハイキングコースにもなっています。
杉林をひと登りすると285mの小広い山頂に着きました。四隅が欠けた3等三角点にタッチして往路を戻りました。 |
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鍾乳洞案内板(中は暗くて狭い) |
直登が続きました |
山頂は眺望なし |
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三角点にタッチ |
夏草に埋もれて石垣 |
城跡風な台地 |
途中、ザックを置いて鍾乳洞に潜ってみました。ヘッデンの灯の前をよぎって乱舞する影は蝙蝠でした。今頃が正に繁殖期だったのです。
(俳句) かはほり(蝙蝠)の卍巴(まんじともえ)の影数多(あまた)
新型コロナ禍は中国武漢のコウモリが感染源になったのを思い出したら途端に怖気づいて穴から逃げ出したのでした。
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洞穴内は真っ暗 |
コウモリ大乱舞(写ってませんが) |
急いで穴を抜けました |
山を下りて、R290ひた走って上戸倉の禅寺を目指しました。のどかな山村の棚田は田植の真っ最中でした。
(俳句) 山里の雪解け待ちの遅田植 (俳句) 田の神を待つ山里の大代田
上戸倉は白山烏帽子山の登山口です。白山から伸びる稜線は「村松のマッターホルン」の名にふさわしい見事な眺めでした。
禅寺長寿院の境内には剥落の石仏三十三観音像が安置されていました。柔和なお顔は木喰上人の微笑仏に通じるやさしさがありました。隣に伝説の蟹供養塔もありました。
(俳句) 笑み給ふ石の佛に木の芽風 (俳句) 伝説の蟹供養塔風五月
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白山烏帽子山が正面に |
剥落の仏たち@ |
古りし石仏群A |
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カニ供養塔 |
お顔やさしき仏たちB |
不空羂索観音像(ふくうけんじゃくかんのん) |
帰りは往路を戻り大沢峠の茶屋で昼食にしました。
御膳を運んできた女将が青い瞳の外人さんだったのには驚きました。フランスから来たお嫁さんだったのです。
ロビーに活けてあるクマガイソウが珍しいと言ったら、近くだからというので群生地に案内してもらいました。
今では貴重種になったクマガイソウも、ひと昔前までは何処の山野にもある普通の野草だったのでしょうね。
ともあれ、今日は眼福の一日になりました。(おわり)
(俳句) 青い瞳(め)の女将手打の木の芽蕎麦
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クマガイソウ生け花 |
クマガイソウ群生地 |
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