≪紀行文≫ |
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〜〜〜イワウチワやイワカガミが一杯ある〜〜〜 |
イワウチワを見に鷹取山に行ったとき、蕗山にもイワウチワやイワカガミが一杯あるよなと、ふと思い出しました。
十数年前まで、下田方面は雪が多いので冬の遊び場に良く通っていて、特に蕗山は足しげく通い、少ない年でも3回は登っていました。
冬場の山登りでは駐車場所の確保が最大の課題です。蕗山登り口の岩ケ崎集落には昔の小学校を改装した宿泊施設「よってげ邸」があり、構内が広く除雪されていたので、管理人に頼み込んで車を置かせてもらっていました。
また、数年前に登山道が整備されたと聞いていて、行ってみようと思いつつ、何となく脇に置いたまま行かず仕舞いになっていました。
蕗山には登山ルートが2ルートあり、周回が可能です。尾根上の放送中継所の保守用道で尾根に上がり、尾根通しで北西側から山頂に向かうルートと、送電線の保守用道から入って尾根に出、尾根通しで北東側から山頂に向かうルートがあります。今回は放送中継所のルートから入り、送電線保守用道に降りました。
久しぶりの蕗山なので、蕗山の南側奥にある645m峰にも足を延ばしました。645m峰は眺望抜群、勿体なくて人にはただで教えたくないほどですが、冬場は手強い山で、ラッセルがきつかったり、危なっかしく雪が割れていたりで、向かって行っても到達できたのは多くはありませんでした。
尾根上の放送中継所に向かう道の入口へは田んぼのあぜ道を歩いて行きます。農道脇に目立つ登山道の案内板が立てられています。車を駐車した場所から案内板まで100m程です。
中継所の保守用道は急斜面にほぼ直線で付けられているので、雨など足場が濡れている時の下りはきついだろうなと思いました。 |
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登山口の案内板 |
中継所の保守用道の入口 |
斜面の登り、とても急傾斜です |
尾根に出ると傾斜は穏やかになります。急な斜面に付けられた道を登り切って尾根に出るとほっとします。
道脇にはイワカガミが群れていますが、つぼみは硬く、花はまだ先のようです。 |
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急斜面から尾根へ、ほっと一息つきます |
尾根のイワカガミ、まだつぼみです |
放送中継所 |
中継所の先には明るく気持ちが良い道が続いています。
中継所まではイワカガミの群落でしたが、中継所から先はイワウチワが群れています。イワウチワは丁度今が花の盛りで、群落は蕗山の山頂まで続いていました。
中継所からしばらく進むと岩場が現れます。蕗山随一の難所で、しっかりしたロープが付いていました。雪がある時には越えるのに結構難儀するのですが、雪が無ければまぁどうということもありません。 |
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中継所の先、明るい尾根です |
イワウチワの群落、山頂まで続きます |
岩場、蕗山随一の難所 |
岩場を越えると大きなピークへの登りになります。その大きなピークを登っている時、ここを登り切ったら山頂だという感覚になってしまうことがありますが、蕗山の山頂はそのピークを越えた先のピークです。特にラッセルがきつくてヘロヘロになっている時にはそうした感覚になってしまいがちです。
私はこのピークを勝手に“騙しの峰”と呼んでいました。
蕗山の山頂からは粟ヶ岳や守門岳が良く見えます。山頂に着いた時には空の大部分を雲が覆っていました。空気全体ももやっとしていて粟ヶ岳も守門岳も眺めは今一つでした。 |
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騙しの峰を越えると蕗山が見える |
蕗山山頂部の登り、けっこう急です |
蕗山山頂、三角点と粟ヶ岳 |
蕗山山頂から645m峰に向かっては山頂部の根曲がりを分けて進みます。根曲がりの藪の中には目を凝らすと薄い踏み跡があります。山頂から少し下ると藪は根曲がりから灌木に変わります。以降、踏み跡は出たり消えたり、踏み跡を視認できるのは3割ぐらいでしょうか。
藪の中ではあっても、まだ時期的に灌木の葉が出ていないので、見晴らしは結構ききます。 |
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ここから645m峰に向かう |
灌木の藪 |
蕗山近くの尾根から645m峰 |
藪の中でもあわてず騒がず落ち着いて歩いているといろんなことが見つかります。つばきの花、普通目にはとても貧相な状態ですが、こうした場所で見つけると可憐に見えて何か気持ちが癒されます。
イワカガミの群落の中でカタクリが一輪だけ咲いていました。なんだかわかりませんが、感動してしまいました。
大きな木の幹に真新しい傷がついていました。地上から1m程の位置、こんな傷を着けれるのは熊だろうなと思います。クマは普通谷間の斜面に居て、あまりエサが無い尾根にはいないのですが、この場所は鞍部で、谷から谷に渡る時に通過する場所なのでしょうか。 |
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つばきの花 |
カタクリ |
クマが付けた傷? |
645m峰は山肌がガレて急峻、山頂は狭く、酒盛りなどしたら転げ落ちそうです。360°遮るものはありません。 |
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645m峰 |
山頂部の登り |
645m峰山頂 |
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川内山塊方面 |
守門岳 |
蕗山 |
蕗山への帰途、蕗山が近くなるころには空の雲がだいぶ少なくなってきました。 |
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蕗山に戻る途中645m峰を振返る |
尾根途中のタムシバ |
尾根途中から里の風景 |
蕗山の山頂に戻って食事を摂りました。
蕗山からの下りは送電線の保守用道に出るルートを取ります。このルート、蕗山山頂直下が大変急です。急傾斜を表す撮影技術が無いので、写真で示すことが出来ませんが、下りはちょっと真剣になって下りました。
急傾斜の区間は山頂から標高30m程下場あたりまでで、そこを乗り切ると傾斜は穏やかになり、明るく気持ちが良い尾根になります。ただし、このルート整備されてからそれほど年月が経過していないので、灌木の切り株が腐らずに残っています。ぼんやり歩いていると切り株にけつまづき、転倒しかねないので、それなりに気を引き締めて歩きました。 |
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蕗山山頂直下、急傾斜です |
明るく穏やかな尾根1 |
明るき穏やかな尾根2 |
下りの尾根途中から空が晴れあがってきました。空に雲が広がっている時には空気ももやもやしていましたが、そんなもやもや感もなくなり、周囲の眺めがすっきりとしてきました。 |
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粟ヶ岳 |
白い峰は左青里岳、右矢筈岳 |
左蕗山山頂、右騙しの峰 |
尾根も下場になるとタムシバなど白い花が真っ盛りでした。
登山道は23号鉄塔のところで送電線の保守用道とT字に交差します。以降保守用道を下りますが、鉄塔番号は23号の次は25号になっていて24号が欠番になっていました。 (おわり) |
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下る尾根は白い花が真っ盛り |
送電線保守用道、25号へ下る |
25号近くから23号を振返る |