≪紀行文≫ |
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〜〜〜稜線の峰々は素晴らしいコントラスト〜〜〜 |
3日前の16日に好天に誘われて五頭山の5峰を廻りました。絶好の日和で大勢の人が列をなして登っていました。
帰宅して天気予報を見ると、3日後の12月19日にもお日様マークがついていました。薄く雪が着いた五頭山には大満足だったので、すっかり気を良くしていたところにこの時期には貴重なお日様マーク、この期を逃すわけにはいくまいと19日も山に出かけることにしました。
手軽に雪の上の歩きを楽しむならば、二王子、御神楽、粟ヶ岳と頭に浮かび、二王子は人が多そうだし、御神楽はもし林道にまで雪があると面倒だなと消去して粟ヶ岳に行くことにしました。
こんな無礼不遜な動機で登ろうとしたことが粟ヶ岳を怒らせてしまったのでしょうか。お天気は良いはずなのですが、山頂は濃いガスに覆われて、思い描いていた山頂の姿とはまるで別物、うきうきした思いは無残にもくしゃくしゃになってしまいました。しかし、帰りには少しかわいそうだと思ってくれたのか、ガスは晴れ、青空の下、薄く雪に覆われた稜線の峰々を素晴らしいコントラストで見せてくれました。ブロッケンのおまけまでつけて。
第二貯水池は満々と水を湛え、水門からは勢いよく水が噴き出していました。
貯水池やキャンプ場は勿論ですが、3合目のベンチ場に至るも登山道上には雪は全くありませんでした。 |
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第二貯水池 |
2合目付近の尾根 |
3合目 ベンチ場 |
ようやく雪が出て来たのは4合目の少し手前からでした。本来なら大栃平では周囲がぱっと開け、おぉっという感じなのですが、この日は薄くガスがかかり、何か今一つぱっとしないもやもや風景でした。 |
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4合目 |
大栃平(第二ベンチ場) |
大栃平から下場を見る |
もともと傾斜が急な所では雪は付きが悪いので、梯子場やくさり場には雪がほとんどありませんでした。こうした場所に雪があり、しかも変な付き方をしていると厄介なのですが、雪が無いのは少し物足りなさはあるものの助かります。 |
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梯子場 |
ロープ |
粟ヶ岳随一の難所、くさり場 |
粟ヶ岳随一の難所、くさり場を越えて6合目に上がると粟ヶ岳の3峰が見えます。右から北峰、中峰、粟ヶ岳本峰で、まだかなり先です。
6合目の真ん前には砥沢の頭がどっしりと腰を据えています。砥沢の頭には粟ヶ岳ヒュッテが建っています。
6合目に登った段階では粟ヶ岳や砥沢の頭はしっかり見えていたのですが、粟ヶ岳ヒュッテに到着する頃には周囲がガスに包まれて薄暗く、視界は100メートルほどになっていました。 |
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6合目 |
砥沢の頭 |
粟ヶ岳ヒュッテ |
粟ヶ岳ヒュッテからは雪が多くなり、足がスポスポ入るようになったので、ワカンを装着しました。
北峰方面はガスにすっぽり覆われています。8合目の少し手前から砥沢の頭を振返るとガスに包まれたりガスが薄れたりを繰り返していました。 |
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粟ヶ岳ヒュッテ近くから前方を見る |
北峰へ向かう尾根途中 |
8合目手前から砥沢の頭を振返る |
9合目となる北峰や中峰はすっぽりとガスに包まれてピークの周りは何も見えません。ガスは薄れずますます濃くなっている気がします。これはやばいかもと、GPSを取り出し機能をチェックしました。ホワイトアウトしたら頼れるのはGPSだけですから念入りに動作状態を確認しました。 |
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9合目 北峰のピーク |
中峰 |
中峰から粟ヶ岳本峰方面 |
粟ヶ岳山頂に到着、なんとも寂し気な雰囲気です。誰もいないからだけではありません。粟ヶ岳の周囲には、本来幾重にも峰々が重なり延々と広がっているのですが、ガスに包まれて周囲が何も見えない中では、山頂だけが異次元の空間にぽっかり浮いているように感じるからです。
山頂から中岳方面を振返るとあまり雰囲気が良くありません。本来なら山頂でコーヒーの一杯でもと思うところですが、長居はしないほうが無難かもと思われたので、少し休んで下りました。 |
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粟ヶ岳山頂部 |
山頂標識 |
山頂から中峰方面 |
ところがところがです。中峰に戻って振返ったらビックリでした。粟ヶ岳のガスが晴れて山頂がくっきりと姿を見せています。
北峰に戻り振返ると、稜線のガスはすっかり消えて、中峰と粟ヶ岳本峰がくっきりと並んでいました。登る前に頭に描いていたのはこの風景の中を歩く自身の姿でした。
北峰から少し下った所から権ノ神岳の斜面を見たらブロッケンが現れていました。虹色のリングの真ん中に私の影も映っています。5分ほどは続いていたと思います。 |
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中峰から粟ヶ岳本峰を振返る |
北峰から中峰、粟ヶ岳本峰 |
権ノ神岳斜面に現れたブロッケン |
下るに従い空は青く晴れ上がっていきました。
稜線の峰々も周囲の斜面も何もかも素晴らしいコントラストでした。 (おわり) |
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粟ヶ岳ヒュッテから北峰、中峰を振返る |
6合目付近から粟ヶ岳を振り仰ぐ |
くさり場もくっきり、なかなかの迫力です |
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