≪紀行文≫ |
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~~~自分にとっては厳しい山行だった~~~ |
飯豊の避難小屋泊りの山行は、自分にとって楽山会に入会する前からの目標とする山行でした。
最初の挑戦は昨年9月のAリーダーの飯豊山。山行の申込はしたが、自信が持てずに直前にドタキャンしてしまった。敗因は重いザックを担ぐ体力が無かったことに尽きる。その後、充分とは云えない迄も14~15kgを担ぐトレーニングと荷物の軽量化も行った。
2回目のチャンスは今年6月のKリーダーの朳差岳縦走だが、こちらは悪天候で中止となってしまった。
今回3回目の挑戦として、昨年のリベンジを兼ねてAリーダーの計画通りに、大日杉小屋から地蔵岳~目洗清水~切合小屋(泊)~飯豊本山(ピストン)、を実行することとした。時期も同様に9月初旬とした。
小屋が込み合う心配をして、当初日曜日~月曜日の計画をしたが台風15号の影響で、土曜日~日曜日の方が天気が良い予報からこれに切り替えた。天気は良さそうだが、気温も上がる予報となった。
大日杉小屋に予定通りの7:00に着いた。小腹を満たした後、7:25に歩き出した。ザックの重量はできるだけ切り詰めて11kg丁度とした。同行のKさんは更に2~3kg程重い様だ、ハンディとして丁度いいか?
ザンゲ坂を過ぎて長之助清水に至る頃には、既に半端なく汗が噴き出した。とにかく暑い。最初は長袖を着ていたが、次に半袖となり、上半身は下着一枚になるまでにそれ程時間はかからなかった。下は半ズボンで大正解だ。休憩も少しでも風がある所を選んで休んだ。下界での猛暑日は山でも猛暑日だ。 |
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7:25 大日杉小屋を出発 |
長之助清水の分岐、とにかく暑い |
御田の大杉、風の有る所で休憩する |
だまし地蔵に着くと飯豊本山が顔を出す。遠くの稜線上に切合小屋も確認できた。
10:40地蔵岳着。昨秋はここまで2.5時間で登ったが、今日はザックが重いせいもあり、3時間と少しかかった。谷を挟んで目の前に本山が大きい。山頂で軽い昼食としたが食があまり進まない、暑さの影響か体調不良か? |
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だまし地蔵からの飯豊本山 |
稜線上、沢の右側に切合小屋が見える |
10:40地蔵岳着、本山が目前に迫っていた |
地蔵岳から先は一旦100m程下り、アップダウンを繰り返して徐々に高度を稼ぐ。目洗清水から先は初めて歩く。今年は残念ながら動物にやられたらしいが、ヒメサユリの季節に歩いてみたいものだ。
ダケカンバの美しい御坪を過ぎ、御沢コースの分岐を右に見送り、100m程登ると源流を横切る。冷たい水で顔を洗って生き返る。この辺りはお花畑になっていて、小さいリンドウを見つけてカメラに収めた。てっきりイイデリンドウと思ったが、後で調べたら違っていてタテヤマリンドウ?の様だ。
二つ目の小さな沢を渡って少し行ったところが種蒔山分岐で、切合小屋は目前だ。 |
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12:05目洗清水通過 |
12:55御坪、ダケカンバが美しい |
13:00御沢コース分岐 |
14:05切合小屋着、大日杉小屋から休憩を含めて6時間40分。時間に少し余裕が有るので本山小屋迄行く事も検討したが、本山小屋が混む心配と疲れた今日の暑い時に歩くよりも明朝の涼しい時間に軽い荷物で歩いたほうが快適との判断があった。何よりも小屋で買うことができるビールに気持ちが傾いたことの方が決めてか?宿泊の手続きをして早速ビールでのどを潤す。残雪が消えたのでそれ程冷えてはいなかったが、うまい。
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飯豊本山と切合小屋 |
14:05切合小屋着 |
切合小屋のテント場と大日岳 |
小屋からは飯豊本山の頭が見える。本山から時計回りに朝日連峰、蔵王連峰、吾妻連峰、安達太良山、磐梯山、テント場の向こうに大日岳が大きい。ゆったりとした時間を過ごし、夕食は外で摂った。
Kさんが焼き肉を振舞ってくれた。ごちそうさまでした。自分の夕食のO西の五目おこわを見つけて、耳の聞こえないしょう害の女性が「これは美味しい」と言う。「モンOO」は不味いという。東京では弁当が高いのでこれに類するものをよく食べる様だ。そんな彼女は小屋の夕食のカレーを3杯食べた。暮れなずむ景色を見ながらの食事も良い。本山迄今日歩いていたら、こんなゆったりとした時間は無かったと思う。
外が暗くなると満点の星空と米沢の町の明かりがきれいにみえた。お月様が明るいので降るような星空にはならなかったのが少し残念。 |
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小屋からの朝日連峰 |
小屋からの安達太良山 |
小屋からの磐梯山 |
≪9/8 晴れ≫
4:00起床、5:00出発の予定としたが、ご来光に見とれて30分程予定を過ぎてしまった。ご来光の頃一時ガスにおおわれたが、今日も天気は良い。不要な荷物を小屋にデポして本山に向かう。
草履塚に上がると大日岳とこれから歩く本山へのルートが一望出来た。
何度もネットで確認した姥地蔵、御秘所の岩場を通過し、御前坂を上り7:25本山小屋着。すぐ隣にある飯豊山神社にお参りした。 |
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姥権現 |
御秘所を登る |
御前坂を上り切れば本山小屋は近い |
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本山小屋手前のテント場 |
7:25本山小屋着 |
飯豊山神社 |
小屋から山頂迄は僅かに登る程度で、20分程歩いて7:45飯豊本山に着いた。 |
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本山小屋からの大日岳、未だ雪渓が残る |
飯豊本山、山頂に誰かが居ます |
7:45飯豊本山着 |
山頂からの景色は雄大だ。足元から緩く下って大日岳へと続く登山道、その途中から右手に延びる縦走路、梅花皮岳とひときわ高い北股岳、ここからは見えないがその鞍部に梅花皮小屋と右手に石転び沢があるはずだ。その奥のなだらかに続く山並みは頼母木山辺り、少し離れて一番奥に朳差岳が確認できる。右手はたぶん行く事は無いと思うダイクラ尾根の宝珠山が大きい。大日岳の右手奥には五頭山と菱が岳、更に奥に弥彦山と角田山を確認した。
いつもは羨望のまなざしで向こうから飯豊を眺めていたが今日は逆からの景色を見ることができた。飯豊に登る事ができた実感が沸き、なんとなく嬉しくなった。
名残惜しいが、8:00山頂を出発。切合小屋でデポした荷物を入れて、10:00小屋を後にした。昨日よりも更に暑いようで、半ズボンと下着で通した。 |
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大日岳に延びる登山道 |
大日岳の右手奥に五頭連峰、更に奥に弥彦と角田 |
梅花皮岳と北股岳、右奥が朳差岳 |
下山の途中は、小屋で同宿した福島・郡山からの二人と同じ様なペースで歩いて、何度もスライドした。熱中症、脱水症の直前の状態となりながらも無事に14:45大日杉小屋着。
沢で汗を流し、首筋を冷やして少し生き返る事が出来た。帰路少し遠回りになるが、白川荘(温泉)でクールダウンした。
今回の山行で念願の飯豊避難小屋泊りの山行をようやく叶える事が出来た。
良かった点は、
①11kgの泊りの荷物を背負って歩く事が出来たこと。体力にも少し自信が着いた。
②小屋での貴重な楽しい時間を過ごしたこと。夕日や満点の星空や日の出を見る事が出来た。
③飯豊の雄大な景色に触れた事。飯豊山塊は大きかった。
反省点は、
④水分や食事、行動食等、まだまだ工夫の余地があった事。
自分にとっては厳しい山行だった。だからこそ見えてきた問題点も沢山有ったように思う。また一歩、これまでの自分を越えた山行が出来た事に満足している。
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≪備忘録≫
(1) 水は、スポーツドリンク0.5×2本、凍らせた麦茶、真水各0.5、お湯0.5。スポーツドリンクは甘くて口に残る。二日目は真水で通したが、すぐにのどの渇きをおぼえた。真水は吸収が良くない事から経口補水液を持つべきだった。
(2) 熱中症対策としては、昔ながらの酸っぱい梅干しを持参した。これは大正解で予防に役立ったと思う。
(3) 今回の山行ではあまり食が進まなかった。食欲がなくても食べられたものは、ミニトマト、バナナ、ゼリー飲料、梅干。これ以外にもドライフルーツなどを試してみたい。
(4) 切合小屋は、素泊まり¥3000、ビール¥800/350、一泊二食付きで¥8000。今年から¥500up。小屋の外に水(沢水)は豊富。水質検査に合格し飲料としても適との事。トイレは3つあり水洗で快適。 |