会山行紀行文 2019年
8/18(日)
晴れ
(からまつだけ)
唐松岳

2696m
参加者 (紀行文) 2311 A/W
2名
(男性2名) (写真) 2311 A/W
≪コースタイム≫
駐車場(6:42)≒リフト≒黒菱第三リフト(6:52)…八方池山荘(7:18-30) …八方山(7:57) …唐松山荘(10:54) …唐松岳(11:08-12:06) …唐松山荘(12:16) …八方山(14:28) …八方池山荘(14:54) …黒菱第三リフト(15:20)≒リフト≒駐車場(15:30)
≪紀行文≫
〜〜〜お盆休み最終日に親子登山〜〜〜

 帰省中の長男が急に登山に行きたいと言い出した。どうやら寮主催の登山ツアーの企画があり、幹部としては登山未経験では立場が無いらしい。幸いにも盆休み最終日は天候にも恵まれ、多少ハードな行程ではあったが北アルプスを体感しに唐松岳へと向かった。

 八方尾根といえば、学生の頃スキー場に向かうため、新宿駅から飛び乗った格安夜行バスツアーのイメージが強く残っているが、夏真っ盛りの麓の店舗やペンション群は、以前にも増して華やかさをアピールしているようであった。

 今回の山行は混雑が予想されたため、ゴンドラ「アダム」は利用せず、黒菱平まで自家用車で登ってから第三リフトを乗り継ぐコースとした。
 予定通り6時に到着となったが幸い駐車もスムーズで、6時45分始発のリフトに並ぶことができた。
黒菱第三リフト ケルンを頼りに山頂へ向かいます

 八方池山荘でゴンドラ組と合流し、いよいよ登山モードとなる。多様な方言が混じった隊列が時節を表しており、楽しめた。八方池までの探勝路は山頂を目指さない観光客も多くみられるため、登山道は木道と稜線の二方向に分かれているが、木道階段は歩きにくいため、我々は稜線を進むこととした。
 八方池の水鏡に映る白馬三山の姿は本山に向かう大きな動機付けとなっているが、ガスが発生しやすい地形であるため思い通りの画像を得るためには夜明けには現地に到着していないとならない。今回も上空は雲一つない天気であったが、麓から次々と湧き上がるガスにより、その美しい姿は次回にお預けとなった。
八方池の水鏡はお預け 初めはなだらかな稜線歩き

 それにしても白馬三山の雄大な姿を右に見ながらの山行は、なんと贅沢なことか。どれほど大きな深呼吸も山々を揺るがすことはないだろう安心感に自然と感動が沸き上がる。隣の長男もしばしば言葉を失っている様子であった。
 唐松山荘手前の巻き道は崩落により通行止めとなっていたため、我々は稜線の岩場に導かれた。ここは道幅も狭く、本コース中で最も高度感を感じることができ、スリルを楽しめた。ただしすれ違いには十分な注意が必要であろう。
白馬三山を望むがガスの向こう 巻き道は通行止め険しい稜線コースを行く

 最後の岩場をポンと登りきると、目の前に唐松山頂の優美なスカイラインとその向こうに後立山連峰が現れた。緊張感の続いた後だけに、多くの歓声が聞こえた。特にこの日は剣岳や雄山がくっきりとその姿を眼下の黒部ダムまで示しており、また遠くには富山平野や蛇行する河川を見ることができ、水や氷に削られた土砂が富山湾にまで流下する様も明らかであった。
 唐松岳山頂は狭いわけではないが、次々と訪れる登山者を迎え入れて混雑していたため、不帰のキレットを眺めながら昼食をとった。
唐松岳山頂と唐松山荘 山頂から不帰の峰を望む


 一時間ほど山頂の眺望を楽しんだ後は、唐松山荘脇のコマクサを観察し、下山することとした。

 登山の最中は考えることが多いため周囲の景観や生物に関心が及ぶことは少ないが、今回はライチョウやホシガラス、アマツバメなど高山に生息する野鳥たちを間近に観察することができ、長男にとっても充実した山行であっただろう。