≪紀行文≫ |
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~~~頼もしい沢達人の仲間に助けてもらうも、沢は面白い。~~~ |
猛暑の続く中、沢の水辺を歩くのは心地よい。8月に入り会山行で五頭山の小倉沢~ハゲ沢遡行、 個人山行で巻機山の米子沢遡行、 今回の遡行は五頭山の大荒川本流だった。
大荒川本流の遡行は長丁場で沢山の滝があると聞いていた。とうてい自分の行ける所ではないと思っていたので遡行等思いもよらなかったのだが仲間が誘ってくれるチャンスに恵まれた。
不安で怖くはあるが行ってみたい冒険魂が強かったみたいで大荒川本流の遡行にチャレンジした。
魚止の滝駐車場から五頭山松平山への登山道を沢沿いに歩くと、沢から離れて左に曲がる山葵山への急登な坂道が始まる。この道は下山時に通るが入渓は尾根には行かないで、直進の踏み跡がある沢沿いを遡る。
エノクラ沢を渡渉し、その先踏み跡がなくなり草藪になっているが、かき分けて行くと直ぐに堰堤上部に出る。
小広手沢~広手沢~小倉沢~長倉沢~スグ沢~ハナノキ沢~新タメ沢~コンシロ沢~中ノ沢等の出合いが続き、ム沢の源頭を目指すと松平山から五頭山への縦走登山道と交わっている。
各出合に標識などあるわけはなく、地図を片手に歩けるわけでもなく、ただ目の前の足元に注意しながら水際を歩くのが精一杯なので休憩時に現在地確認をすると気づかずに通り過ぎてしまっていることが多かった。
ゴーロの上を歩いたり釜のふちを岩につかまりながら水辺を歩く。心地よい涼感を感じつつ滝に突っ込んだりもする。滝の登りが無理なら脇の岩の手がかりのありそうなところを見つけて登って行く。苔の生えた滑りやすい岩は気が抜けない。滑れば釜の中にドボーンとなる。 |
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今回の軌跡(クリックで拡大) |
入渓しゴーロを歩く |
釜を泳ぐ |
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へつる |
豪快な滝 |
連続する滝 |
スリル満点、怖さ満点、必死なので無心で登る。
滝の中の手掛かり足掛かりを探りながら、慎重にしぶきに突っ込む。
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足場がなければ後ろの人が押し上げる。ショルダーで踏み台にもなる。
それがだめなら高巻く。
冷たさ、楽しさも満点だ。 |
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足場がなく巻いた滝 |
確保しながらの高巻 |
足場があれば押し上げてでも登る |
滝を高巻き懸垂下降で沢に降りた事。ロープで確保しながら登り上げた事。足場がザレた急な巻き道を草に摑まりながら這い上がった事、岩にしがみついて巻いたが、続けてすぐに次を巻き高いところから木の枝に摑まりながら沢に降りた所、どこの場所なのか覚えていないが、いろいろな場面が印象に深い。
ハナノキ沢の出合いを越えると、釜あり滝あり水しぶきを上げながら流れるゴルジュが続いていた。そこは小ヤゲンと呼ばれている所かと思える。手を突っ張り、足を突っ張り、体の使えるものは何でも使い楽しめた。 |
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小ヤゲンの始まり |
小ヤゲンのゴルジュ |
縦になったり横になったり何でもあり。
手足4本フル活動 |
しばらく夢中になっているうちに大きな滝に出くわす。ここが大ヤゲンの始まりだろうか?
落石に気を付けながら右岸のヒドから巻いた、巻道は滑りやすい所が多く藪にしがみつきながらすすむ。又はっきりとしない踏み跡のような所を進む。絡んだ木にザックが引っ掛かったり、枝をかき分け幹を跨ぎ、乗越す。両手両足をフルに使いながらホウホウの体で歩き通す。気力、体力を振り絞る厳しい高巻だった。
どこに下りればいいんだ?今大ヤゲンの巻いている道のどの辺りなんだろう?疑問ばかりの遡行だ。
地形図には表示などないこの巻道、無事に大ヤゲンの上部に降りる事だけ考えて歩いた。目的地が薮にさえぎられて見当もつかない手探りのような山道からようやく沢に降り着く事が出来た。 |
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これでもかと連続している楽しい所 |
大きな滝 |
透き通った沢水 |
厳しいところもあるが、それだけではない。透き通る水、水しぶき、魚影、緑色の釜、岩壁、沢の音、滝の音、鳥の鳴き声、みずみずしい草のにおい、涼しさ、、、、心地よい自然が印象に残る。遡行している時のほとんどは心地良さの中に浸っていられるのだ。 |
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楽しい |
豪快 |
これも豪快 |
頼もしい沢達人の仲間に引き上げてもらったり、押上げてもらたり、滝の中に突っ込んだりと、、、、、沢は面白い。 |
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