会山行紀行文 2019年
8/2(金)-3(土)
晴れ
(おおあさひだけ・にしあさひだけ)
大朝日岳・西朝日岳

1870m     1814m
参加者 (紀行文) 2216 S/K
単独
(男性1名) (写真) 2216 S/K
≪コースタイム≫
≪1日目≫
自宅:新潟市(1:50)=日本海東北道(聖篭新発田IC‐朝日三面IC、温海温泉IC‐鶴岡西IC)、山形道(鶴岡IC‐湯殿山IC)※=日暮沢小屋(5:35-50)…ハナヌキ峠分岐(8:30-40)…古寺山(9:50)…小朝日岳(10:40-11:05)…銀玉水(12:15-40)…大朝日小屋(13:15) …大朝日岳
 ≪2日目≫
大朝日小屋(6:10)…金玉水(6:20)…西朝日岳(7:50-8:05)…竜門山(9:10)…ユーフン山(9:45)…清太岩山(10:40) …ゴロビッツ水場(11:30) …日暮沢小屋(13:00-20)=※途中日暮沢の湯ったり館で入浴(13:40‐14:05)=自宅(17:40)
≪紀行文≫
~~~暑さに耐え、花と展望の朝日連峰を楽しむ~~~

日暮沢を起点に1泊でハナヌキ峠~大朝日岳~西朝日岳~竜門山を周回する。
宿泊は大朝日岳直下の大朝日小屋、山頂からの落日とご来光に期待、そして、この時期はお花も。

(1日目)
湯殿ICで道を間違え時間ロス、日暮沢小屋の駐車場がいっぱいのため道路わきの空きスペースに駐車。
身支度を整えて出発、最初は根子川に沿って歩く、草が刈られていないため朝露がズボンを濡らす。
水平道の終点手前(竜門滝手前)で以前ルートだった沢が崩落し、その沢を高巻きにする。
ピンク色のテープを目印に急な斜面を15mほど上り下りするが、足元が不安定でスリップし易い。
逆回りで周回した場合、終盤の疲労した足での高巻きは嫌気がさすことだろう。

水平道の終点から標高差約500mの急坂になる、展望のない登山道を黙々と登る。
ハナヌキ分岐で古寺鉱泉からのルートと合流、まだ8時30分なのに気温が上がって体が重く感じる。
古寺山で展望が開け朝日連峰の主峰が姿を現す、同時に直射日光で体感温度が上昇、他の登山者もだいぶ応えている様子。
 日暮沢小屋からスタート  崩壊した沢はテープで表示  ハナヌキ分岐から小朝日へ
 古寺山から日差しが強い  古寺山から①小朝日②大朝日③中岳④西朝日

 ここからは、日陰がない、風もない、タップリあるのはサンサンと降り注ぐ日差しだけ、ハアハア、ゼイゼイ言いながら小朝日岳へ。
 小朝日の山頂は天日干し状態のため、少し歩いて風があたる岩場で長い休憩をとる。
 水分の摂取量が異常に多くハイドレーションは既に空、コーラも古寺山で飲み干し、残っているのは水500mℓ。

 ♪真っ赤に燃えた太陽だから、真夏の山は青息吐息なの、尾根を歩く~私の体を切なく焦す熱い陽の光、激しい汗に喉の渇きは止まらず、水減るばかり~♪
 暑さに耐えながらカメの歩みで次の水場・銀玉水を目指す、下山してきた人の「銀玉水は冷たい水が出ているよ」の言葉が嬉しい。

 ようやく銀玉水へ、投げるようにザックを置き、ギンギン(銀々)に冷えた水を喉に流し込む、かけつけ3杯、うまい!生き返る!
 水を2ℓ補充し石畳みの階段を登るが、両脇に咲くお花に励まされ、ザックはさほど重く感じない。
 太陽がガスに隠れ、涼風があたって、さっきまでの青息吐息が嘘のように元気を取り戻す。
 小朝日岳、風なし、日陰なし  銀玉水の冷水に救われる  チングルマ
 ウサギギク  マイズルソウ  大朝日小屋が近づく

 13時30分に山小屋へ到着、気に入った場所に寝場所を確保し、少し遅い昼食をとる。
 外のガスが取れてきたことを確認して、金玉水~中岳~大朝日岳を散策。

 小屋から金玉水の間に咲く、タカネマツムシソウ、ミヤマリンドウ、ヒナザクラは今が旬。
 タカネマツムシソウは、今まで花びらがとれた姿しか見ていなかったため、鮮やかな青色に好感度がアップする。
 ミヤマリンドウ  チングルマの群生
色鮮やかタカネマツムシソウ  群れて咲くヒナザクラ  ヒナザクラにズームイン

 そして、大朝日岳の山頂へ、ここは視界360度の展望台。
 南西側に、平岩山から針生平に続く縦走路、個性的な山容の祝瓶山、その後ろに飯豊連峰。
 北側に、今日苦しめられた古寺山から続く稜線、遠方に月山、鳥海山。
 北西側に、明日登る西朝日岳、その後方に以東岳を望む。

 暑さに耐えて登ってきたから拝める景色、その眺めの素晴らしさに幸せ感さえ感じる。
 太陽の傾きと共に色を変えていく景色の変化に魅せられ、日没まで山頂にくぎ付けになる。
 大朝日岳から南西側の眺望:①平岩山 ②大玉山 ③祝瓶山 ④飯豊連峰 ⑤小兎山
 北西側:①西朝日 ②以東岳 ③中岳 ④ユウフン山 ⑤障子ヶ岳 ⑥鳥海山 ⑦月山
夕景のグラディエーション 南東側には影大朝日 西朝日岳の隣に陽が沈む

(2日目)
 満員の山小屋、いびきや、奇声に何度か目を覚ますが、予定通り4時に起きて山頂へ。
 ご来光を拝み、朝日に照らされて徐々に目覚めていく山々を俯瞰する。

 朝食を取って小屋を出発、金玉水で水を補給しニッコウキスゲが咲く中岳へ。
 それにしても良い天気だ、澄み渡った空と素晴らしい景色に囲まれながら気持ち良く歩を進める。
 中岳から望む西朝日岳はどっしりとして男前だ、前方にこれから辿る竜門山から日暮沢へつながる尾根を望む。
 船形山の方角からご来光
 朝日に染まる朝日連峰 中岳から望む西朝日岳はどっしりとした山容 
中岳から ①以東岳 日暮沢へ続く②ユウフン山と③清太岩山 ④障子ヶ岳 ⑤月山 
鞍部から見上げる西朝日 西朝日岳の山頂に到着 歩いてきたルートを振り返る

 中岳から一度高度を下げて西朝日岳まで登り返す、途中ですれ違う登山者は皆笑顔「良い天気ですね」「素晴らしい景色ですね」とあいさつを交わす。
 西朝日岳山頂で一休み、8時を過ぎると以東岳の周囲に雲が湧き出し、徐々に景色を隠し始める。
 ここから竜門山までは強い風が吹く、強風に耐えて咲くヒナウスユキソウ、キオン、チングルマ、シラネニンジンが愛おしく感じられる。
 沢山の花が咲く登山道、ウスユキソウ、リンドウ、キオン  ハクサンイチゲの後方に竜門山
 登山道に咲くハクサンイチゲ、(右)ミネウスユキソウとミヤマリンドウ 

 竜門山から日暮沢まで1,000mを下る、風が止まってしまい、清太岩山までの尾根は熱い日差しを浴びて下りなのにキツイ。
 樹林帯に入って日陰になっても暑さは治まらない、登ってくる登山者はみなさん青息吐息でカメの歩み、昨日の辛かった自分の登りを思い出す。

 途中で追い越された鶴岡の方と言葉を交わす「4時に日暮沢を出発して、知人がいる竜門小屋まで行ってきた、今日は朝から暑くて汗びっしょりだ」
 年齢を尋ねると「やっぱり聞きますか、73歳」私はこの方を鶴岡鉄人73号と命名させてもらう。
 日暮沢へ下る登山道  歩いてきた稜線を望む①大朝日②中岳③西朝日④竜門山⑤竜門小屋

 このルートは激下りは少ないが、途中に僅かな登りが4,5回ある、これがボディブローのように効き戦意を失いそうになる。
 惰性で歩いてケガをしないよう、30分に1回ザックを下ろし腰も下ろして休憩をとる「メリハリ作戦」で、無事に日暮沢に戻る。

 先に到着していた鶴岡鉄人73号さんが「いや~、暑い中よく頑張った、握手しよう」とガッチリ握手。
 このあと、大井沢のゆったり館で二日間の汗を流し、辛かった登りと絶景の余韻に浸りながら帰路についた。