≪紀行文≫ |
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〜〜〜飯豊が行きたい山から行ける山に変りつつある〜〜〜 |
飯豊の石転び沢には以前からずっと登ってみたいと思っていた。そのために12本のアイゼンを準備し、今年こそはとの思いで、数カ月前からガイド役のNさんに同行をお願いしていた。
行くなら落石の安定している6月で、倉手山登山口から飯豊山荘までの道路が開通した後になる。今年は6月1日頃に開通の予定との連絡が入り、その後6月2日(日曜日)決行との連絡をもらう。
期待感も有るが、本当に登れるのかとの不安感の方がはるかに大きい状態で当日を迎えた。
メンバーは、昨年の五剣谷の時の4名と鷲ガ巣で一緒だったT川君(楽山会外)の5名。自分以外は皆さん健脚だ。
軽めの朝食を済ませ日焼け対策をして飯豊山荘を出発する。
温身平と堰堤を過ぎて梅花皮沢左岸の登山道に入る。雪解け水がすごい勢いで流れている。 |
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5:30飯豊山荘着、虫と日焼け対策要 |
5:45飯豊山荘出発 |
温身平から、稜線の右端に門内小屋 |
40代で若手のT川君が先頭をグイグイ引っぱり、ペースは相当速い。
梶川出合を過ぎて右からの比較的大きな沢を渡渉した所で雪渓に乗る。雪渓では脚力の差が出て、次第に離される様になってしまった。 |
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6:45うまい水着 |
梶川出合を過ぎて雪渓に乗る |
もうじき石転び沢出合
右手正面は門内沢、石転び沢は左へ入る |
7:55石転び沢出合着。コースタイムよりも50分ほども早い。(他のメンバーはもっと早い)大岩の上でアイゼンを着ける。
軽くエネルギーを補充し、足攣りの予防に68番を服用してこれからの登りに備える。
標高860mの出合から梅花皮小屋1850mまでの1000mがこれからの登りだ。
石転び沢は少し左にカーブしていて全貌は確認できないがこれから歩く沢の上部まで一望でき先行者が小さく見える。
8:15石転び沢出合を出発。迷惑をかけない為にもマイペースで歩く事に徹する。
9:05ほん石転び沢出合1230m通過。傾斜が次第に急になる。 |
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7:55石転び沢出合着、
正面の大岩の上でアイゼン装着 |
8:15出合出発、
梅花皮小屋迄標高差約1000mの登り |
9:05ほん石転び沢出合通過 |
9:50北股沢出合1470m通過。沢の上部の全貌が確認できる。すり鉢状になっていて上部は相当な急斜面に見える。
20名ほどの先行者が小さく
見えるが既にどれがメンバーかは識別できない。後方はここまで登った沢の全貌と朝日連峰を見ることができる。
ザックを降ろしての休憩は難しい。小屋までの残りは標高差400m、角田山を登るくらいか? |
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9:50北股沢出合到達、標高1470m |
石転び沢の全貌が見える、
上部はかなりの急斜面 |
後方に朝日連峰が見える |
登るにつれ傾斜が更に急になる。直登は難しい状況となり、ジグザクに登る。先行者のトレースを忠実に辿る。その方が安全で体力的にも楽に感じられる。この辺りは斜度45度といわれていて、ピッケルを差し込んでは2〜3歩進む事を繰り返す。
後ろを振り返ると怖いので見ない事にした。恐怖感と緊張感がたまらない。足が攣る余裕もない。もちろん写真を撮る余裕もない。
傾斜が少し緩み、小屋の屋根の先端が見えて緊張感が少し緩和されると、足が攣りそうになるから不思議だ。
10:55梅花皮小屋着。石転び沢出合から2時間40分、ようやく登る事が出来た。NさんとT川君は1時間前に、Kさん二人は30分前にそれぞれ到着との事。 |
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斜度45度の急斜面が少し緩み
ようやく小屋の頭が見える |
10:55梅花皮小屋着 |
小屋からの北股岳 |
小屋でゆっくりと昼食を頂き、12:00下山開始。 |
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小屋からの梅花皮岳 |
小屋の周りに咲いていました。名前は分かりません。ハクサンイチゲはまだ咲いていませんでした。 |
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小屋の裏から、大日岳 |
12:00下山開始、
北股岳にはいつか登りたいと思います |
無事に石転び出合迄降りてきました |
急斜面は後ろ向きに雪面にピックを差し込んで3点支持で降りる方法を教わった。うまくは出来なかったが、おかげで恐怖感は登り程には感じなかった。15:20無事に飯豊山荘に着いた。 |
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出合から門内沢、名残惜しい |
15:00温身平着 |
15:20飯豊山荘着 |
今回の山行で石転び沢を登ることができた。これまでに何回もない程の満足感と自信を得ることができたが、その反面、着いて行けなかった事実と下りで左膝が痛くなった事で自分の筋力不足・体力不足も明らかになった。
これまでの自分を一歩越えた貴重な山行をさせて頂いた。Nさんを始め皆さんに感謝します。
追伸、今回北股岳には登れなかったが、あと30分の所まで行く事が出来た。まだまだハードルは多いが、飯豊が行きたい山から行ける山に変りつつあると思っています |
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