≪紀行文≫ |
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〜〜〜新潟県最高峰の小蓮華山と白馬岳、そしてなかなか見ることのできないお花に出会う〜〜〜 |
7年前に、同じNリーダーから白馬鑓温泉と白馬三山・小蓮華山縦走で小蓮華山、白馬岳を登っていたが、久しぶりに小蓮華山、白馬岳に登ってみたいと思い今回申し込んだ。
期待のなか19名と途中3名を乗せて合計22名で小型バスは新潟駅6時過ぎ出発、高速の関越・北陸道に乗り柏崎付近では強い雨が降り登山口直前まで雨が続いた。糸魚川ICから国道148号線に降り、蓮華温泉登山口に近い駐車場に到着する頃には、雨が止んでいた。
蓮華温泉登山口は標高1,470mで少し涼しい、雨具を着ないでも大丈夫なのだが、ザックカバーと雨具のズボンを着るなど登山準備をする。
【7/29・1日目】「白馬大池山荘」(宿泊)
今日の行程は、蓮華温泉登山口(1470m)から天狗ノ庭(2093m)経由で白馬大池山荘(2380m)の標高差910mを歩く。
景観の美しい白馬大池は、標高2379m、周囲2kmで自然が作った大きな箱庭のようである。ここを経由して白馬岳へ登るには、ポピュラーなコースで乗鞍岳経由ではあるが標高差530mの栂池からと今回登る標高差910mの蓮華温泉からで、標高差から見ても蓮華温泉からのコースが圧倒的にキツイ。
駐車場から蓮華温泉ロッジの前を通り登山開始(10:41)。雨も上がり青空も見え遠くの山々も見えてきて期待ワクワクで歩き始める。 |
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駐車場近くのトイレ前で登山準備 |
駐車場は満車 |
班長人数確認中 |
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駐車場から登山開始 |
蓮華温泉ロッジの前を通り |
登山口の看板、ここを右に |
登り始めてすぐに以前観光できた黄金湯との分岐があり、雨上がりで緑色の濃い林の中を歩く。
途中、色々な綺麗な花が目に入ってくる。花の名前は出てこないが、標高の高い山で見かける花々である。
「蓮華の森」と表示された標識には、特色のある曲がった大木があり、森とはその奥を指すのかよくわからない。 |
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黄金湯との分岐 |
雨上がりで緑色の濃い林の中を歩く |
「蓮華の森」標識と特色のある曲がった大木 |
目的地まであと何分という大きな看板があり、蓮華温泉25分(下り)、白馬大池150分と書かれていたが、ちょうど1時間経過したところであり、下り25分の所を登り1時間かかっているので、これは予定時間での到着は厳しいと感じた。この後も同様な看板があったが、白馬大池まで140分と10分間の所を26分でゆっくりと歩く。
昼頃には時々青空も見え始め、少し陽が射すと蒸し暑く歩きづらいが、気分は良くなっている。登りの時は曇りの方が登りやすいと思うが。 |
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蓮華温泉25分(下り)、白馬大池150分看板 |
倒木のある急登 |
晴れて陽が射すと蒸し暑く歩きづらい |
皆さん背中のザックが重い上に、斜度の厳しい登りで、早く昼食場所の天狗ノ庭へ到着し、ゆっくりしたいが、樹林帯の中で休憩を取った時点は12:47で、未だ天狗ノ庭まであと1時間。蒸し暑さと急登ではあるが、登山道の周りの高山植物を見ると疲れも少し吹っ飛ぶ。
漸く、天狗ノ庭へ13:40到着。ゴロゴロした岩の広場であるが疲れがあるので、早速岩の上などに腰掛け、昼食を取る。
ここは、朝日岳・雪倉岳の展望が良い場所であるが、今日は雲が切れた時に近くで大きく聳える雪倉岳が見えた。
少し遅れているためか、30分ほどの昼食の後14:12天狗ノ庭出発。
ここからは緩い登りの道であるが、滑りやすい石や段差が大きい場所があり、慎重に登る。
ダケカンバの樹林帯を進み、白馬大池山荘まであと40分のところで、大きく開けた場所に出た。
左に2469mの木はなく草と岩石が目立つ山が聳えて、麓は草原のような場所で、周囲はハクサンコザクラ・ゲハクサンイチゲ・チングルマの大群生が咲いている。 |
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休憩を取ったが天狗ノ庭まであと1時間 |
天狗ノ庭へ13:40到着 |
天狗ノ庭で昼食 |
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雲が切れた時に雪倉岳が見えた |
滑りやすい石や段差が大きい場所あり慎重に登る |
開けて2469mの山、麓は草原のような場所 |
そこを超えるとようやく遠くに白馬大池山荘が見え、ホッとする。16:05到着しここで宿泊。
白馬大池は、風吹大池に次ぐ北アルプスで2番目に大きい山上湖だそうだ。池の北側には白馬大池山荘があり、小屋の前はキャンプ指定地で、まさに山上の別天地というにふさわしいムードが漂っている。
山荘に到着し、入口で驚いた。「今日は大変混んでいて、畳1畳に2〜3人になると思います」とのこと。指定の部屋にいったが、廊下にはザックや登山靴がぎっしり、男性が寝る場所は階段で上がる2階であるが、4畳の狭い場所に8人が寝ることになった。天井は低いわ、暑いわで、寝るときはどうなるのだろうと心配になる。
小屋の前の広い場所で、ビールを飲むのが先決とばかり、着替えをしてヘッドランプを首に、ツマミを持ち、入り口でビールを購入して、早速外で先に男性だけでビールで乾杯。“ごくごく”と喉を通るときの爽快感・満足感、たまりませんなぁ〜。その後女性陣も加わり、ワイワイガヤガヤ。
涼しい風、雄大な景色のなか、開放感で一杯満喫し、夕食時間になったので山荘に入る。 |
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白馬大池山荘到着 |
入口に「今日は混む、畳1畳に2〜3人に」 |
早い男性からビールで乾杯 |
18:40夕食、楽山会メンバー纏まっての食事となった。メニューはカツカレーで、ご飯とルーはお代わりに自由。大変美味しく、全部平らげてしまった。やはり、寝る場所は暑く、窓を開けると冷たい風が吹き込み、布団から半分身を出して、時々涼しい風で何とか寝れた。 |
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【7/30・2日目】「「白馬岳」(2932.2m)、「小蓮華山」 (2768.9m)
朝方起きて窓から外をのぞくと今日は快晴だ。今日は、白馬大池山荘を出発し、雷鳥坂から船越の頭、小蓮華山(新潟県の最高峰2769m)、三国境、そして白馬岳頂上、白馬山荘と縦走する。
朝食は5時、楽山会だけでまとまって席があるわけでないので、昨日と違い早くから列に並んで順番に食事にありつくが、早い人は4時頃から並んでいる。
朝食後、出発は7:00頃とのことなので、白馬大池と周辺の山々、お花畑などの写真を撮りに、白馬大池の淵まで歩く。
池の水面は快晴で青く、右手の雪渓の残る雷鳥坂から奥に船越の頭、小蓮華山も青空に映えて綺麗に聳えている。 |
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奥が食堂で食事を待つ長い列 |
白馬大池と雷鳥坂から奥に船越の頭 |
小屋前で登山準備 |
快晴の白馬大池山荘を6:48出発し、「白馬岳3時間30分」の看板を過ぎ、雪渓の残るザクザクとした岩稜混じりの雷鳥坂を緩やかに登る。登山道脇のハクサンコザクラ・チングルマの大群生に励まされ、少しづつ高度を上げる。 |
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白馬岳へ登山開始 |
雷鳥坂を緩やかに登る |
雷鳥坂のコマクサ |
10分ほど登り、振り返ると白馬大池山荘、白馬大池、2469mの山が一望に見渡せる。
この辺から、可憐なコマクサがあちこちに咲いている。先を見るとこれから歩く船越の頭、小蓮華山が青空の下、雄大に聳えており、この時は以前ここの登山道を下った時の記憶が残っていたので、楽に登っていけるという気分であった。
ここから船越ノ頭、小蓮華山の縦走路は山歩きの醍醐味が十分味わえられ、花や展望に心を奪われながら小登降を幾つか繰り返しがあることや、右手に残雪の残る雪倉岳が雄大に見えるなど、この時点ではルンルン気分。 しかし、これからの登りが楽とは言えなかった。
雷鳥坂のゆるい登りの大きなピークは難なく登れたが、その後の船越の頭、小蓮華山の間は、長い道のりとアップダウンの差がある厳しい登り下りで、思ったより苦しめられてしまった。 |
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右手に雪倉岳 |
振り返ると白馬大池山荘、白馬大池 |
先に船越ノ頭、小蓮華山への縦走路 |
少しとがった船越の頭までにはピークが2回あり、この辺から白馬岳からの縦走者グループが次から次へと来ていたのと、頂上が狭い船越の頭8:11には大勢の登山者がいたので、スルーして小蓮華山までのアップダウンが多い登山道を1時間30分ほどかけて、新潟県の最高峰2769mの小蓮華山に9:48到着。
厳しい登りではあったが、この間も色々な高山植物に出会え、気持ちは楽であった。
頂上には、以前登った際にはなかった鉄剣は、基礎が固められて立てられていた。10分ほど休憩と集合写真を撮り、10:00に三国境へ向かう。 |
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頂上が狭い船越の頭 |
船越の頭から小蓮華山への縦走路 |
白馬岳からの縦走者グループが続々来ていた |
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このピークを越えると小蓮華山かな |
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小蓮華山の鉄剣 |
小蓮華山山頂の集合写真 |
三国境までの縦走路では、霧がかかり展望がいまいちであったが、アップダウンが少なく、歩きやすい縦走路である。三国境に約1時間かけて10:55到着。リーダーからここで昼食とのこと。
三国境は、新潟・富山・長野の県境が接しているところで、ここから朝日岳への道と分岐する。霧がなければ、前方に鉢ヶ岳、雪倉岳、朝日岳と並ぶ姿はゆったりとおおらかに見えるはず。
昼食を終え、11:35白馬岳へ出発。最初は馬ノ背と呼ばれる、岩稜混じりのヤセ尾根を通り右側斜面はコマクサの大群生地が見える。 |
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三国境までの縦走路は歩きやすい |
三国境で昼食、後ろは白馬岳 |
白馬岳へ出発 |
しかし、白馬岳直下の登山道は、岩稜混じりで大きな岩もよじ登る急登である。ゆっくりと登り1時間かけて12:36白馬岳頂上へ到着。
今回の行程で、一番標高の高い白馬岳に登ったので、全員ホッとしたのと開放感が溢れた。
頂上には「方位盤」があり、方位盤越しにはあらゆる方向の峰々が書かれている。霧が晴れていれば剱や立山、遠くには槍ヶ岳まで望まれ、目の前には旭岳が寝ころんだような姿勢で聳えているはず。
少し遅れてくる人たちを待ち、集合写真を撮り13:09白馬山荘へ出発。 |
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もうすぐで白馬岳 |
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山頂の左方位盤、右頂上標識 |
白馬岳山頂の集合写真 |
16分下山して今日宿泊する白馬山荘13:25に到着。
早く着いたので、早速生ビールを飲みたい一心で、部屋へ到着後早速荷物を置き、濡れた下着などをさっさと着替え、ツマミをもって「レストラン・スカイプラザ白馬」へ向かう。
7年前もここで皆で生ビールを飲み白馬岳を登り終えた健闘を祝って乾杯が続く。
その後夕食を頂き、ゆったりとした時間を過ごす。
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白馬山荘13:25に到着 |
レストランで生ビールで乾杯 |
今日の部屋は、布団1枚に1人で寝るというまた結構な部屋割で、昨日の山荘とは違ってゆったりとして寝られることは、疲れも取れることであろう。 |
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【7/31・3日目】「大雪渓」
日の出時刻が4:45頃なので4:00頃起き、外へ出たら今日は快晴?。
頂上でご来光を見たくて白馬岳を登る。途中見晴台があり、そこで日の出を待つ。しかし、風が強く、霧が絶えず登ってきており、ご来光が望めそうもないので、切り上げて下山。
5:30頃朝食後、白馬山荘からの写真を取りたいところであるが、霧の中で断念、出発は7:00頃とのことなので、部屋でゆっくりと過ごす。
今日は下山コースで、白馬山荘を出発し村営頂上宿舎、葱平(お花畑)、大雪渓経由白馬尻小屋で猿倉到着のコースである。
白馬山荘前で集合写真を撮り、白馬山荘を6:50出発。霧の中なので周囲が良く見えない。
大雪渓、旭岳の分岐から村営白馬岳頂上宿舎経由大雪渓方面へ降りる。 |
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白馬山荘の朝食 |
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濃い霧の中白馬山荘出発 |
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白馬山荘前で集合写真 |
大雪渓、旭岳の分岐 |
霧の中から見えた右手の村営白馬岳頂上宿舎前を通り、大きな岩が多く荒れた登山道を下りていく。周囲の高い山々は今は全く見えない。時々見える高山植物の写真を撮りながら下る。
1時間ほど下山した頃から、少しずつ霧が上がってきたので、この谷の全貌と周囲の可憐な花々が良く見えるようになってきた。 |
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村営白馬岳頂上宿舎前を通る |
大きな岩が多く荒れた登山道を下る |
この谷の全貌と周囲の可憐な花々が良く見えてきた |
お花畑では、写真タイムを取りカメラで色々な高山植物・花を撮っていた。花をよく知っている人は、こんなに色々な種類の多い、また珍しい花もあり、こんなに多くの花が見れるのは珍しいとのこと。この3日日間で数十種類の多くの花の写真を撮った人もいたようだ。特に、非常に珍しい「ウルップソウ」が咲いていた。
小雪渓手前の避難小屋で休憩した頃には、霧は晴れ空も青空になり、周囲の雄大で切り立った山々が見えてきた。 |
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お花畑 |
小雪渓手前の避難小屋で休憩 |
周囲の雄大で切り立った山々 |
小雪渓では、ほぼ横に道が切られているので、アイゼンを付けずに横切ることにしたが、登りでは問題ないと思うが、下りでは少し坂になっている個所があるので、慎重に横切るよう指示を出した。
全員無事に横切り、下山開始したが、この9時頃から雪渓を登ってくる登山者が多くなりはじめ、登り優先で時間を取ることが多くなった。
大雪渓の入口にきたのでアイゼンを付けるが、この場所は登りのアイゼンを外している人も多く、雪渓の中に入りアイゼンを付けている人は、滑らないよう注意を促した。
大雪渓を下るが、また霧が出てきたため、楽山会の縦の列が長くなって先頭も見えない。
雪渓は「持ちいいし涼しい」の声が出たが、私には涼しすぎ、寒いくらい。
ラストを取っていたが、大雪渓下山中、霧の中で見えなかったが2回落石の音がし、2回目の際は近かったので、みんなに注意喚起した。 |
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小雪渓を慎重に横切る |
大雪渓の入口に近づく |
アイゼンを付けて大雪渓を下る |
大雪渓が終わり、アイゼンを外して夏道に戻る。しばらく歩いて白馬尻小屋に11:37到着。
小屋には冷たい飲み物があり、早速買ってのどを潤した。
小屋からは、今まで歩いた雪渓の全貌が見渡せた。
10分ほど休憩し、山道と途中から林道のような歩きやすい道を通って、猿倉に12:50到着。 |
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アイゼンを外し、夏道へ |
白馬尻小屋に11:37到着 |
村営猿倉荘に12:50到着 |
猿倉からの車道は、営業路線バスの時刻に合わせて降りなければならないので、待っている時間村営猿倉荘でビールなどの買い物で時間をつぶした。
その後、道の駅小谷深山の湯で入浴と食事をし、今日の汗と疲れとエネルギーを取って一路新潟駅南口へ向かう。
今回の山行は大変苦労の多い日程であったが、ベテランNリーダーのリードで問題なく終わり、さすがと感心する。
3日間雨も降らず晴のなか白馬岳、新潟県最高峰の小蓮華山に登ることが出来たこと、縦走中多くの花畑に出会うことが出来、感謝いたします。ありがとうございました。 |
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「ウルップソウ」咲いている写真でなくすみません。 |
「ハクサンコザクラ」 |
「チングルマ」 |