≪紀行文≫ |
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〜〜〜妙高前山バックカントリー〜〜〜 |
妙高山の外輪山の1つ前山、赤倉観光リゾートスキー場の上に聳える標高1932mの山である。この山頂から林間を滑り降りるという超ロングな山スキーのお誘いがあり、胸をときめかせて参加した。
実は、ここは楽山会スキー部の妙高高原スキーツアーの非圧雪班が一度滑っていたコースである。しかし、自分はその時は体調が優れず、チャンピオンコース上部の旧スキー場跡の林間滑降でお茶を濁していた。従って自分にとっては初めての前山バックカントリーへの参戦であった。
天気は上々、往路立寄った新井PAから馬蹄型の外輪山を従えた目指す妙高山が真白くくっきりと輝いて見えた。否が応でも気持ちが高ぶって来ると同時に、一抹の不安が過るのも事実であった。果たしてあの山の上から自分の腕、否自分の足で滑り降りて来れるのだろうかと。 |
前山は、麓からの標高差は1200m強あるものの、スキー場の上部まではリフトを使うため、比較的楽なバックカントリーである。斜度も火山特有のなだらかな裾を引いているので登りも滑降も比較的無理せずに登高できる。とは言え、シールを付けたスキーで登るにしても、ジグザグにルートを刻んで一歩一歩と高度を稼いでいくのは難儀なことこの上ない。
先頭を引っ張るのは80歳を超えたレジェンド六さんである。今にもくじけそうな自分から見ると、どこからこんな力が出るのだろうかと不思議に思う。
何回かの休憩をはさんで、いよいよ前山の頂上に着いた。雲1つ無い青空が広がり、眼前には妙高山が峨峨と聳えていた。
ここでゆっくりと昼食を摂った。風もなく暖かい日であった。 |
(クリックで拡大) |
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今回の軌跡、赤が登りで青がスキー滑降です。赤の直線はリフト。 |
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ジグザグ登りながらも前山に着きました。お腹もペコペコ、早く休みた〜い。 |
眼前には妙高山が峨蛾と迫っていました。 |
楽しいお昼、風もなく、前山の頂上で腰を降ろせるのはまさにラッキー。 |
さあ、ここからが勝負、シールを外し、ビンディングを固定し、ヘルメットの紐をしっかりと嵌めて滑降の準備、目指す方向は意外に狭い、少し怖いと感じた。
一番手にドロップインしたのは、大ベテランのこれまた喜寿をとうに過ぎたドクターH氏であった。2番手に自分が続いたが、これはうまい下手よりも置いて行かれるのが怖いための必死の行動であった。でも滑り始めれば実に気持ちの良いものである。登る時は堅かった雪質も少し緩んで、調度良い塩梅、無難なスピードで降りていけた。 |
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さあ、滑降開始。皆さん臆することなく滑って来ます。 |
こんなに良いコンディションはありません。はいポーズ。 |
長老の六さん、行くぞー! |
間もなく林間に入って行ったが、あまり密ではなく疎らな林と言った感じ、尾根筋もしっかり見えている。不安感も払拭された。しかし、山スキーはルートを少し逸れただけでもとんでもない方向に行ってしまうことがある。地図とGPSを時々確認しながら慎重にルート取りは行った。 |
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女性陣も果敢に攻めています。 |
林間を滑るのですが、このくらいならまあまあ滑れますね。 |
人と自然の調和、いい歳こいてなどと言わないでね。 |
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コース取りとまとまりはバックカントリーの絶対条件、常に確認、良し。 |
もうだいぶ降りてきたね、そろそろ谷越えでないか、入念に地図を確認。 |
こんな林がずっと続いています。 |
急斜面を下り、谷を渡ったところでスキー場のリフトが見えてきた。皆の顔には安堵の笑みがこぼれてきた。そこから再度リフトに乗って上に上がり、今度はスキー場脇の林の中を滑ったが、結構疲労も感じてきた。慣れない山スキー、ゲレンデスキーに比べると本当に重労働である。でもこの爽快感と充実感が山スキーの醍醐味なのであろう。バックカントリー、機会あればまた行きたいものだ。 おわり |
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間違わずに谷越え完了、夏山で言えば渡渉ポイント。 |
ラストもやって来ました。ここから林道を少し歩くとスキー場に出ます。 |
ここまで来ればもう安心、やれやれ。 |
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