会山行紀行文 2018年
12/15(土)-16(日)
晴れ後曇り
(たかすずやま)(かみねやま)(はぐろやま)
高鈴山・神峰山~羽黒山縦走

623m  587m  491m  
参加者 (紀行文) 1866 S/T
No-157 グレード:C  12名
 担当リーダー 1866 S/T (男性4名・女性8名) (写真) 1866 S/T
≪コースタイム≫
≪12月15日≫
新潟駅南口(7:00)=日立中央IC(10:40)=御岩神社駐車場(11:15)…御岩山(12:20)…高鈴山・昼食(12:50-13:30)…御岩山(13:55)…御岩神社駐車場(14:40)=日鉱記念館(15:00-16:00)=民宿・第二常作(16:35 泊)
≪12月16日≫
民宿・第二常作(8:00)=向陽台駐車場(8:50)…きららの里分岐(9:15)…神峰山(9:40-9:55)…羽黒山(10:50)…蛇塚(11:30)…大煙突展望台・昼食(11:35-12:10)…鞍掛山駐車場(12:55)=吉田正記念館(13:15-14:00)=日立北IC(14:20)=新潟駅南口(18:00 解散)
≪紀行文≫
~~~内容濃い二日間の充実した時間を過ごしました~~~
≪一日目(12/15)≫
 平成最後の年も残すところ2週間、寒い新潟を離れて茨城県日立市の多賀山地の山を訪ねました。
 参加メンバーは12名と少数、磐越道、常磐道を順調に走って予定通りの時間に日立中央ICを降りて、登山口の御岩神社の駐車場に到着。
 大きな敷地の御岩神社、沢山の参拝の人に交じって、まずはご神木の三本杉と本殿に安全登山を祈願して出発。
御岩神社の三本杉 本殿に安全登山を祈願 奥の院「賀毗礼(かびれ)神宮」

 緩やかな坂道を30分ほど登ると奥の院・賀毗礼(かびれ)神宮があり、更に登ると御岩山です。かってはロッククライミングも盛んだっという御岩山ですが、現在は禁止されている。パワースポットとして知られる御岩山、若い人を中心に多くの人が登っています。
急坂もあり、ゆっくりと登る 御岩山、展望が開けます パワースポット、若いカップルが目立ちます

 御岩山近辺の急坂や岩の道を過ぎると、穏やかな歩き易い道となり高鈴山の山頂に到着!
 山頂にはレーダー雨量観測所の大きな塔や天測点、TVアンテナなどが建つ見晴らしの山であり、阿武隈山系の山々が見通せます。
 晴れてはいるけど今日は寒い!、風を避けて昼食を終え、来た道を戻りました。
高鈴山山頂、車道(一般車禁止)もあります 数少ないレーダーによる雨量観測所 大きなアンテナが何本も…
天測点 展望を楽しむ仲間たち 阿武隈山脈が一望できます

 下山後は、すぐ近くにある日鉱記念館の見学です。かってこの一帯は鉱山として栄え、1万人の街があったそうな。工場には当時は世界一だった156mの大きな煙突があり、公害問題に対処していた。
 工業都市・日立の象徴的な存在だったが、1993年に3分の1を残して倒壊し、現在は54mの煙突として稼働しています。
 この大煙突に関する公害問題や建設の苦労は、新田次郎の小説「ある町の高い煙突」に取り上げられ、今年はその映画撮影も終えて来年2019年4月に全国公開される予定だという。
 日立鉱山の歴史を、詳細な資料と共に学ぶことが出来ました。
日鉱記念館、おしゃれな三階建です 当時の採掘風景をガイドして戴きました 大煙突の建設に関する苦労話なども

 宿は魚の美味しい漁師民宿・第二常作、持ち込み自由のせいか?、日本酒と梅酒をしっかり飲んで楽しい交歓会が出来ました。

≪二日目(12/16)≫
 二日目は、向陽台駐車場からまずは神峰山に向けて出発。
 道はフカフカと心地良く落葉を踏んで歩く快適登山道、昨日よりも暖かく軽装で歩けるのも嬉しい。
積もった落葉を踏むのは気持が良い。赤い実が所々で楽しませてくれる 煙害に強い桜を、320万本植えたという

 今年の2月には同じコースをトレッキング山行した道でもあり、コース状況は同じです。葉を落とした樹林の向こうの景色を楽しみながら、順調に歩いて神峰山。
 神峰山山頂からは、日立鉱山の大煙突の現物も見えるしモニュメントもあります。また、この山頂から望む太平洋に登る太陽の荘厳さを見られた水戸光圀公が、素晴らしい日の立ち上がりから⇒日立と名付けられたという。
神峰山標識の向こうに大煙突と太平洋 大煙突のプレートと由緒紹介が設置 当時は、ここから煙の状態を観測した

 神峰山から先も高低差の少ない歩き易い道、要所要所にはしっかりと標識が立ち、登山路の手入れも行きとどいて、地元の人たちに親しまれている様子がよく窺えます。
 羽黒山・491mを過ぎ、大きな蛇を退治したという古伝の蛇塚を過ぎれば大煙突の展望台、すぐ眼前に件の大煙突が静かに煙を吐いている姿が望めます。
 この展望台で昼食の後、更に先へと進みます。新潟ではなかなか味わえない、テンポよく乾いた落葉を踏む歩きは参加者にも好評で楽しい会話も弾みます。
 静かなコース途中にある羽黒山 疎林帯と低笹が、気持よく歩かせてくれる  蛇塚の由来が紹介されている

 両側からの木が頭の上で交差して、まるで自然のトンネルのような楽しい場所もありました。「とても山中の道とは思えないね、公園か大学構内のような…」との会話が出る素敵な道、「団体じゃなく二人で歩きたい道…」との声も。
 順調に歩いて、予定通りの時間に駐車場に待つバスへと戻りました。
 足元はフカフカ、頭上は心地良き交差、快適プロムナード  最後は全員元気に急階段を下って完登! 

 下山後は、すぐ近くのかみね公園にある吉田正記念館の見学。
 生涯2400曲を作曲し、国民栄誉賞を受賞された氏の生い立ちから数々のヒット曲に纏わる話題まで、幅広く紹介されており、なかなかの見応えがありました。
 かみね公園の高台に建つ吉田記念館  氏の実物大の立像、記念館オープンには錚々たるスター達がテープカット

 今回は、山も楽しかったけど大煙突のことや市の由来、出身の大作曲家のことまで学んだ内容濃い二日間の充実の時間を過ごした日立、参加した皆さんにも大変喜んで戴けて、計画した甲斐があったと嬉しい山行でした。
 今回見聞きした風景が、間もなく映画で見られるというのも楽しみです。
高鈴山山頂 神峰山山頂

◆映画「ある町の高い煙突」の紹介。2019年春、全国公開の予定。

 新田次郎原作、日立市の皆さんのご努力により日立鉱山の実話を描いた感動の名作。

 国益の為に多くの町や人々が無残な犠牲になり続け、労働争議が多発の時代にあって、地域住民との共存共栄を目指した日立鉱山、企業の社会的責任(CSR)の原点でもある名作。

 出演は、仲代達矢、井出麻渡、大和田伸也、小林綾子、渡辺大、吉川晃司、小島梨里杏ほか。