≪紀行文≫ |
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〜〜〜重量級の山を登り終えいい思い出になった〜〜〜 |
南アルプスの最深部、荒川三山、赤石岳を計画したとき、あまりにも長い行程なので新幹線を使い、少しでも道中を短縮してと考えた。現地のバス会社にも協力を得て、少しくらいな悪天候でも決行と決めた。山行直前の「天気とくらす」はC(登山には不向き)の連続だったが、夕方の豪雨の前に山小屋に入れば、それに夏のアルプス、多少の雨は、その後の景色の美しさは雨上がりのほうが一段と映えるといいほうに考えていた。台風だけが気になっていたが、その台風も関係なさそうなので、楽しい山行になるだろうと期待して当日を迎えた。
果たして17人の大所帯が無事、最後まで歩き通せるか、でもこのメンバーなら心配ないと不安はなかった。そんな最強メンバーに恵まれた。不安があるとすれば一週間前に交通事故に巻き込まれた自分だけだった。事故の後遺症がでないといいが。
≪一日目≫
上越新幹線の10号車でみんなの参加を確認した。東京駅で東海道新幹線に乗り換え静岡駅で降りた。
待ち合わせ場所でバスに乗り換え南アルプスを目指す。
畑薙ダムまで3時間の旅、ところがこれが悪路の連続、大井川沿いに切り立った山を削って作られたスリルある細い山道を延々と走るのでした。ようやく着いた畑薙第一ダムで東海フォレストのバス(臨時便)に乗り換え、またまた悪路を一時間、ようやくさわらじまロッジに到着でした。 部屋は17人で6部屋と充分なスペース、夕食までテラスでビールを飲んだり、お風呂に入ったりと、翌日から始まる過酷な山行に備え、のんびりと過ごしたのでした。夕食後は早めに布団に入り、標高1100Mの涼しい一夜の眠りに入ったのでした。 |
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畑薙ダムのバス停前 |
さわらじまロッジで歓談 |
夕食 |
≪二日目≫
朝5時に朝食、余分な荷物は別部屋に預け、6時に出発です。ロッジの裏から林道に出て、まだ出来たばかりの吊橋を渡り、いよいよ山道に入ります。
この日は標高差1500Mの登り、だが登り一辺倒ではなく下りも多い。樹林帯の中の道、ブナやナラの森、景色などまったく望めない暗い道、これが延々と続く。深い森に朝の光が射し、夏の暑さを感じる前に標高を稼がないと、どんどん登る。 |
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朝食 |
朝食風景 |
さわらじまロッジ |
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さあ、出発です。 |
新しい吊橋を渡る |
深い森の中を歩く |
やがて清水平の水場に到着。
どんどんと流れる水をペットボトルに入れ、暫しの休憩。
もう少し登って見晴台で昼食。
ここでようやく悪沢岳と赤石岳が、その雄大な山容を見せてくれた。
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休憩 |
手前が悪沢岳、奥が赤石岳(見晴台より)1908 |
食後は再び深い樹林帯に。そして最後に急な登り坂を15分ほど行くと千枚小屋に着く。
この日の小屋は満員だが寝袋は一人一枚、充分なスペースだった。夕食まで山小屋の前のベンチでビールを飲みながら歓談、翌日からの強行軍に備え、夕食の後はすぐに寝た。 |
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千枚小屋 |
ビール談義 |
夕食(ハンバーグは手作り) |
≪三日目≫
この日も快晴。6時に出発、急な登りを1時間で千枚岳の山頂に、山頂は狭く混んでいたので集合写真は撮らず、暫し休憩の後、下山にかかる。 |
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千枚小屋からの富士山 |
千枚小屋からの日の出 |
朝食 |
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さあ、出発ですよ |
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集合写真(千枚小屋にて) |
いきなりの急登 |
ここから丸山までのお花畑がすごい、道が狭いのでゆっくりと歩き、撮影可能にする。ただ足場が悪いので気をつけるように、南アルプス最大のお花畑を通過したのでした。
丸山から悪沢岳の登りが実にキツイ。
標高3000Mを超えた稜線歩き、でも周りの景色に癒されて、一歩一歩登るのでした。 |
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千枚岳山頂にて |
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悪沢岳、奥が赤石岳(千枚岳山頂にて)1908 |
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岩のへつりを登る |
梯子を降りる |
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遠くに荒川三山 |
ハイマツの中を歩く |
悪沢岳への登り |
悪沢岳から振り返る千枚岳が実に美しい。そして翌日に登る赤石岳、はるか先には北アルプスが望めるのでした。そしてハイマツの岩綾線を登り、砂の広い登り坂を超えれば中岳避難小屋に到着。ここで休憩、ジュースや水を買って飲んだり、景色を満喫したのでした。
次の前岳の山頂付近には雷鳥が三羽、少し離れていたので撮影は諦めた。さあ、後は下るだけ。お花畑を見ながら急な下りを、ゆっくりと荒川小屋に進んだのでした。 |
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千枚岳を振り返る1908 |
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悪沢岳山頂 |
悪沢岳を後にして進む |
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翌日登る赤石岳を見つめる |
さあ、くだりますよ |
中岳避難小屋 |
ダケカンバに囲まれた荒川小屋、ここから眺める赤石岳はまた雄大な眺めです。ただ水場が遠いのが難点、5分ほど下らないといけません。でも清潔で奇麗な山小屋、小屋の横のベンチで、この日もビールで山談義でした。 |
ところが到着から1時間ぐらいでしょうか、非常に激しい雨が降ったのでした。もし到着がおくれていれば、あるいは無理して赤石岳まで登っていれば、いやいや、やはり夏のアルプスは夕方まで歩くことは危険と感じました。
この日の夕食は名物のカレー、これが実に美味しい、みんなお代わりをしたよう。 |
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荒川小屋 |
夕食 |
≪四日目≫
朝、小屋の前から富士山が大きく見えた。
この日も快晴、みんな準備が早く、5時50分には出発、大聖寺平までは横歩き、そこから小さな石がゴロゴロした斜面を登る。
まだ朝の時間帯なので元気イッパイ、下から見えるのは小赤石の肩、そこから小赤石岳、そこまで登ると正面に圧倒的な大きさで赤石岳がそびえる。 |
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朝食 |
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前日登った悪沢岳 |
ガレ場を横切る |
赤石岳の登り |
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悪沢岳、右が千枚岳 1908 |
赤石岳 1908 |
ハイマツ帯を歩く |
鞍部まで降り、ザックを置いて空身で赤石岳の頂上に。
今回のハイライト、そこで集合写真を撮り、大休憩、赤石岳避難小屋では前情報通り、美味しいコーヒーと奥さんのハーモニカの演奏を楽しむ数人の会員も、実はコーヒーがドリップ式なので、30分の休憩時間では希望者全員には不可能とか、ゆっくり休憩を取った後は急な下りを赤石小屋まで進んだのでした。 |
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赤石岳 |
赤石岳より小赤石岳方面 1908 |
荒川三山 |
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赤石山頂より聖岳、光岳 |
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集合写真(赤石岳山頂にて) |
赤石山頂より富士山 |
この下りもお花畑の連続。急降下はどんどん続き、ダケカンバやシラビソの林に入り、少し登ると富士見平に着く。ここからの眺望が素晴らしい。赤石岳、悪沢岳が見事に映える。
ここでこの日の最後の休憩、そして再び樹林帯の中の急降下、まだかまだかと前進するが、ようやくシラビソの林に囲まれた赤石小屋に到着したのでした。
小さな小屋ですが、なんとか寝袋一枚のスペースを確保でき、またまたビールでの山談義でした。 |
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赤石岳から降りる |
悪沢岳、右が千枚岳(富士見平より)1908 |
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森をようやく抜ける |
赤石小屋 |
夕食 |
≪五日目≫
この日も快晴、これで全日程が快晴の山行となった。女性軍がさわらじまでゆっくりシャワーを浴びたいと朝食は4時半とし5時の出発に変更。
約1500Mの標高差を下ります。深い樹林帯の尾根道、転ばないようにゆっくりと下山します。
下って下って、最後に鉄の梯子を降りると林道、そしてさわらじまロッジに到着したのです。
バスの出る10時半まではまだたっぷりと時間があります。
シャワーを浴びて、ビールを飲みバスを待ちます。 |
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朝食 |
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樹林帯を急降下 |
ゴール地点 |
畑薙第一ダムでバスを乗り換え静岡駅に、静岡に用事がある人、切符を買い求める人、お土産を買いたいという人、いろいろあり静岡駅での解散としました。
その後新幹線で新潟まで、まだ明るいうちに家に着いたのは、やはり新幹線のおかげと思う。
今回の荒川三山、赤石岳の山行。17名の大所帯で、多少のトラブルはあったけれど事故もなく、全員最後まで歩き通した。
重量級の山を登り終えたメンバーにはいい思い出になったことだろう。いやいやお疲れ様でした。
≪出逢った花々≫ |
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