≪紀行文≫ |
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〜〜標高差2200mの激急登に挑む〜〜 |
過去に幾度か登った剱岳はいつも一般的な別山ルート、すなわち立山の室堂から入り別山を経由し剣山荘に宿泊して山頂を目指すルート。
その頃からいつかは健脚者向きの早月尾根を歩きたいとの思いがあり今回実現した。
このルートは北アルプス三大急登となっているが、日本三大急登のどのコースよりも標高差があり、時間を要し危険度も高いルートと紹介されている。
(一部超健脚者の若者が日帰りピストンをするらしいが私にはとても出来ない)
≪8/3≫
新潟を早朝に出発し、登山口の馬場島に、上の駐車場は満杯で下に停めることが出来た。
登山準備をしているとガスが切れこれから目指す剣の険しい山並みが顔を出してくれた。
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(クリックで拡大) |
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早月尾根ルート |
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馬場島下の駐車場から劔岳の山並みを見上げる |
いよいよ登山開始 |
登山口からいきなりの急登が始まるが、このコース標高200mごとに道標が設置されていてとても励みになる。
1000m付近は松尾平と言われるところで緩やかな歩きやすい道がしばらく続く。
1200m付近は木の根を掴んで登るような急登が続く。
1400m付近は某島の有料杉に負けない程立派な巨木が何本もあり見ごたえがある。
1600m付近は樹木が生い茂り展望が無い急登。
1700m付近は左側に切れ落ちているので要注意。
1920mに古い三角点がある。
2000m付近は灌木帯が続き登りも急だが山椒魚すむ池等がある。
2224mピークに立つと眼下に早月小屋が見え「ほっ!」とする。
このように、今夜の宿泊地標高2200mに建つまでは実に地味で急な樹林帯の尾根歩きが続き、写真を撮ることは殆どなかったと言うか、撮る余裕も無かった。まともな登山道は1000m付近の松尾平付近と2000m付近の周辺位で、後は木の根っこを始めとしてつかめる物は何でも掴んで登ると言った感じ。 |
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標高200mごとに設置されている |
巨木「一服杉」(1500m付近) |
雨が降ったら嫌な道(1600m付近) |
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手作りの簡素な梯子(1800m付近) |
見た目より急で嫌な登り(1900m付近) |
こんな池もあります(2000m付近) |
約6時間半の苦しい登りを上がり切ると眼下に早月小屋が見えてきて、ほっとする。
この間、2リットルの水を飲み干し、口はカラカラ。小屋で購入したコーラがとても美味かった。
平日と言うこともありゆったりと寝る場所が確保でき、また夕食もとても美味しかった。 |
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小屋手前のピークから(2200m付近) |
早月小屋に到着 |
結構美味かった小屋の晩御飯 |
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≪8/4≫
早朝、目が覚め庭に出ると満天の星。今日は素晴らしい展望が期待できると登山準備をして3時50分に小屋を後にした。
しばらくはヘッデンの明かりを頼りに急登を進むが2400m付近ぐらいから明るくなり、2600m付近ではご来光を観ることが出来た。
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別山方向には雲が覆っていた |
劔の山並みに夜明けの知らせが |
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2400m付近から樹林限界となる。
2600m付近で宿製の朝食を頂く。明け行く展望をおかずに最高の朝食となった。
しかし、2600mを過ぎると厳しい岩稜が続き、また朝露で岩が濡れとても嫌な感じとなった。
垂直の岩場、トラバース的な岩場等々、一秒たりとも気が抜けない。
ルート誤りも命取りになる。 |
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残雪上を歩く先行者 |
ガスが掛かり岩が露で濡れ怖さを感じる |
鎖が頼り |
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下山時撮影した山頂直下の岩場ルート |
2700mを過ぎると烏帽子岩、シシ頭、カニのハサミと言われる難所を慎重に登って行くと前方に道標が、別山ルートとの分岐点だ。
この瞬間「やった!!、着いた!!」と叫びたくなるほど。
到着した山頂は別山ルートの登山者で満杯。祠の前で撮る記念写真には行列が出きていた。 |
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見上げると別山ルートとの分岐が観えた |
山頂は賑わっていた |
山頂の祠 |
山頂からの展望は低い雲で遮られ十分とは言えなかったが、時折雲が切れ遠望が効くと大歓声が上がっていた。
頭上は晴れているのに残念だった。
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山頂から観た下山ルート |
毛勝山と日本海 |
もっと山頂の雰囲気を味わいたいところだが、これから長い下山が待っているため長居も出来ず山頂を後にした。
途中、小雨が降ることもあったが概ね晴れたり曇ったりの中、とても辛かった約9時間弱をかけて馬場島に戻ることが出来た。
もうこのルートを歩くことはないだろうと思うと感慨深いものがある。
≪今回の山域で出逢えた花々≫ ほんの一部ですが綺麗どころを紹介します。 |
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