≪紀行文≫ |
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〜〜鳥海山の大雪原を爽快に滑る〜〜 |
鳥海山バックカントリー、日・月曜日に予定していましたが天候が思わしくないため断念、しかし諦めきれずに水・木曜日に実施しました。これが当たって2日間とも素晴らしい天気に恵まれました。平日でも出かけられるサンデー毎日の身分が嬉しく思います。人数も6人と手ごろな数、思う存分楽しめそうでした。 |
鳥海山と言ってもたくさんのコースがあります。今回我々が選んだのは、湯の台口コースです。しかしまだまだ沢山の雪が残っていますので、夏の登山道を歩く訳ではありません。第一、鳥海高原青沢線は雪がまだ残っていますので途中までしか入れません。本来の登山口である車道終点−滝ノ小屋までスキーで3時間も登らなければならないのです。また、滝ノ小屋から上は、雪が続いていればどこを登ってもいいのですが、今の時期は雪が融けて地肌が出ているところも沢山あります。滑り降りるルートを決め、そのルートを確認しながら1歩1歩登って行くのです。我々は通称ソロバン尾根と呼ばれている尾根沿いを辿りました。
青沢線の道路を走って行きますと、車が4台ほど見えました。そこから先は雪で進めないのです。我々の2台の車もその道路の消雪端に駐車することにしました。
そこでお昼を食べ、スキーを歩行モードにして歩き始めました。道路沿いに歩いても良いのですがそれでは時間がかかりますので、ショートカットして林の中を登ります。しかしこれが大変な仕事なのです。長い板を足に履いていますので狭い林間やブッシュには散々悩まされました。 |
(クリックで拡大) |
軌跡です。赤線が登り、青線が滑降です。
標高差1370m、登り5H50’、滑降1H23’ |
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最初はこのような林間を登ります。
ブッシュが煩わしい。 |
木々の間から鳥海山の雄姿が見えてきました。強い陽射しに汗が吹き出します。 |
ブナの林を抜けると鳥海山が大きく迫ってきました。でも頂上は雲に覆われています。 |
滝ノ小屋に着いた時には自然に万歳が出てきました。初日は標高差500m、2H25’のアルバイトでした。
平日のせいか40名泊まれる滝ノ小屋は我々だけ、全くの貸切状態でした。
着いた途端に上の大雪原にスキーで飛び出す者、着替えてお茶する者と思い思いに時間を過ごしました。
夜は持ち寄ったお酒や料理で話も弾み、山の歌を歌ったりと楽しい一時を過ごしました。外は満点の星空、遠くに遊佐の町の明かりも見えました。 |
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密藪を突き抜けると滝ノ小屋がデーンと聳え立っていました。立派な小屋です。 |
荷物を小屋に置くや否や広大なバーンで足慣らし。超気持ち良い。 |
位置関係はこんな感じ、明日滑るルートもくっきり見えていました |
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朝、4時半には外はもう明るくなっています。朝焼けに輝く雪原や遠い山並みを眺めながら出発時間を待ちました。すぐにでも出発したいのは山々なのですが、朝は雪がガチガチでとても歩けないのです。
雪の表面が緩みだす7時に出発しました。ここからは、ブッシュには煩わされませんが本格的な山登りです。一番元気なのは、最高齢(80歳)の六さんでした。皆をぐいぐい引っ張って行きました。 |
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一夜明けて朝の鳥海山。朝日が眩しかった。
逸る気持ちを抑えながらも7時に小屋を出発。 |
大雪原を一歩一歩登りながら順調に高度を稼ぎます。滝ノ小屋がどんどん小さくなっていきます。遠くに月山が優美な姿を見せていました。 |
一息ついて景色に見入ります。
山頂はまだまだ遠いなぁー。 |
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いよいよ外輪山直下に着きましたが、ここからは一層傾斜がきつくなります。力を振り絞って登りました。小屋から標高差870m、3H25’のアルバイトでした。慣れない自分はもうくたくたでした。 |
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雲一つない素晴らしい天気、こんな日はめったにありません。しかし山の天気は気まぐれで、ガスって視界が悪くなることも考えられます。目印の赤旗や赤布をつけながら進みました |
這松にザックを降ろし大休止。それにしても皆さんタフです。年齢などはどこ吹く風でした。 |
目指す外輪山(行者岳)が指呼の先になりました。ここからが勝負どころです。 |
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風もなく良く晴れています。新山や千蛇谷雪渓を見ながらゆっくりとお昼を食べました。このまま眠ってしまいたくなるような良い天気でした。でも朝の雲海がせり上がって来て、中腹は雲に覆われ始めました。そんなにぐずぐずしている訳にはいきません。あの雲の中は視界が効きません。道を間違う恐れもあるのです。でもご心配なく、ベテランの六さんは登る途中に目印の赤旗を立ててくれています。 |
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傾斜が急になってきました。長老の六さんに引っ張られて、1,2,1,2で登ります。 |
ここを登り切れば到着です。なだらかに見えますが、斜度30度の狭い急斜面です。 |
外輪山に到着、お昼を食べ、新山をバックに記念撮影。皆さん真っ黒い顔をしています。 |
さあ広大な雪原を滑降です。まずは六さんが飛び出しました。続いて次々にドロップイン、苦労した甲斐があるというもの、実に爽快でした。
あっという間に降りていきます。3時間半かけて登ったところをわずか40分で滝ノ小屋まで滑り降りて来ました。 |
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さて、シールを剥がし、ビンディングを固定して斜度30度の狭い雪面に次々にドロップイン。あっという間に広い雪原まで滑り降りました。ここから鳥海山の大雪原の滑降が始まります。 |
どうですか!T女史の見事なフォーム!先頭を滑るのは大ベテランの六さん、鳥海山はこうやって滑るのだと模範を見せてくれました。 |
今年ノリノリの若手のホープK君です。後に続くは怖いものなしのK女史。
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途中雲が上がってきて視界が悪くなりましたが、目印の旗のおかげで迷わず降りて、あっという間に滝ノ小屋の雪原までやって来ました。黒いポッチが2つ、分かりますか。 |
大きなシュプールを描いてどんどん降りてきます。 |
誰だか分かりますね!最長老の六さんと最年少のK君でした。 |
ここでデポした荷物を回収してさらに下ります。でもここから下はブナ林ですので、下手糞な自分には楽ではありませんでした。
無事駐車場所に着き、フキノトウをいっぱいお土産に採って帰路に着きました。おわり |
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滝ノ小屋でデポしておいた荷物を回収して、デカザックを背負って最後の滑りです。 |
名残惜しそうに鳥海山を振り返ります。
中腹には雲がありますが、あの中はガスで視界不良なのです。単純な山とは言え、ベテランのリードが必要なのです。 |
最後は林の中の滑走です。林間滑走なんて聞こえはいいが悪戦苦闘の連続でした。 |
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