≪コースタイム≫
新潟市自宅(1:00)=戸倉ゲート(3:50-4:20)…鳩待峠(6:40-7:00)…至仏山(9:50-11:00)…鳩待峠(12:50-13:00)
…戸倉ゲート(15:10-15:30)=自宅(19:10) |
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≪紀行文≫ |
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〜〜歩いて、登って、また歩く〜〜 |
二年続けて早春の至仏山へ。
戸倉〜鳩待峠の冬期道路閉鎖が28日に解除されると聞き、深夜に車を走らせ4時前に戸倉に到着。
ところが、6時と思っていたゲート開放が10時「6時間もここで待てない」迷わず8Km先の鳩待峠まで歩くことにする。
人けのない舗装道路を歩く、気温は0℃、途中で朝日が顔を出す、吉田拓郎の「朝陽がサン」を口ずさみながら歩く。
♪朝陽がサン、おはようサン、今日は新しい一日であります、♪最初のステップ、気合のステップ、大事なステップ、踏みだす時が来たぁ〜。
朝陽で体感温度は上がったが、道路に流れ出た雪解け水は凍っている。
思ったより時間がかかり2時間20分で鳩待峠へ、登山届を山荘に出し管理人から2点アドバイスをもらう。
1. 小至仏岳のトラバースは滑落に要注意
2. ルート上に赤布の印はあるが、天候が急変しガスった場合道迷いに注意
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明るくなり出した戸倉のゲート |
♪朝日がサン、おはようサン |
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今年の登山口 |
昨年4月末の登山口、雪少なし |
青空と樹と雪原 |
登山口の残雪量は昨年よりかなり多い、雪は固くかつ表面が適度に柔らかいためツボ足で軽快に歩く。
直ぐに真っ白な小至仏山と至仏山が右前方に現れる。
青空の下、枝ぶりの見事な巨木を眺めながら雪原を進む、斜度はゆるやかで気分が良い。
地元の山岳会がつけてくれた赤テープに沿ってゆっくり高度を上げる。
右後方に燧ヶ岳が現れ、開放感のある景色の素晴しさに、何度も足を止める。
先行する登山者のアイゼンの跡を見つけるが、最後まで姿を見ることはなかった。
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左小至仏山、右至仏山 |
広々とした展望が非常に気持ち良い、左から小至仏山、至仏山、右奥に燧ヶ岳 |
標高を上げるに連れて雪面の固さが増す、そして、いよいよ要注意の小至仏山トラバース。
アイゼンを着け、これから渡る斜面をよく見ると谷側が遥か下まで落ちている。
谷側を見ていると吸い込まれそうな感覚に襲われる、足を滑らしたら一巻の終わり、あの世行きの尻セード。
視線を谷側に移さず、足元だけを見て「右、左、右、左」と足を出す、ビビって腰が引けている。
「だいぶ歩いた、そろそろ終わりかな?」と視線を上げると、右肩下がりに切れた雪面と青空しか見えない。
逃げ場のない危険な斜面に一人で立っている現実に怖さを感じる、至仏山は仏に至る山と書くが、こんなところで仏になどなりたくない。
再び視線をゆっくり足元に戻し、焦らず、落ち着いてと念じながら足を運び、15分かかって渡りきる。
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至仏山直下からの展望、@赤城山A武尊山B笠ヶ岳C谷川岳 |
至仏山の山頂に到着 |
トラバースが終われば、ひと登りで2228mの至仏山の山頂、そこで待っていたのは視界360度の展望。
西から北へ谷川岳、朝日岳、巻機山、越後三山、平ヶ岳と峰が連なる。
北から(東)南へ景鶴山、会津駒ヶ岳、燧ヶ岳、男体山、日光白根山、皇海山・・・雪の白さが景観を一層美しくしている。
昨年は雪がなかった尾瀬ヶ原は一面真っ白、そんな景色を楽しみながら静かに1時間ほど過ごす。
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西から北の展望 @谷川岳 A巻機山 B越後三山 C平ヶ岳 |
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谷川岳にズームイン |
巻機山にもズームイン |
後方右から越後駒、中の、八海 |
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北から東の展望 @平ヶ岳 A景鶴山 B会津駒ヶ岳 C燧ヶ岳 |
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東から南の展望 @男体山A日光白根山B皇海山 |
雪が無い昨年4月末の尾瀬ヶ原 |
復路の小至仏山のトラバースは、雪が柔らかくなって怖さが軽減したものの、凍っていた薄い表層がストックで割れ「バラ、バラ」と谷側に滑り落ちる、この音が効果音のように恐怖感をあおる。
高度を下げて樹林帯に入ると10時のゲート開放で鳩待峠まで車で入って来た大勢の人、人、人。
その数約100人(8割がスノボーダーとスキーヤ―)、早春の至仏山の人気に驚くと共に、山頂で静かに過ごせたことに満足感を覚える。
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今年会山行が予定されている武尊山(中央)と笠ヶ岳を望む |
トラバースした斜面を振り返る、無事でなにより |
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♪この木なんの木、気になる木、名前は知らない木ですけど |
美しい小至仏山、至仏山ともお別れ |
鳩待峠からバスでの移動を期待していたが「今日は運行していません」とのことで戸倉まで再び歩く。
北アルプスの槍穂高登山で、横尾から上高地まで歩くのと一緒と、自分を励ましながらひたすら歩く。
途中スノボーを担いで自転車で下りてきた男性2人組と話す、ゲート開放前に自転車で登り下りは30分位だとのこと、次はこれだな。
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復路の景色♪雪が溶けて、川になって流れてゆきます、もう既に春ですね、山に登ってみませんか |
下りは速いと考えていたが、登りとあまり変わらず2時間10分を要す。
長いウォーキング(良いトレーニングになった)、怖いトラバース(まだまだ未熟)、素晴らしい展望(来て良かった)など密度の濃い山行に感謝しながら帰路についた。
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