≪紀行文≫ |
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夏の至仏山を今年の会山行8月19日の土曜日とした。6月末まで自然保護のため至仏山の登山は禁止されているが、まだ花の時期の終わっていない盆明けの週末、標高1600Mからの涼しい登山がこの残暑の時期にふさわしい夏山登山だと思った。
今年の夏の天気予報はころころ変わった。でも至仏山は小至仏山の手前まで樹林帯が続く。その樹林帯を超えると1時間と少しで至仏山の頂上に着く。それなら多少の雨でも気持ちのいい登山が楽しめると「多少の雨でも中止はしません。」と計画書に書いた。そして天気予報は雨の予報が2日前から曇りの予報に変わった。「よし、絶好の登山日和だ。」と思った。 |
そして当日は曇り空の中、新潟駅を6時過ぎに出発したのでした。
その日の朝の7時過ぎから新潟地方の平野部はバケツをひっくり返したような大雨が降って新潟市に「大雨警報」が出たのは我々がバスで通り過ぎた後、知るよしもないまま鳩待峠まで来ていたのでした。
鳩待峠は曇り空、涼しい風を感じながらブナやミズナラの広葉樹の樹林帯の中の道を登っていくのです。
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曇り空の下で登山準備 |
樹林帯の中を歩く |
緩やかな登りが続き、やがて木の階段になり、木道になると尾根の左側が開けてくる。本来ならここから百名山の武尊山が見えるのだが、この日は雲の中、やがて道は尾根の右側を歩くようになると尾瀬ケ原が見渡せる絶好の休憩ポイントのテラスに到着する。
ここで景色を見ながら休憩する。
木道は二重になり休憩に使え、大きな蛇紋岩もその上で休むには最適なテラスだった。空は曇り空だったが尾瀬ケ原は眼下に見下ろすことができた。この時はまさかこの景色を見るのがこの日の最後だったとは気付かなかった。気づいていればもっと写真を撮っていたのに。 |
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階段が始まった |
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尾瀬ケ原が見える |
テラスにて |
休憩の後、歩きだすと雨がポトポトと降ってきた。それが少しずつ強くなったので雨具の着用を指示、再び歩き出す。 |
オヤマ沢の標識を超えたころからカミナリの音が聞こえた。かなり遠くに感じたので、そのまま歩いたがオヤマ沢田代を超えた時点で、雨がもう少し小降りなら、そこから少し先のテラスベンチまで行きたかったが、カミナリの音が大きくなったので一旦止まって、ここで撤退をみんなに指示した。
雨の中待つ決断もできた。しかし雨がどんどん降っているなかで、この先は森林限界、カミナリを防ぐ場所などどこにもない。おまけにこの先は蛇紋岩の山道、雨ならよけい滑りやすい。後1時間と少しで至仏山の山頂なのだが、それは危険と判断した。
決断した後は樹林帯の中をひたすら降りる。樹林帯の中の危険は少ないので、そんなに急いで降りる必要はない。でも降りている途中で雨は止み、カミナリは消えてしまった。鳩待峠では青空、そして振り返ると至仏山の頂上が雄大に見えた。「今度はもっと天気のいい日に登ってね。」と、そんな声がしたような気がした。 |
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オヤマ沢(標高1980M地点) |
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オヤマ沢田代 |
撤退(テラスにて) |
鳩待峠から至仏山山頂 |
思い出せば5年前、初めての会山行に残雪期の至仏山を選んだ。新潟から小型バス2台で40名も誘導して、鳩待峠から歩きはじめ30分もしないうちに雨とカミナリで撤退、至仏山のカミナリはそれ以来だった。 |
通常カミナリは午後3時過ぎ、その常識が今は通用しない。
前回が10時半、そして今回が11時半、至仏のカミナリは実に怖い。
鳩待峠でベンチに座り、遅い昼食、そしてバスに乗り、青空の下で予定になかった吹割の滝を見物して新潟へ帰ってきたのでした。
来年リベンジしますよ。もちろん同じ時期で。
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吹割の滝 |
集合写真 (吹割の滝にて) |
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