≪紀行文≫ |
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昨年も同じ山域の黒部五郎、薬師の会山行を行った。その時は9名の応募だったが、今年は一日多いのにもかかわらず、いきなり20名の応募があった。少しタフなコースなので、それで締切とさせてもらい当日を待った。
計画書には天気が悪いと予想される場合は期日の変更もありと書いた。しかし計画書発送後に雲ノ平、三俣の両山荘ともすでに満員で期日の変更は不可能だと知った。しからば決行か中止かしかない。
その天候だが10日前から注目していたが快晴の予想だった。ところが太平洋で台風5号が発生して大荒れの予想に急変した。でも出発3日前の夕方の天気予報で天気の回復が少し見込まれ2日前の朝にはまたさらに回復が予想された。
ラストリーダーのKさんからも電話があり「決行しましょう。」と、よし決行だと決めた。それでも雨が半分、もっと良くなれと祈る。参加者も当然実施日の変更が間違いないと変更の電話を待っていたと後で聞いた。そしてその変更の電話がないまま当日を迎えた。
また計画書発送前に4名、発送後に1名のキャンセルがあり私を含め16名での山行となった。いずれも山の達人ばかり、楽しみになってきた。今の体力からいえば何も運動しない自分が一番弱いかも、足手纏いにならなければいいがと不安も少し覗く。
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≪一日目 曇り一時雨≫
雨の予報だったが折立では涼しい風が吹く曇り空だった。準備をしていきなりの急登をゆっくりと歩きだした。
ブナの大木の樹林帯、木の根が足場となり、しばらくの辛抱が続く。やがて1871Mの三角点休憩ポイントのベンチに到着、昼食を取る。
その後道はなだらかになりベンチもいくつか出てくる。ここから石のゴロゴロした歩きにくい道に。本来ここからは左に薬師岳が望まれるのだが山はガスに包まれ展望なし。
急に雨が降ってきた。雨具着用を促し前進、しかしその雨が4日間の最初で最後の雨だったのだが、そんなのは終わって知るのみ。
雨は3分で止んだ。そのまま歩き続けたが暑さゆえ立ち止まり雨具を脱ぐように指示した。 |
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折立登山口 |
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1871M三角点で昼食 |
ガスが出てきた。 |
ニッコウキスゲの群生地 |
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ひたすら登る |
石の上を歩く(M/K) |
木道を歩く |
ニッコウキスゲが咲く草原の中を歩き続けるとやがて太郎平小屋に到着した。本来ならここから薬師、水晶、黒部五郎などが望まれるのだが、それはすべてガスの中、小屋で受付をして夕食まで外のベンチでビールを飲む。 |
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太郎平小屋 |
小屋の外(M/K) |
小屋の外でビール談話(M/K) |
夕食の後は布団の中、この日は一人一枚の布団、夜中に外に出てみたが星空は少しだけ、山のはるか下に富山市の明かりがほんのり見えた。あーあ、明日は晴れるかなあ。 |
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夕食 |
夕食風景 |
夕食後の小屋の外 |
≪ 一日目に出逢えた花々≫ |
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≪二日目 快晴≫
朝起きて外へ出てみたら快晴だった。
5時の朝食、6時の出発予定、みんな早く準備を完了、5時50分に出発。
うん、みんなやる気満々だなと。
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朝食 |
太郎平小屋にて |
青空を満喫しながら左俣出会いまで下る。途中の3カ所の渡渉点には橋が掛けられ問題ない。 |
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薬師沢への下り |
薬師沢への下り(M/K) |
渡渉点 |
そしてカッパがいるというカベッケヶ原の草原を通り薬師沢山荘まで下る。
そこで大休憩、冷たい湧水を飲んで、いよいよ本日のハイライト雲ノ平への急登に備える。 |
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ケベッケヶ原で休憩 |
ケベッケヶ原を歩く |
ケベッケヶ原を歩く(M/K) |
吊橋を渡り一旦黒部川の源流奥の廊下に下り、そこから2時間ほどの登りだが、樹林帯の中の急登、大きな石と泥んことの闘い、悪戦苦戦の連続、ほんとにこの急登はしんどい。途中何度も休憩をとった。でそれを抜けきると道は穏やかになり木道となる。
雲上の楽園、雲ノ平に到着、真っ青な空、岩や大きな石がゴロゴロした天然の楽園、それが庭のように見える。やがて前方に水晶岳、鷲羽、右には黒部五郎岳、後ろには薬師と北アルプスの名山が自分の周りを取り囲む。アラスカ庭園で昼食。 |
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木道とニッコウキスゲ |
黒部川奥の廊下と薬師沢小屋 |
ハシゴで黒部川奥の廊下へ降りる(M/K) |
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キツイ雲ノ平への登り |
雲ノ平への登り(M/K) |
アラスカ庭園で昼食 |
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水晶岳 |
アラスカ庭園からの水晶岳 |
前方水晶岳(M/K) |
もう小屋まで1時間の距離、そんなに急ぐこともないので青空の下の景色をたっぷり堪能、花もじっくりと見て、途中何度も休み池塘がたくさん点在するギリシャ庭園の中にある雲ノ平山荘に着いたのでした。
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アルプス庭園で(M/K) |
前方は水晶岳、右横は雲ノ平山荘(M/K) |
疲れたなあ。 |
さあ、自由に探索ですよと言っても誰も小屋から出ず、夕食まで周りの景色を見ながらビールを飲むひとときでした。今思うと実にもったいない、ここまで来て。
この日も布団は一人一枚、夕食は大鍋の粕汁でした。 |
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雲ノ平山荘 |
夕食の粕汁 |
夕食風景 |
夕食後にはスライドショーがあり、三俣山荘、雲ノ平山荘、水晶小屋などの歴史を紹介していた。
外は満天の星空、松本方面にはカミナリの光が何度も見えた。
≪二日目に出逢えた花々≫
≪三日目 曇りのちガス≫
朝食後に曇り空の中を歩きだす。テント場の水場分岐で水補充のため大休憩。
水場やトイレまで片道7分くらいか。そこはまたスイス庭園でいろいろな花も楽しめる。 |
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朝食と朝食風景 |
雲ノ平山荘にて |
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笠ヶ岳 |
中央は雲ノ平山荘 |
スイス庭園で休憩(M/K) |
その後しばらく木道を通り、やがて祖父岳への登り、さらにワリモ北分岐へ登ってゆく。このころガスが多くなり雨具着用、水晶岳へ登ったり下ったりのトラバースルート、二度ほど雷鳥にも会ったが足が早くカメラには入らず。
大きな石がゴロゴロしているが、この道は意外に歩きやすい。 |
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前方に水晶岳 |
祖父岳への登り(M/K) |
雪渓を歩く |
水晶小屋への標識のところにザックを置き、空身で急登を歩く。
水晶小屋でトイレ休憩、そして一登りでほぼ平らな道、やがて岩峰を登りつめると水晶岳の山頂。 |
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槍が見えてきた |
祖父岳からの下り |
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水晶岳への登り(M/K) |
水晶小屋 |
二日半も歩いてようやくたどりついた狭い山頂、本来ならここから雲ノ平を中心に鷲羽、黒部五郎、薬師など圧巻の眺めを味わえる北アルプスの展望台なのだが深いガスのため眺望なし。でも北アルプスの最深部の山を登り切った満足感がみんなの顔に出ていた。
狭い岩場のため危険で集合写真は撮らなかったがみんな感激だったろう。また今回が100名山のちょうど100座目のTさんの顔の表情もさわやかだった。 |
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水晶岳山頂 |
水晶岳山頂で(M/K) |
水晶岳山頂のひととき |
暫し休憩ののちザックを置いた場所まで戻り昼食。
ワリモ北分岐まで戻る。そしてワリモ岳への登り、山頂は巻いたが、そこから急な登りがさらに続く、本日最後の頑張りで鷲羽岳の山頂に、ここでは山頂が広いので集合写真が撮れた。 |
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ワリモ岳への登り(M/K) |
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鷲羽山頂はもうすぐ(M/K) |
鷲羽岳山頂にて |
さあ、ここから一気に急な下りを降りると三俣山荘だ。ほぼまっすぐな急坂、途中からガスの向こうに三俣山荘が見えた。 |
そして15時30分、三俣山荘に着いた。この日の歩行時間は実に10時間弱だ。
この日も布団は一人一枚、夕食はシカのシチュウ、ジビエ料理だ。
Tさんの100名山完登の記念にビールで乾杯、夕食後も食堂でたまたま一緒になった会員のWさんも交えてビール雑談となったのでした。
夜、外に出てみると満天の星空、よし明日は晴れるぞと。 |
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下に三俣山荘を望む |
夕食 |
≪三日目に出逢えた花々≫
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≪四日目 晴れ。≫
朝食は弁当に変更、5時出発とする。朝の山荘前、ここからの槍、穂高の眺めは実にすばらしい。
おまけにこの日は青空、その絶景を見ながら三俣蓮華岳を登る。途中から巻道になるが、登りは変わらない。
登って登って、また登って。この日は新穂高まで下る予定なのだが、下る感じはまったくない。
でも振り返ると前の日に登った水晶と鷲羽、前には槍と穂高、足元には数知れないたくさんの高山植物、疲れなど出るはずもない。
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朝の槍ヶ岳(三俣山荘より) |
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鷲羽岳、左にワリモ岳、水晶岳、下は三俣山荘 |
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三俣山荘にて |
三俣蓮華への道(M/K) |
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朝日を浴びて |
三俣蓮華(M/K) |
中央は槍ヶ岳(M/K) |
やがてハイマツの中を大きく降りると双六小屋だ。
三俣山荘が標高2600Mで双六小屋が2550M、50Mしか高度を下げていない。 |
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雪渓を歩く |
ひたすら下る |
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下ったり登ったり(M/K) |
左から水晶、ワリモ、鷲羽 |
ハイマツ帯の中を歩く |
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双六小屋が見えてきた。 |
双六小屋 |
双六小屋(M/K) |
そこからまた登る。そして下ったりして眼下に鏡平小屋が見えてくる。
また急な下りを降りると鏡平小屋。ここで早めの昼食タイム、前日衛星電話で予約していたカレーやラーメンなどをゆっくりと食べて石のゴロゴロした道を進む。 |
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鷲羽岳、下は双六小屋 |
前方は穂高(M/K) |
槍ヶ岳 |
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花見平(M/K) |
加賀白山が左奥 |
登ったり下ったり |
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鏡平が見えてきた |
鏡平小屋(M/K) |
平小屋 |
このころには登って来る登山者とのすれ違いが多くなる。やがて道は川沿いに、相変わらず石のゴロゴロした道を進んで林道に出るとワサビ小屋は近い。
ワサビ小屋では冷たいジュースや牛乳を飲み、再び林道を一時間、新穂高ロープーウェーの乗り場に到着。この日も10時間の歩行時間。
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バスに乗り疲れた体を日帰り温泉に、そして新潟に帰ってきたのでした。
一人の遅れも、そしてトラブルもなく完全燃焼の重量級の山旅でした。さあ、今度は景色のいい水晶岳にいつ登りましょう。
あんなに悪天候の予想がいい天気の山旅だった。普段の行いのいいメンバーが揃うと天気の神様もちゃんと見てくれるものですね。
え、来週もアルプスに行く、鳳凰三山ですか。そんなメンバーが何人もいましたよ。楽山会の女性はすごい。 |
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わさび平小屋 |
≪三日目に出逢えた花々≫ |
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