≪紀行文≫ |
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〜〜〜360度の景色を満喫〜〜〜 |
簡単に登れるアルプスをと今年は仙丈ヶ岳を選んだ。
一泊二日の南アルプス、それも仙丈ヶ岳一座なので15名ほどの参加があればいいなあと思っていたら、いきなり初日に30通の応募があった。 でもその中に何度も一緒に山に登り、力のある3人がいたので、それならなんとか引率できるかと、念には念をと企画部に誰か同行可能なリーダーはいないかと問い合わせたが返事なし。
簡単なコースとはいえ場所は南アルプス、多くの会員を導くのは他の登山者にも迷惑だしトラブル発生の対処にも不安を感じた。
それで一般募集は初日で締切として中型バスに変更、その後2人のキャンセル、計画書発送後にも2人のキャンセルがあり私をいれて27名での会山行となった。
心配はころころ変わる天気予報、基本的には晴れだが、前線が日本海に停滞、突然中国地方に大雨、その後大分、福岡と大雨が続いた、その被害が大きく報道される中での山行となった。天気はあてにならない、さすれば行くのみ、行って大雨が降ったらごめんなさいと謝ればと、でも強運が続いている現在の状況に天気の神様はどのように対処してくれるのだろうか。
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≪7月17日≫
朝早く出たバスは予定通り戸台仙流荘前に着いた。前もって予約していた南アルプス林道バスに乗り換え北沢峠に。
高地に慣れるため1時間ほどの昼食タイムを取った。
さすが標高2000Mの高地、下界は真夏だというのに涼しい風が肌を刺す。
準備をしてシラビソの林の中を歩きだす。
ゆるやかな登り、この日は3連休の最後の日、多くの登山者とすれ違う。 |
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さあ、出発 |
シラビソの林の中を |
2合目からは少し急登になる。30分ごとに休憩を取り、5合目の大滝ノ頭に。ここで後続を待ち大休憩、ここからトラバースルート、馬ノ背を目指す。途中雪渓を渡ったり、川の渡渉などもあったが登山靴で問題なし。 |
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急登の中での休憩 |
大滝ノ頭 |
雪渓をトラバース |
時々振り返ると甲斐駒ケ岳の雄姿を望む。雲一つない青空に雄大に聳える男の山、でも今回は登らない。 |
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甲斐駒ケ岳 |
拡大 右が魔利支天 |
藪沢小屋 |
やがて前方に馬ノ背ヒッテが見えてくる。さあ、今日はあそこまでですよと、もう少し頑張ってと、「えっ、もう到着なの。」と誰も言わないのかと。
南アルプス林道バスが早く出発したおかげで小屋には早く着いた。
小屋の横の広場でみんなは甲斐駒ケ岳に見とれる。
部屋の準備ができ荷物の整理を済ませビールを飲みながら一時歓談、夕食は名物のカレー、今回は特大ソーセージのカレーだった。
我々27名は大部屋を貸切、他の宿泊者は10人くらいか、布団は一人1枚、充分なスペースを確保できた。夜中に小屋の外へ出てみたが満天の星空、明日が楽しみになる。 |
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沢の渡渉 |
馬ノ背ヒュッテ |
夕食 |
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≪7月18日≫
御来光が4時40分だというので、4時半前にはみんな小屋の外に。甲斐駒ケ岳から上がる太陽を見ようとカメラを向ける。残念ながら甲斐駒ケ岳には雲がかかって、でも朝焼けはなんとか見られた。
朝食後、小屋の外で集合写真、いきなりの急登を歩きだす。
仙丈小屋に近くなると藪沢カール、ここからはお花畑の連続、花を見たり後ろの景色を見たりと、ところが仙丈小屋に着くと一面はガスの中、下山してくる登山者に聞くと風とガスで登頂を諦めたと。それならガスが晴れるまで少し待とうと大休憩。 |
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御来光を待ちわびる |
朝焼け 左が甲斐駒ケ岳 |
朝食 |
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雪渓歩き |
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馬ノ背ヒュッテにて集合写真 |
仙丈小屋 |
しばらくするとガスが薄くなり、出発、風は強い感じはなかった。
大きな岩を乗り越え、山頂に到着。晴れればあの方向に富士山、北岳と説明するもガスで真白、集合写真も撮れず、すぐに下山。
まあ、山頂も踏んだし、星、花、山頂、それだけでなんとか満足でしょうと。ところが神様は我々をちゃんと見てくれていたのですね。
小仙丈ヶ岳に行く稜線上を歩いていると前に富士山がうっすら見えてきたのです。ガスはすっかり晴れて前方には鳳凰三山、そして北岳、間ノ岳と、少し広い場所で休憩を取り写真タイム、そして小仙丈ヶ岳の手前の広場で仙丈をバックに集合写真を、360度の景色を満喫したのでした。 |
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さあ、山頂に向けて |
仙丈ヶ岳山頂 |
ガスが晴れてきた。 |
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振り返ると仙丈ヶ岳 |
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北岳 |
小仙丈ヶ岳の手前の広場で仙丈をバックに集合写真 |
帰りはルンルン気分で急坂を下ります。
時間が充分あるので、景色をたっぷり堪能しながら、ハイマツの稜線からダケカンバの樹林帯に、そして大滝ノ頭からは昨日通った同じ道を、北沢峠にはみんな笑顔で戻ってきたのでした。
さあ、次は甲斐駒ケ岳ですか?「えっ、甲斐駒ケ岳は見るだけの山だって、がんばれば登れますよ。」
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小千丈への登り返し |
ハイマツ帯ももう終わり |
帰りのバスの中のテレビで前の晩からの大雨のことを初めて知った。
東京では大粒の雹(ヒョウ)が降ったと。福島、新潟の集中豪雨、特に私の住む町では避難指示、私の家の近くの避難所の様子も全国中継に出ていた。すると今日は家に帰れず、あの避難所に行くのかと。夜遅く避難所に着いたらどう言おう。日焼けした真っ黒い顔で、まさか山に行って来ましたなどと、けれど誰も仕事とは思わないだろうなあ。バスの中で現実に戻された瞬間でした。
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≪今回出逢えた花々≫ |
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