会山行紀行文
No−T49
グレード:D
2016年
 9月1日(木)
晴れ
塩の道プラス
しろ池・おててこ舞い見物
参加者 (紀行文) 2052 S/T 
36名 (俳句) 557 T/K
(男性10名・女性26名) (写真) 2051 S/T
≪コースタイム≫
新潟駅南口(6:10)=糸魚川IC=ゲート前(9:05-9:15)…しろ池の森駐車場(9:35-9:45)…しろ池・昼食(10:15-11:30)
…しろ池の森駐車場(11:50-11:55)…ゲート前(12:15-12:25)=おててこ会館(12:35-12:50)…日吉・おててこ舞い見物(13:30-15:30)
…おててこ会館(15:40-15:45)=糸魚川IC=新潟駅南口(18:50)
≪紀行文≫
〜〜〜秋の根知谷を歩く〜〜〜

 根知谷は、塩の道として古くから交通の要所でした。その根知谷にあるしろ池の周遊歩きと、山寺に古くから伝わる「延年」の見物を行いました。当初、戸倉山に登る予定でしたが、8月23日の大雨でしろ池の森駐車場手前に土砂崩れが起きたため、コースを変更して実施されました。
 9月1日は二百十日、お天気が心配されましたがさわやかな秋晴れに恵まれ元気よく出発。

 (俳句)道ふさぐ木の根は秋の出水あと   (俳句)野分後のうねり治まり海晴るる
通行止めのゲート  土砂越えは足元に注意!  舗装道路もなんのその 

 嫌〜な舗装道路の歩きですが、みんなで歩けばなんのその。雨飾山や駒ヶ岳の素晴らしい山容を眺めながら、
 根知谷を行く塩の道は早や秋模様。賑わっていた頃を偲ぶかのように、歩荷茶屋跡に咲くミソハギが愛おしい。
 鏡のように静かなしろ池を眺めながら、湖畔を一周。途中より足を延ばし、ブナ林の奥にある蛙池を訪ねる。
 しろ池や蛙池、今回は訪れなかったが角間池には「夫を殺された妻の大蛇の涙の跡」という話が伝えられている。
 散策後はしろ池に戻り、静かな湖畔で三々五々早めの昼食をとりました。

 (俳句)草の穂を踏みつつ古き道登る     (俳句)溝萩の紅ほつゝと池の辺に
 (俳句)水澄める池は大蛇の涙とか      (俳句)秋草の伸びし白池一巡り

 荒々しい山容の駒ヶ岳  古道は秋模様 ススキの穂も出そろい
静かな湖面 平和の鐘 歩荷茶屋跡
ハイポーズ! 池廻りに出発 何かいるかな?
ミソハギも咲き お腹も膨らんだかな お薄を一服

 午後は根知山寺に移動。「おててこ舞」の名で知られている国指定重要無形文化財「根知山寺の延年」を見物しました。
 延年は500年以上の歴史があるといわれており、稚児たちのあでやかな衣装と優美な舞いに、タイムスリップしたような一時を過ごすことができました。
 (俳句)鐘ひびき稚児練りの行く稲穂道      (俳句)肩車されしお稚児に秋暑し
 (俳句)山裾の宮走りをり秋神輿         (俳句)のし背負ふおててこ舞いに秋日差す
 (俳句)五才児の鏡の舞に西瓜上ぐ       (俳句)種を蒔く舞で今年も豊作と

祭りに備えて 祭りの開始はくるいの舞 稚児行列
幼子は肩車で 日吉神社に向かう祭り行列 神輿の競り合い
おててこ舞い  鏡の舞  花の舞 
鉾の舞 弓の舞 種蒔きの舞

≪おててこ舞(根知山寺の延年)≫
 おててこ舞は、根知地区山寺集落で古来から保存・伝承されている「根知山寺の延年」のことをいい、舞の中の有名な踊り「おててこ舞」が一般に祭りの総称として広く親しまれています。
 山寺の名の由来は、修験坊12ヶ寺がこの地に栄えたことからきているといわれ、現在はその一つ金蔵院(こんぞういん)のみが残っています。
 「延年」という名称は、「遐齢延年(かれいえんねん)」という言葉に由来し、「遐齢」は長寿のことを意味します。
 芸能によって心を和らげることが寿福増長につながるといったことから、「延年」とは奈良や京都の寺院で法会の後に行われた余興の歌舞遊宴の芸能を指します。
 「根知山寺の延年」は、県内に伝わる唯一の延年芸能であり、昭和55年1月28日に国の重要無形民俗文化財に指定されています。
 この山寺の延年は、風流(初期の歌舞伎踊)と稚児舞楽を中心に神楽・万才・獅子舞の類が加えられた計10曲で構成されています。
 舞の由来や起源は明らかではありませんが、歌詞の中に室町小歌に見られるような言葉や使い方があって、京都の流れを汲み、400〜500年前から伝わるものと考えられています。
 毎年9月1日の日吉神社の祭礼に奉納され、また、前日8月31日の夜には宵宮として9曲が奉納されるほか、夜店や盆踊りもあり、山里ならではの風情が感じられます。