会山行紀行文
No−T22
グレード:D
2016年
 5月2日(月)〜3日(火)
晴れ
塩の道パートD
千国コース

参加者 (紀行文) 2052 M/T 
21名 (俳句) 557 T/K
(男性4名・女性17名) (写真) 2051 S/T
≪コースタイム≫
≪5/2≫新潟駅南口(6:05)=糸魚川IC=糸魚川駅(8:35-8:50)…美山公園(10:55)…大野神社休憩所(12:20-12:55)…仁王堂公園(14:55)
      =わらび平山荘(16:10)
≪5/3≫宿発(8:00)=下里瀬(8:15-9:00)…千国諏訪神社(11:55-12:40)…栂池高原(15:00-15:15)=新潟駅南口(18:55)
≪紀行文≫
〜〜〜往時に思いをはせながら〜〜〜

 塩の道は、糸魚川市と松本市とを結ぶ約120キロの道で、「松本街道」「千国街道」とも呼ばれていました。
 荷を運ぶ「ボッカ」と呼ばれる運送業者や牛方が、塩や海産物などを背負子(しょいこ)や牛に積んで松本などに運びました。
 その塩の道の起点となる「糸魚川・塩の道起点まつり」と「小谷・塩の道まつり」に参加、往時に思いをはせながら歩きました。

≪5月2日≫
 ひすい王国館で行われた出発式に参加、ほら貝の響きに見送られ歩き始めました。
 廻船問屋や塩問屋のあった白馬通りや、塩の道ゆかりの史跡やお寺、そして起点となっている「糸魚川道路元標」を巡り、塩の取引で賑わっていた頃の糸魚川の街を思い描くことができました。

  (俳句)五月晴れ歩荷を追ひて出発す     (俳句)風薫るひすいロードは海までと
  (俳句)荷上げ場のありしは昔卯波立つ    (俳句)若葉して船頭茶屋と歩荷茶屋


さあ支度はできたかな! ここから始まる塩の道 昔は賑わっていた蒸気茶屋跡

 さっそく一番目のふるまい茶屋で、ウドにわらびの山菜にお漬物、ジュースにお酒までのおもてなしを受けました。

  (俳句)サービスに独活の和えもの塩の道    (俳句)牛つなぎ石二かかえつつじ寺
  (俳句)どうだんを背に村守る石仏群


大歓迎!お酒と山菜のおもてなし これが牛つなぎの石 解るかな?隠れキリスタン

 美山公園までは町中の歩き。日差しが強くコンクリートの道は堪えましたが、道中のお茶の接待に元気づけられました。
 やがて道は姫川右岸にある丘陵地帯の中に入り、さわやかな五月の風が歩を進めてくれました。
 昼食を予定していた大野のふるまい茶屋では、「男山」の樽酒が出迎えてくれました。
 名酒のおもてなしに、美味しい昼食をとることができました。
大きな原山地蔵 冷たいお茶でひとここち 小学生も塩の道の学習
あふれんばかりの新緑 名酒「男山」のお接待 一杯入り話が弾み

 午後はコースの中で、当時の面影が一番残っている中山峠越。
 国の史跡になっているウトウ(人、牛の往来により、道がU字に削られた場所)道が続きます。我々も歩荷の気持ちになって塩の道歩きを体験することができました。
 ガイドさんに残雪の雨飾山に残る、亀、竜神、佐渡おけさを踊る乙女の雪形を教えてもらいました。
 皆さん頑張って仁王堂まで歩き、新潟県側の塩の道を完歩することができました。


  (俳句)道標に「左しんしゅう」と著莪の道    (俳句)畑中に太筍の二本立つ
  (俳句)新緑の木洩れ日を踏むうとう道     (俳句)歩き終へ参る宮居の風涼し

左は「志ん志ゃう(しんしゅう) わるかな?雨飾山の雪形 国の史跡、ウトウ
往時を偲ぶウトウ歩き 行き倒れた旅人の墓 お疲れ様でした!

  
≪5月3日≫
 今日は「小谷・塩の道まつり」が行われる千国コース。千国番所があり、石仏や塩の道ゆかりの史跡が多く残っています。
 出発地点の下里瀬から栂池まで約9q、昔の旅姿をした中学生や地元の人と一緒に歩きました。
 事前に4,000人もの参加があると聞いていましたが、まさにその通り、街道は人の波、迷子にならないよう帽子にリボンをつけての出発でした。

  (俳句)子供等の歩荷姿や村若葉    (俳句)棚田跡すかんぽ高く低く伸び
  (俳句)三夜塔踊り子草の踊り咲く    (俳句)追分の橋新緑と白波と


受付は人の波 ぼくちゃんも参加です 出発式、エイエイ!ヤー!
山菜のてんぷらは100円の義援金 ニュージーランドから参加 渋滞で詰まっています
粋な股旅姿 春の陽を浴びて またまた渋滞の始まり

  (俳句)無縁仏わさび咲きゐる三夜坂    (俳句)庚申塔並び若葉の村果つる
  (俳句)若者の裸の飛脚追い追は


のどかな歩きです お茶のふるまいに感謝 小土山の石仏
田んぼに書かれた塩の道 ハイ、ポーズ! 大賑わいのお昼
中学生の歩荷姿 昔はこんな風に歩きました

 道中、地元の方のおもてなしや、芸能を楽しみ、ガイドさんの説明を受けながらゆっくりと本当にゆっくりと塩の道をたどることができました。

  (俳句)土倉(ひじくら)の清水一口息をつく    (俳句)あみ笠に篠笛流れ谷若葉
  (俳句)登り終へ牛方宿に夏炉燃ゆ


 栂池では祭囃子の歓迎をうけゴール、完歩賞のスタンプが記念になりました。

  (俳句)菜の花にゴールの太鼓間近なり    (俳句)完歩証おされて嬉し塩の道

番所は太鼓でお出迎え 千国番所 町長は代官様
通行手形を押してもらい 自前の衣装で〜す! 牛方宿の見学
 牛の草履に馬の草履  塩蔵の建物 完歩賞でヤッター! 

 このコースは全体に上り坂になっており、特に最後の親坂はきつく「お助けバスも」用意されていましたが、バスを利用する人もなく皆さん元気に歩き通すことができました。