≪コースタイム≫ 林道(廃道)入口(6:20)…林道(廃道)終点(7:30)…1091m峰(9:15-9:20)…914m峰(10:20)…笠倉山(11:30-11:50)…(昼食0:20)…914m峰(13:00)
…1091m峰(14:20-14:25) …林道(廃道)終点(15:40)…林道(廃道)入口(16:35) |
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≪紀行文≫ |
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阿賀町周辺で御神楽岳方面を見ると、御神楽岳の左手に尖ったとても目立つ山が目に入ります。笠倉山です。
笠倉山に登ったのは今回が2回目です。最初に登ったのは15〜16年前になります。御神楽岳の蝉ヶ平ルートから広谷川に入り、笠倉沢脇から尾根部を強引に這い上がりました。
笠倉山に行きたいという人達がいて、何年も前から一緒に行く約束をしていて、それがなかなか実現できずにいましたが、今回ようやく約束を果たしたものです。2年前に約束を果たすべく、計画実行しましたが、敗退していました。2年前の計画は1泊2日の行程で、阿賀町室谷から御神楽岳に登り、本名御神楽岳の管理舎で泊り、2日目に笠倉山を往復する計画でした。2日目の朝、目を覚ますと雨が降っていました。雨降りの藪の中の行動が、如何に大変で危険かは、全員が良く知っているメンバーです。速やかに荷物を纏めて室谷に引返しました。
それから2年後、改めてルートを変えて日帰りで計画しました。日帰りなら天気情報に柔軟に対応できます。泊山行に比べ日帰り山行は実施可能な確率がぐんと高まります。初めから日帰り山行で計画すれば良かったのでしょうが、そうしなかったのは、若干私にこだわりがあったからです。笠倉山は福島県境至近に位置していますが、まぎれもなく新潟の山です。地理的には無論のこと、感覚的にも新潟の山であることを主張するためには、登り口は新潟県からでなければならないというこだわりです。今回宗旨替えしたのは、初回は新潟県側から登っているのだから、私の中ではこだわりは終わっているということで、他のメンバーにはそんな偏屈は無いだろうから、まぁいいかということです。
計画にあたって一番気にしたことは、廃道になった林道はススキが埋め尽くしているので、広く平坦になっている林道の終点周辺では、暗くなるとルートを失ってしまう恐れがあるということです。計画の要諦は、明るいうちに林道の終点に戻らなければならないということ。そのことからタイムスケジュールは、空が明るくなると同時に出発し、暗くなる前に林道終点に戻るものでなければなりません。新潟を4:00出発とし、16:00までには確実に林道周辺に戻れるよう、前進限度は12:00に設定しました。
廃道となった林道の入口にほぼ予定通りの6:05に到着しました。ガスが掛っていたので、まだ薄暗い状態でしたが、出発の準備を整えている間に周囲は明るくなりました。
廃道となった林道は2m以上、背丈を優に超えるススキが埋め尽くしています。このススキの海を掻き分けて進むには、切られ与三郎になることも厭わない、ダニの2,3匹くらい付いても構わない覚悟が必要です。
林道の標高が上がると、ガスが下場になり、谷合には雲海となって広がっていました。
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廃道となり、ススキに埋め尽くされた林道 |
林道途中から、谷合に広がる雲海 |
林道終点、尾根への取り付き部 |
林道が終わると杉の尾根に取り付きます。林道終点至近では杉の尾根は広く、道形はほとんど見い出せません。林道終点から先に進むに従い尾根が収束し、尾根の形状が整い、道形も徐々にはっきりしてきます。
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林道終点至近の尾根 |
林道終点から少し先の尾根 |
進むに連れて尾根の形状がはっきりする |
植林された杉の尾根が終わると、尾根は尾根らしい形状になり、樹相は細い灌木が主体になります。周囲も開けてきて、尾根からの見晴らしも良くなります。
朝、一帯はガスに覆われていました。ガスの上は青空なので、標高が上がりガスの上に出るとガスは雲海になって谷合に広がっています。
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尾根の形状がはっきりし、灌木が主体になる |
尾根から雲海の谷 |
尾根から峰々の山肌、紅葉は最終段階 |
尾根の標高が上がるに従い、尾根の樹相は灌木から杉になり、次いで杉とブナの混合林、そしてブナになります。尾根の杉もブナも巨木が林立しています。
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杉の巨木が並ぶ尾根 |
杉とブナが混じっています |
尾根上にはブナの巨木が生えています |
今回歩いて来たルートは、本名御神楽岳に登る登山道で、10数年前まではきちんと整備され、多くの人が歩いていました。もちろん今は廃道となっている林道も終点までしっかり車で入れていました。しかし、本名御神楽岳の尾根が崩壊し、通ることが出来なくなると、登山道としての整備は行われなくなりました。
通る人がほとんどいなくなって久しく、かつての登山道は全体的に灌木の枝が張り出して歩きにくく、道形さえ分からなくなった部分もあります。林道は廃道となり、背の高いススキ(葦?)に埋め尽くされています。
笠倉山への分岐の1091m峰が近付くと、ようやく笠倉山や笠倉山に向かう尾根筋が見えてきます。また、笠倉山の反対方向に目を向けると本名御神楽岳が重量感のある大きな姿で見えています。
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分岐尾根近くから笠倉山 |
左、分岐の1091m峰と笠倉山に向かう尾根 |
左手に本名御神楽岳 |
笠倉山への分岐の峰(1091m峰)でゆっくり休息を取り、いよいよ笠倉山に向かってアタック・GOです。
まずは分岐の峰のすぐ隣の岩の峰を慎重に通過します。岩の峰を通過して振り返ると本名御神楽岳と御神楽岳が並んで見えます。本当は御神楽岳の方が圧倒的に大きいのですが、距離的に近い分本名御神楽岳が大きく見えています。
尾根の反対側(南側)には雲海の谷が広がっています。
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分岐の峰隣の岩の峰 |
左は本名御神楽岳、右は御神楽岳 |
尾根南側の雲海の谷 |
前方には笠倉山が頭を一つ突き出して見えています。尾根の灌木藪はすっかり葉が落ちているので、周囲が良く見え、歩くのも楽です。でも油断すると大事な顔、命の顔に傷を付けることになってしまいます。また、写真で見るよりも尾根が痩せているので、気を付けないと分けた枝に身体が谷に弾き出されそうになります。
914m峰は岩の峰です。914m峰周辺、特に914m峰の笠倉山側にはちょっとした難所があります。岩に登って超えることも出来ますが、ルートを探って巻いて通過するのが無難です。
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914m峰からの笠倉山 |
914m峰の岩場 |
914m峰隣の岩、右側(南側)を巻ける |
914m峰を超えて進むと広い斜面状の登りになります。結構斜度があり、あえぎながらの登りです。溜息をついて振り返ると、御神楽岳が大きく見えています。
斜面状の登りが終わると杉の巨木が生えた尾根になります。ここまでくれば笠倉山はもう間もなくです。時間的に見ても笠倉山到達は前進限度の12:00には十分間に合います。見通しが明るくなると俄然元気が出てきます。
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斜面上の登り、見掛けよりも急傾斜 |
ほっと一息振り返る、右が御神楽岳 |
杉の巨木が並ぶ尾根 |
笠倉山の山頂直下は、山の外観から分かるようにとても急です。歩幅を狭くし、ゆっくり一歩一歩、足をベタ足にし踏ん張っての登りになります。 登りきった所が山頂ですが、最高標高点に三角点はありません。三角点は最高標高点から北東に100m程進んだ個所にあります。
最高標高点も三角点のある個所も木々に囲まれていて、どちらも眺望は望めません。
分岐の峰から笠倉山間は往路よりも帰路の方が大変です。時間に余裕が無いので、早々に帰途に付きました。
(おわり)
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笠倉山山頂部(最高標高点部) |
三角点の場所 |
赤笠倉山の三角点 |
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