会山行紀行文 2016年
 4月16日(土)
晴れ
(みかぐらだけ)
御神楽岳
1387m
参加者 (紀行文) 1861 K/Y
単独
(男性1名) (写真) 1861 K/Y
≪コースタイム≫
林道途中の駐車場所(8:20)…室谷登山口(8:40)…最後の水場(10:40)…雨乞峰(12:15)…御神楽岳(12:30-13:00)
…雨乞峰(13:10)…最後の水場(13:55)…室谷登山口(15:30)…林道途中の駐車場所(16:20)
≪紀行文≫

 御神楽岳は好きで良く登る山です。さすがに夏は暑そうなので登りませんが、秋、暮れ、厳冬期、残雪期、新緑の頃、何回登ったか数えたことはありませんが、かなりの回数になると思います。
 秋は蝉ヶ平コースから登ります。紅葉は絶景です。その他の季節はたいてい室谷から登っています。
 厳冬期は室谷登山口に向かう林道は車の通行ができないことは当然ですが、雪崩の巣でもあるので、徒歩でも行ったという人は聞いたことがありません。
 私は雪崩の心配が無い大沼付近まで林道を歩いて行き、その先は林道から右手にそれて尾根を辿ります。尾根は標高750m付近で登山道のルートと合流します。
 粟ヶ岳や二王子岳に比べると御神楽岳の登山者は格段に少なくなります。
 蝉ヶ平コースは多少構えて登らなければなりませんが、一般登山者向きの室谷コースは、多少ぬかるむ箇所はありますが、ヒルはいませんし、傾斜も緩く気楽に登れます。
 登山者が多くなれば、たぶん私は登る頻度が少なくなくなると思いますが、もっと大勢の方々が楽しんでも良い山だよなぁ、と思います。

 とても穏やかな日でした。
 室谷登山口に向かう林道は、大沼から400m程先に雪が残っていてその先には行けませんでした。雪が残っている地点から200m程バックして、林道の道幅が広くなっている箇所に車を駐車しました。
 室谷登山口までの間に、雪が残っている箇所は3、4箇所ありました。でも例年に比べると残雪の量はかなり少なく感じます。
林道の残雪、車はここで戻り 林道の残雪

 室谷コースの登山道は登り始めからしばらくは沢沿いに進みます。途中で沢を渡渉すると、気持ちの良いブナの並木の中の道になります。
 登山道のすぐ脇には沢が流れています。沢は雪解けの水で水量が豊富です。沢の水音と鳥の鳴き声を聞きながらの歩きになります。
渡渉直後の登山道  登山道沿いの沢  ブナの並木道

 室谷コースには登山道がぬかるむ箇所が何カ所かあります。ブナの並木の中の道が急傾斜になると、最初のぬかるみ箇所があります。
 私は分かっているので、お天気続きの時でなければ長靴を履いて登っています。今は雪解けの時期なので、どんなにお天気が続こうとも、水が流れる個所や池になる箇所があるので、この日はもちろん長靴です。
 ただし、この時期は標高が上がると雪が覆っているので、ぬかるみ箇所はそう多くはありません。無雪期におけるぬかるみ箇所の最大の難関は雨乞峰と御神楽岳山頂部の鞍部です。ここは脇に逃げにくく、かつ道脇の笹の葉が泥だらけになっているので、スパッツやパンツに泥が付いてしまいます。
登山道に水が流れています 登山道に水溜りがあります 登山道がぬかるんでいます

 標高630m付近から登山道が雪に覆われました。ワラビ平はまだ一面の雪原です。御神楽岳の下部は顕著な尾根ではなく、斜面状で広いので雪に覆われると登山道のルートが分からなくなってしまいます。
 5月の連休後でもワラビ平は雪に覆われているので、ワラビ平まで来て引き返した足跡をよく見かけます。それって正解だと思います。登山道をあてにせず、地図と周囲の状況を見て自分でルートを決めれる力が無いと、雪がある時期の御神楽岳の下部においては、登りはまだしも下りは対応困難です。
 標高950m付近にあり“最後の水場”と呼ばれている沢は雪に埋まっています。でも水音が聞こえますので、雪の下の空洞を沢水が流れています。
標高630m付近、道は雪に覆われている ワラビ平の様子 最後の水場

 標高650mから上部は快適な雪の上の歩きになります。雪は堅く締まっていて、長靴のツボ足で沈みは2〜3p程度です。
 登山靴なら軽くキックステップを踏めば楽に登れるのでしょうが、長靴では雪面に靴先をうまく蹴り込めないので6本爪の軽アイゼンを付けて登りました。
 尾根上を振り返ると真正面に鍋倉山が見えます。2週間ほど前に鍋倉山に登りましたが、その時は、振り返ると御神楽岳がどーんと見えていました。
 鍋倉山の右手には真っ白い飯豊の山なみが見えます“♪♪〜雲に浮かぶは大日か〜♪”。写真は載せていませんが、鍋倉山の左手には矢筈、青里、粟など川内山塊の山々が広がっています。
 いくつかのピークを越えて雨乞峰に達すると、ようやく御神楽岳の山頂部が眼前に現れます。
尾根途中から鍋倉山 尾根途中から飯豊の山なみ 雨乞峰から御神楽岳山頂部

 雨乞峰を下って御神楽岳の山頂に向います。山頂の少し手前に小さな社があります。
 御神楽岳の山頂は厳冬期でも雪がほとんど付いていません。風が強くて雪は吹き飛ばされるのでしょうか。
雨乞峰を下って御神楽岳山頂へ 山頂下の社 御神楽岳山頂

 御神楽岳の山頂からは360°の展望が楽しめます。川内山塊、日尊の倉山、貉ヶ森山なども間近に展望できます。
本名御神楽岳   笠倉山 湯沢の頭 

 御神楽岳の山頂で食事をし、周囲の山々の景観を楽しみましたが、下りでも景観が楽しめます。
 加えて、締まった雪上の下りは快適です。標高800m付近まで一気に下りました。一帯は雪に覆われていて、木の芽は赤みを帯びて弛んできていますが、芽吹きはまだです。             
 雨乞峰の下りから川内山塊  下る尾根  標高800m付近の木の芽の様子

 標高500mほどの地点まで下るとキクザキイチゲが咲いていました。ここのイチゲの花は白が少なくて、ほとんど青紫です。
 そしてようやく芽吹きの色、薄い緑色が見え始めました。
 ゼンマイも出て来ています。今年初めて見ました。太くてけっこうなゼンマイです。  
 登山道脇のキクザキイチゲ 薄みどり、芽吹きの色が見えます   ゼンマイ、今年初めて見ました

 室谷登山口に戻った時刻が早かったので、林道歩きは周囲の景観を楽しみながらぶらぶら歩きました。
 林道脇を流れるセト沢両脇の斜面が淡いいろんな色に包まれていてとても穏やかで綺麗でした。
 セト沢の川床も綺麗な岩の感じなので、アブが居ないようなら夏場に遊びに来ようかなと思いました。
 帰宅の道すがら、御神楽岳が良く見える場所があったので、車から降りて写真をとりました。
                                                             (おわり)