会山行紀行文 2016年
 2.12(金)
晴れ
(ごずさん)(ひしがだけ)
五頭山・菱ヶ岳
913m   974m
参加者 (紀行文) 2216 S/K
単独行
(男性1名) (写真) 2216 S/K
≪コースタイム≫
自宅=駐車場(5:50)…どんぐりの森キャンプ場(6:10)…7合目長助清水(7:00)…三の峰(7:50)…一の峰(8:10−20)
…中ノ岳(9:20)…菱ケ岳(10:40-11:00)…中ノ岳(12:00)…一の峰(13:00)…三の峰(13:20)…7合目長助清水(13:50)
…どんぐりの森キャンプ場(14:20)…駐車場(14:35)=自宅
≪紀行文≫
〜〜〜冬の五頭山に魅了される〜〜〜

 今年最初の山行は「五頭山」。天気予報「晴れ」の日に、どんぐりの森から中ノ岳のピストンを計画。
 早朝、駐車場の雪はガチガチで最初から6本爪のアイゼンを装着、真っ暗な中ヘッドライトを点けて出発。
 昨日の祝日に多くの登山者が入ったらしく、シッカリしたトレースが残っていてありがたい。
 空が朝焼けに染まる七合目の長助清水は、樹に雪が積り冬らしい光景。
 高度が上がると夏道を外れ、低い樹木の上に積もった雪の上を歩く冬ルートになる。
長助清水後方の空が朝焼けに染まる 登山道にトレースがあって、ありがたい
三の峰の手前で眩しい朝日が顔を出す 二の峰手前の鞍部から菱ケ岳方面を望む

 冬ルートは障害物が少なく視野が広くなるため、景色がいつもより魅力度を増す。
 その景色を雪が白く染め魔法をかけたような別世界を作り出している。
 昇ったばかりの太陽の光線が雪面に当たって、その白さを際立たせる。
 眼下には白い新潟平野が広がり、一の峰から雪化粧した二の峰、三の峰、四の峰が一望できる。
 飯豊連峰は大きな存在感を示し、これから向かう中ノ岳とその先に見える菱ケ岳の頂が白く輝く。
 冬の絶景が「凄い!」の言葉を連発させる。
振り返えると白き新潟平野が大きく広がる 一の峰に立つと雪化粧した二、三、四の峰が一望できる
飯豊連峰が登場、やはり存在感がある これから目指す中ノ岳、菱ヶ岳の山頂が白く輝く

 中ノ岳へのルートにも確かなトレースがついている。これから出会う景色にワクワク感が止まらない。
 樹々に積もった雪が大きな塊となって、可哀そうなくらい枝を下へ押し曲げている、その様はまるで拷問か虐待。
 雪の重みに歯を食いしばって耐えている姿は感動的ですらある。
 冬の厳しさに耐え、春に芽吹き、夏に葉を茂らせ、秋に彩る。その生きざまを思うと尊敬の念さえ抱いてしまう。
 次々と現れる冬の景色に見惚れている内に目的地の中ノ岳に到着。しかし、この先の景色がもっと観たい。
 天気ヨシ!時間アリ!疲れは?体調は?「安心してください元気ですよ!」目的地を菱ケ岳に変更する。
これが虐待の証拠写真 雪の重さに耐え続ける樹々達の奥に菱ケ岳
中ノ岳から望む(左から)与平の頭、北峰、菱ケ岳 風でえぐられた斜面を登山者が行く

 菱ケ岳側から縦走してきた登山者の数は三人、なんとその内の二人が新潟楽山会の会員。
 今日の美しい五頭山を共有している会の仲間がいることが嬉しくて挨拶を交わす。
 与平の頭、北峰を越えて、菱ケ岳山頂に到着、今まで死角だった野須張方面の展望が開ける。
 白山、粟ケ岳、守門岳、矢筈岳、越後駒ケ岳、中ノ岳、御神楽岳、尾瀬燧ケ岳・・・
 2016年の山行に思いを巡らせながら景色を眺める。
手前が野須張、後方右から白山、粟ケ岳、守門岳、矢筈岳、越後駒ケ岳・・・
新潟平野を俯瞰、写真下部が菱ケ岳を降りるルート 菱ケ岳手前のピークと後方の飯豊の組み合わせが絵になる

 下山はピッケルなしで菱ケ岳の急坂を降りる自信がないため来た道を戻ることにする。
 距離は少し長くなるが、美しい景色を二度楽しめると思えば、同じルートも苦ではない。
 のんびり歩き、所々に積雪の表面が風で波状に固まったシュカブラ(雪紋)を見つけて足を止める。
 往路は逆光気味だった飯豊連峰が、復路では順光を受けて真っ白な峰の連なりを見せてくれる。
大きなカーブを描くシュカブラ シュカブラと北峰
空は気持ち良く晴れ渡る 吹き荒れた風が作ったシュカブラ 吹き通しの場所にできたシュカブラ
白さが際立つ飯豊連峰を背景に縦走路を行く(左後方は朝日連峰)

 今回の山行は、一番身近な山五頭山の新たな魅力を発見し、山登りの素晴らしさを改めて感じる山行となった。
 下山後、出湯のお湯で汗を流し、まだ解けきらない冬山の魔法の余韻に浸りながら帰路についた。