会山行紀行文
No−141
グレード:B緩
2016年
 12/9(金)〜10(土)
両日共晴れ
(くもとりやま)
雲取山

  2017m
参加者 (紀行文) 2070 S/F 
18名
(男性4名・女性14名) (写真)2070S/F 2216S/K
霧藻ヶ峰(1523m)・白岩山(1921m)・雲取山(2017m)・七つ石山(1757m)
≪コースタイム≫
≪12/9(金)≫晴れ
新潟駅南口(3:55)=三峰神社駐車場(9:10-9:20)…霧藻ヶ峰(10:55)…白岩山小屋跡(12:35-12:55)…白岩山(13:30)…大ダワ(14:15)
…雲取山荘(14:45)
≪12/10(土)≫晴れ
雲取山荘(6:45)…雲取山山頂(7:15-7:35)…七ツ石山(9:10-9:25)…堂所(10:20-10:30)…鴨沢(12:15)=のめこいの湯(12:35-13:20)
=新潟駅南口(19:15)
≪紀行文≫
〜〜〜大展望に魅せられながら大縦走〜〜〜

 幾度も通い慣れた山だが、三峰コースから登り山頂へ、そして鴨沢コースを下る、正に三峰から鴨沢までの南下大縦走の山歩きは今回が初めての経験となった。
 下見時には山荘のご主人から「12月は想定外の時間を要する場合があり、過去に多くのトラブル事例がある。日が暮れると大変危険なことになるので明るいうちに到着する計画を立て、遅くとも9:30には三峰を出発するように」とアドバイスを受け、新潟出発を1時間早めることにした。

≪12/9(金)≫晴れ「三峰口〜雲取山荘」
 まだまだ暗い新潟駅には早々にメンバーが集まり、予定より早く出発が出来たが、それでも途中の渋滞や道路工事を含めたロスタイムがあり、やや遅れて到着、何とか9時半までに出発できると安堵。

 山慣れたメンバーの手際よい準備を終え計画より20分遅れで出発。
 本来の登山より少し下がった“三峰千年の森”の石畳を登り、奥宮への鳥居で本来の道と合流する(この近道は紹介されていない)。
快晴の三峰神社駐車場で準備 朝日を受け“三峰千年の森”の中を進む この奥宮への鳥居をくぐり進む

 登山道はやや薄暗い常緑樹の森や、落ち葉が落ちて明るい落葉樹の森を抜けて進む。途中明るい広場に出るが、ここは昔炭焼き小屋があった場所らしい。
 その後、ジグザグに森を登っていくとやがて地蔵峠分岐路に到着する。標識を観れば迷うことは無い。
整備された樹林帯を進む  炭焼き平(窯や小屋跡が残っている) 地蔵峠(ここから登山らしくなってくる)

 地蔵峠から一登りすると、秩父宮様ご夫婦のレリーフが埋め込まれた岩場に着き、そこを巻くと霧藻ヶ峰の山頂となる。
 北西側に開けた展望からは両神山が望める。
秩父宮様のレリーフ 霧藻ヶ峰と展望から望める両神山

 霧藻ヶ峰から一旦“お清平”迄下り、そこから、前白岩の肩に騙されながら前白岩山まで約300mの急坂を登っていく。
 木の根、岩などが続き歩き辛い。
 漸く前白岩山迄上がり一息、昼食はこの先の白岩小屋跡下る。
お清平 狭く急で歩き辛登りが続く やっと前白岩山

 メンバーから「また下るの!」と悲鳴なのか苦情なのかを聴きながら、前白岩を一旦下り、白岩山への登りに取りつく、
 急坂をあえぎながら登っていくと朽ちた白岩小屋が目に入る。廃墟化したこの小屋が“昭文社の地図”に未だ掲載されていることに驚く。
 小屋脇の陽当たりの良い場所を選んで昼食となった。日差しは暖かいのだが、何せ風が強く冷たく、カップ麺やコーヒーがすぐ冷めてしまう。

 膨らんだお腹が登りの苦しさに拍車をかけてくるが、登り切ると白岩山山頂。
 周りを木々で覆われているが広い山頂で、しばし休憩、集合写真の後、山頂を後にした。
白岩小屋の傍で昼食(寒い!)
白岩山山頂で集合写真に収まる

 「えっ!!また下り」との悲鳴を聞き流しながら、白岩山を下って行くと、“芋の木ドッケ”という鞍部に降りる。
 ここからが、難所で「アイゼンを持たない人は戻れ」と書いてある。
 幸いかな積雪も氷もなく難なく通過することが出来た。結果ここでロスタイムを全て吸収することが出来た(安堵)。
芋の木ドッケ  冬場はとても危ない箇所  無事通過し安堵の休憩

 無事通過した後は、このコースにしては数少ない平行移動的な登山道をスムーズに進み“大ダワ”到着。
 ここからは男坂と女坂の選択だが、登山道の安全を確信したため迷わなく男坂を選択し、急坂を僅か登るとテントサイトがあり、その先の今夜お世話になる雲取山荘に到着した。計画時間の15分前だった。  

 早く到着することが出来たので炬燵に足を入れ長めの談笑会が続いた。今夜は我々以外は数人でゆっくりと夕食を頂くことが出来た。

 夕食後外に出てみると都心の夜景がとても綺麗だったが、カメラにはうまく収めることは出来なかった(参考:右写真) 
大ダワで最後の休憩 明るいうちに雲取山荘に到着 山荘の夕食風景
 
≪12/10(土)≫晴れ 「雲取山荘〜雲取山頂〜鴨沢 」

 昨夜の睡眠が早かったせいか、まだ暗いうちに目が覚めた。徐々に赤く染まっていく空を観ながら「ご来光は大丈夫」と確信。
 朝食後、集合時間よりも早く準備を整え揃ったメンバーはご来光待ち。眩い一光に歓声を上げ、しばらくご来光を楽しんだ。
夜明け間近の雲取山荘(2216S/Kさん) ご来光を観ることが出来ました

 ご来光を楽しんだ後、山荘前での集合写真をとり出発。
 振り返ると、昨日歩いた白岩山を中心とした山並みが陽を受け赤く染まっていた。
 山荘から山頂は僅か30分程度だが、寝起きの急登で皆さんきつかったようだ。
赤く染まった山荘と白岩山を背に出発 
出発前に山荘玄関で集合写真  朝一の急登りは堪える

 たどり着いた山頂には美しい富士が待っていた。しかし、山梨側からの雲の流れが速く、シャッターチャンス難しい。
 それでもメンバー休憩を忘れてカメラを構えていた。
雲取山山頂に到着「富士山だ!」
富士が朝陽を浴びて美しい 雲取山山頂で集合写真

 素晴らしい展望の山頂であっても、時間は待ってくれず、後ろ髪をひかれつつ下山。
 稜線歩きに入っても常に右手に富士が見え続け、しばし立ち止まっての撮影となった。
 また、遠く南アルプスの冠雪した山々が美しく輝いて観えた。やはり遠望を楽しむならこの季節と今更に思う。
名残惜しいが下山開始 まぶしい朝陽受けながら稜線を下る(右手に富士を観ながら) 2216S/Kさん提供
富士を観ながらの稜線歩きはしばし足が止まる 2216S/Kさん提供
遠く冠雪した南アルプスを望む

 美しい稜線歩きは続き、小雲取山での休憩も時間オーバーとなったが、この景色では多少の時間ロスは仕方ないと思った。

 更に足を進める七つ石の分岐路に差し掛かり、メンバーに対してここまで低い気温の為に厚着をしていたが、この先急登に入る為一脱いが良いとアドバイス。

 メンバーがお色直しをしていると、林の中から鹿が近寄ってきた。
 我々を見ても驚くことも無く、あわてることも無く、しばらく対峙して静かに立ち去った。
小雲取山からの下山路も富士が見え続ける 2216S/Kさん提供 七つ石山への登り口 2216S/Kさん提供

  九十九折の急登を登り切り振り返ると、今日歩いてきた雲取山頂からの稜線がよく観えた。
 山頂での展望を楽しみ、いよいよ鴨沢までの長い下りが始まる。
七つ石山頂から振り返り見る稜線と雲取山
七つ石山を後に下山 七つ石山山頂にて集合写真 

 鴨沢までは全般的に良い登山道なのだが、とこどころ狭いヘツリのような場所もあり、土曜日の今日は上がってくる登山者待ちでしばしば動きが止まることが多かった。
 休憩も堂所付近の広場で取ることが出来た。堂所を過ぎてからは植林帯の極めて緩やかな下りが延々と続く。
土曜日で多くの登山者とすれ違う 堂所付近の広場で休憩 この様な登山道が延々と続く

 とても長く感じた樹林帯の道も、小袖乗越付近で一旦舗装された道に出て、登山が終わったと思ってします。
 しかし、間もなく再度登山道に入り鴨沢を目指す。ここからも20分以上歩くのだが、鴨沢地区の舗装路に入ってからの傾斜のある舗装路がやけに疲れた感じにさせられてしまう。  
小袖乗越付近の林道に一旦降りる  再び登山に入り鴨沢を目指す 漸く鴨沢地区に到着、バス停まで後僅か

 鴨沢バス停近くに待つバスに乗り、日帰り温泉“のめこいの湯”で汗と疲れを流し、新潟へ帰路についた。
 上越国境のトンネルを越えたとたんに猛吹雪、事故や除雪車の影響でロスが発生するも新潟駅には僅か15分程度の遅れで戻ることが出来た。 
 この山行をもって、自身が担当する今年最後となった。
 この一年間10コースを担当させて頂いたが、天候とメンバーに恵まれ素晴らしい一年であったと感謝する次第です。