会山行紀行文
No−131
グレード:B上
2016年
 11/5(土)〜6(日)
快晴   雨
(うみたにさんかい)
海谷山塊縦走

  1631m(鋸岳)
参加者 (紀行文) 2216 S/K 
19名
(男性7名・女性12名) (写真)2216S/K 2131Y/S
駒ヶ岳(1498m) 鬼ヶ面山(1591m) 鋸岳(1631m)
≪コースタイム≫
@1日目
ござれや橋(3:30)=(関越道)(北陸道)=糸魚川IC=駒ヶ岳登山口(7:45)…バンド(9:15-9:20)…すくみのテラス(9:30-9:40)
…駒ヶ岳(10:15-10:30)…鬼ヶ面山 (12:30-13:00)…鋸岳(15:05-15:20)…山荘への分岐(16:15-16:25)…登山口、雨飾山荘(18:00)
B 2日目(明星山1188mは中止)
雨飾山荘(8:00)=高浪ノ池=明星山登山口=小滝川ヒスイ峡展望台=フォッサマグナミュージアム=マリンドーム能生=ござれや橋(16:20)
≪紀行文≫
〜〜〜難所が続く縦走路を全員が踏破〜〜〜

◆1日目
 ござれや橋から栄IC間で参加者19名をピックアップしたバスは糸魚川ICへ。
 天気は雲一つない快晴、バスの窓から目に入る焼山、雨飾山、明星山に気分も高揚する。
 昨年下見をしているリーダーのナビでバスは大神堂側の登山口付近へ。

 ここから駒ヶ岳、鬼ヶ面山、鋸岳と三つの頂を縦走し、宿の有る雨飾温泉へ下る。
 少し残った紅葉と北アルプスの山並みに励まされながら高度を上げ、切り立った大岩壁の真下に出る。
標高470mまでバスで移動 降車場所から10分で登山口へ 残った紅葉が目を楽しませてくれる

 しばらく岩壁に沿って歩き、下がえぐられたような「バンド(※)」で小休止。
 ※バンド:山岳用語集によれば岩壁の中段にある平らな所、ある程度の幅があり、横に長く続いているもの

 続いて足がすくむほど高度感のある展望台「すくみのテラス」で西側の大パノラマを楽しむ。
 雪で白くなった北アルプス後立山連峰が実に美しい、明日登る明星山もハッキリ見ることが出来る。
高い大岩壁を下から見上げる 岩壁の下がえぐれたバンドで休憩
 すくみのテラスに立って、大きな展望を楽しむ  駒ヶ岳の山頂へ岩壁沿いに進む
テラスの展望@小蓮華A白馬B雪倉C朝日Dツガミ新道E黒姫山F戸倉山G明星山

 斜度を増した登山道を登ると、なんと積雪!今シーズン初の雪道を歩いて最初の頂「駒ヶ岳」へ。
 大きく展望が開け、姿を隠していた焼山、火打山が登場し、景色抜群!気分爽快!今までの疲れが吹き飛ぶ。

 これから目指す二つの頂「鬼ヶ面山」と「鋸岳」も見て取れる。
 しかし、この先から岩場、鎖場、へつり、梯子の難所が次々に現れ、行く手を阻むことになる。
雪を踏みながら山頂へ 駒ヶ岳の山頂@焼山A雨飾山B鋸岳C鬼ヶ面山
これから向かう鬼ヶ面山 最大の難所、手に力が入る 最大の難所を振り返る

 中でも駒ヶ岳南端からの下りは難所中の難所、手がかり足がかりの少ない垂直の岩場を降下する。
 リーダーから「絶対ロープを放すなよ!」と大声が飛ぶ、距離は短いが正直怖さを感じた。

 鬼ヶ面山へ向かう斜面で金沢から来た男女二人を追い越す、聞けば想定外の雪で撤退しようか迷っていたとのこと。
 二人は高齢者登山隊の雄姿に励まされたのか、鬼ヶ面山まで私たちの後に続き、その後は先に鋸岳へ歩を進めて行った。
 二人とは宿の雨飾山荘で再会し「おかげ様で縦走できました」と感謝の言葉をいただく。

 行程でLLを務めたN/Nさんは、とても屈強なLL(私は彼を「藪こぎターザン」と命名した)で、メンバーに対するその的確で献身的なサポートぶりに感銘を受ける。
鬼ヶ面山の展望@歩いてきた駒ヶ岳A阿弥陀山B鉢山C昼闇山D焼山
同上@焼山A金山B雨飾山Cこれから向かう鋸岳
ロープで雪の残る斜面を下る 滑る落ち葉に気が抜けない お土産は袋一杯のキノコ

  突然ではありますが、ここで私が選んだ「山行中の難所ランキングBest4」を発表します。
   第4位:鋸岳手前の20m梯子の登り(下を見てはイケナイ、見たら上にイケナイ)
   第3位:梯子上部の急斜面の登り(一難去ってまた一難、雪で滑る急登、頼りになるのは自分とザイル)

   第2位:鋸岳の尾根からの岩場の下り(ザイルが無いとくだれない、緊張でくだらないギャグなど出ない)
   第1位:駒ヶ岳南端からの下り(「絶対ロープを放すなよ!」は本日の名言大賞)
ランキング第4位:垂直梯子 ランキング第3位:滑る急斜面 雪の斜面を登る、後方は雨飾山
最後の頂、鋸岳を目指してメンバーが尾根を進む
鋸岳山頂に到着 山頂に立つメンバー ランキング第2位:岩場の下り

 ランキング外の難所も多数あり、そこを19人が一人ずつ通過するため、停滞によるロス時間がドンドン溜まる。
 加えてアップダウンの繰り返しと、雪と落ち葉で滑り易い斜面にスピードが上がらない。
 そんなこんなで大幅に時間を費やし、雨飾山荘への分岐点を下り始めた時には太陽が西に傾いていた。

 途中で陽が沈み、苔と濡れた岩で滑りやすい登山道をヘッドライトの灯りを頼りに下る。
 リーダーから「急がなくていいよ」の声が飛ぶ。
 「ここに穴があります」「この石滑ります」と互いに声を掛け合いながら慎重に歩を進める。
下って来た鋸岳を振り返る 陽が傾く中、雨飾山荘へ 夕日を浴びて紅葉が輝く

 雨飾山荘のご主人が登山道の終点まで来て、車のライトで道を照らしながら出迎えてくれる。
 山荘に到着、まずはお風呂で10時間半に及んだ山行の汗を流す、男性は露天風呂「都忘れの湯」で満天の星を観ながら疲れを癒す。
 夕食は厳しいコースを無事に踏破した喜びが弾けたような乾杯で始まり、おいしい料理を楽しくいただく。
ライトを点け慎重に足を運ぶ みなさんお疲れ様でした「乾杯!」(2131)

 ◎数人の方に山行の感想を伺う
   Aさん:へつり、斜面が多く、滑らないように下ばかり見ていて、景色を楽しむ余裕がなかった
   Bさん:大満足、明日はもう登らなくても良い
   Cさん:次々に現れる難所で気持ちが引き締まり、飽きることなく歩くことが出来た
   Dさん:会のメンバーと一緒だったおかげで、歩き通すことができた
   Eさん:厳しいルートだった分、喜びも大きい
   Fさん:もう二度と来ることはないでしょう

◆2日目
 夜明け前から雨が屋根を叩き、予定していた明星山は中止。
 朝食後、高浪ノ池に向かうバスの中はワイン、日本酒、おつまみが次々に回って来て、まるで慰安旅行。
 明星山の登山口に立ち寄り、小滝川ヒスイ峡展望台では聳え立つ岩山を仰ぎ見ながら「来年は登りたい」の声。
 その後、フォッサマグナミュージアムを見学、マリンドーム能生で昼食を取って、新潟への帰路についた。
雨飾山荘「都忘れの湯」の前で記念撮影 明星山の岩壁を見上げる、来年こそは?