≪紀行文≫ |
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〜〜〜北アルプスで残された数少ない秘境を歩く〜〜〜 |
風吹大池は白馬登山をするときに地図の片隅に見たレベルで、同じ大池でも有名な白馬大池の陰に隠れたような存在だった。
会山行案内で改めてガイドブックを観ると“北アルプスで残された数少ない秘境の地”と書かれていた。
≪9月15日(木)≫
超満員のマイクロバス(マイクロバスしか入れないので)が定刻よりやや早く新潟を出発。
北陸道を南下し糸魚川ICから国道148号線を白馬に向かって走り、“道の駅小谷”の手前から集落を経て土沢登山口に向かう。
その殆どは未舗装の極めて狭い林道で乗用車なら腹を擦りそうな悪路。
それでも予定よりやや早く登山口(藤三郎駐車場)に到着し登山準備。
登山口から自然林が美しい結構急な登山道を歩く。風が無いのでやや蒸し暑い。 |
今回歩いた道(クリックで拡大) |
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土沢登山口(藤三郎駐車場) |
登山開始 |
綺麗な樹林帯を登る(結構な急坂) |
やがて両サイドが切れる痩せ尾根(狐戻り)に差し掛かると硫黄のにおいが漂う、切れ落ちた眼下を望むと硫黄で真っ白になった滝や沢が観える。この沢は温泉沢(クセエ沢とも言う)で、よく見ると丸く掘った人工的な風呂らしきものが観えるが…。(どのようにして降りるのか?)
痩せ尾根が片方だけ切れ落ちるようになり、梯子を上ると徐々に歩きやすい道となる。 |
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狐戻りから見下ろす温泉沢(クセエ沢) |
切れ落ちた痩せ尾根が続く |
痩せ尾根にある梯子 |
急緩、織り交ぜた坂道を休憩を挟みながら登っていくが、登山道には大池までの距離を11分割した表示や残りkm数を記載した標柱があり、励みになる。その標柱が残り1kmを過ぎると緩やかな傾斜が主体となってくる。 |
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道は広くなるが勾配が急になってくる |
登山口から大池までを11分割で表示 |
ここまで来ると緩やかな傾斜になる |
メンバー「ガンバレあと1km切ったぞ!、11分の9だぞ!」等と声を掛け合いながら登っていくとやがて、こじんまりとした個性的な風吹山荘の赤い屋根が観える。
山荘に到着し、小屋の前にある綺麗なテントサイトで昼食休憩となった。
休憩中に山小屋のご主人が戻ってこられ、風吹大池周回のアドバイスを頂き、時計回りとした。 |
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風吹山荘到着 |
小屋の前にあるテントサイトで昼食 |
風吹大池周回(時計回り)に出発 |
山荘からすぐに風吹大池全容が観える場所を通過するが今年は極めて水量が少ない。
大池から、蓮華方面の急坂を登り切ると草紅葉が美しい天狗原に出る。天狗原分岐を右にとり進むと大池や風吹岳、山荘を鳥瞰出来るポイントが幾つかある。風が無いので湖面に周辺の景色が鏡のように写っていた。 |
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風吹大池(水がとても少ない) |
風吹天狗原(草紅葉が美しい) |
天狗原からの鳥瞰(大池、右に山荘が) |
科鉢池を樹林越しに臨みながら大池の北端に降り、さらに進むと神の田圃を示す道標、地図には道はないが木道が敷かれており、時間もあることから進んでみた。
大小の地塘や“神の田圃”と呼ばれる湿原の中ほどまで進み、草紅葉を楽しんだのち折り返し、大池の東岸側を進み、風吹岳を目指した。
途中、少し立ち寄った小敷池は静寂そのものだった。 |
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神の田圃に向かう |
神の田圃 |
静寂の小敷池 |
樹林帯の中にある風吹岳への分岐を左にとり、やがて急坂を一登りすると東屋が建つ風吹岳山頂に出る。残念ながら展望はない。
下山し再び湖畔の道を南に進むと この周回コースも終わりに近づきやがて山荘が観えてくる。 |
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大池の周回も終わりました |
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風吹岳山頂にて(2148 H/Hさん提供) |
山荘が観えてきました |
山荘に到着するとリーダーの手際よい部屋割り指示で一先ず各部屋で着替えや荷物整理をして、一回の食堂兼談話室に集合。
夕食を挟み就寝までメンバー同士の談笑会となった。
就寝前に外に出てみたら霧でやや霞むも満月「今日は十五夜、中秋の名月だ」とカメラを向けた。 |
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暮れ行く風吹大池 |
山荘では暖かいストーブを囲んで |
山荘の上には中秋の名月“満月”が |
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≪9月16日(金)≫
昨夜は寝るのが早かったので何度も目が覚めてしまった。
未だ辺りが暗かったが、眠れそうもなかったので談話室でお湯を頂きホットコーヒーを飲みながら山の本を読んでいた。
朝食後、山荘の前で記念写真、山荘のご主人も入ってもらった。
登山準備を済ませ、元気なご主人の見送りを受けて出発となった。 |
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早朝、モーニングコーヒーで目覚め |
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出発準備 |
出発前、山荘入口で集合写真(山荘ご主人も一緒に、後列左から三人目) |
風吹天狗原までは昨日と同じ道を進み、天狗原の分岐点からは草紅葉を楽しみながら蓮華温泉方面に向かう。
樹林帯に入り間もなく蓮華温泉と白馬大池との分岐点に、我々は白馬大池方面に進む。 |
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大池畔からいきなりの急登り |
風吹天狗原分岐から蓮華温泉方面へ |
蓮華温泉分岐を白馬大池方面へ |
この分岐からは、変化に富んだ山歩きとなるが、樹林帯に建つ道標が熊にかじられた跡が生々しく、リーダーが鈴を鳴らす。
天狗原までは小さな地塘や湿地があるためか、水芭蕉はじめとする様々な花々の群生が感じ取ることが出来る。(初夏も良いかも)
また開けた尾根部分からは妙高連山や飯綱山等が雲海の向こうに望めた。 |
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開けた稜線では山座同定 |
熊にかじられた道標 |
小さな地等も点在 |
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稜線から望めた山々(火打岳、妙高山方面) |
飯綱山も望めました |
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今回の最高点が天狗原の為、基本的には登りとなるが、結構アップダウンが続くので風吹天狗原からどれだけ登ったのか下ったのか分からなくなってくる。 |
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急な登り |
水芭蕉ロード |
小さな梯子場も |
やがて前方に天狗平の一端が観えてくると天狗原分岐まで後1km。
しかし、この付近からの木道はかなり荒れている。登山者が少ないのだろう(今回も出逢ったのは2日間でたった一人)。
壊れた木道に注意を払いながら住むと、ようやく白馬大池との分岐点に着く。 |
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天狗原が観えてきました |
歩き辛い木道 |
漸く天狗原の白馬大池分岐に到着 |
分岐点からは急に木道が整備され歩きやすくなり、その分多くの登山者とすれ違うようになる。すれ違う登山者はほぼ全員白馬大池方面に向かっており、声をかけた中に風吹大池に向かう人は皆無だった。
白馬乗鞍の斜面を背に天狗原を進むと大きな休憩ポイントがあり、ここで大休憩と記念写真と撮った。 |
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天狗原を歩く(後方は白馬乗鞍) |
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天狗原の休憩ポイント(後方は白馬乗鞍) |
天狗原で集合写真 |
天狗原から栂池自然園まではひたすら下り続ける。特に最初の内は大きな石があり歩き辛い。
銀冷水で喉を潤し、下って行くと眼下に栂池自然園とビジターセンターの屋根が観えてくる。
ようやく今回の山歩きが終わり、栂池ロープウエイ、ゴンドラを乗り継ぎバスが待つ栂池高原に着いた。
途中雲が一瞬切れ白馬三山が観えたが、頑張ったメンバーへのご褒美かもしれない。 |
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天狗原から一気に下ります |
栂池ビジターセンタが観えてきました |
栂池ロープウエーから望む白馬三山 |
栂池からバスに乗り、道の駅小谷に併設された日帰り温泉入浴とレストランで昼食を摂り、新潟への帰路についた。
二日間頑張ったリーダー、メンバーに感謝感謝の山行だった。
≪出逢えた秋を感じる花々や実≫ |
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