会山行紀行文
No−085
グレード:B
2016年
 8/10(水)〜11(木)
両日ともに晴れ
(ごりゅうだけ)(からまつだけ)
五竜岳
・唐松岳

  2814m
 2696m
参加者 (紀行文) 2070 S/F 
24名
(男性10名・女性24名) (写真) 2070 S/F
≪コースタイム≫(初日:6時間50分・二日目:8時間10分)
≪8月10日≫新潟駅南口(4:10)=白馬八方(7:40)≒第一ケルン(8:25)…唐松山荘(11:40-(唐松岳)−12:40)…五竜山荘(15:15 泊)
≪8月11日≫五竜山荘(3:35)…五竜岳(4:50-5:15)…五竜山荘(6:30-7:10)…遠見尾根…アルプス平(11:45)≒五竜とうみ(12:15)=十郎の湯(12:30-13:20)=新潟駅南口(17:00)
≪紀行文≫
〜〜〜全てに満足と感謝の山歩き〜〜〜
≪8月10日≫
 昨年、一昨年と計画はするも悪天候で中止を余儀なくされたが、3度目の正直と計画をし、多くの参加希望の申し込みも頂く。
 しかし、直前まで台風の影響とやらで気をもむも崩れる心配がない天気となった。

 早朝4時にも関わらず、ほぼ定刻に新潟駅を出発し、糸魚川IC経由で登山口につながる八方尾根のゴンドラ乗り場に予定より早く到着。

 直ぐにゴンドラ、リフト2基を乗り継ぎ、登山口のある八方池山荘に向かった。

 ゴンドラでは遠望を楽しみ、リフトでは夏用に低い高さで走行しているため、夏草が足に絡むほどだった。

 最終降り口の八方池山荘前(第一ケルン)で、ストレッチやトイレを含む登山準備をし、唐松山荘を目指して登山を開始した。
歩いたコース(クリックで拡大)
夏の高山植物が足に触れるリフト リフト上から望む白馬岳 八方池山荘の前で登山準備

 八方尾根を使うコースは、第一ケルンからいきなり尾根筋を歩くコースと、第二ケルンあたりまで木道を中心としたコースがある。
 我々は先が長いので無理をせず後者のコースを選択した。
 第二ケルンからは、白馬三山が良く見えるようになり、やがて多くのハイカーで賑わう八方池(第三ケルン)に到着。
 このころはガスが沸き上がり、池に写る白馬三山は叶わなかった。
高山植物を楽しみながら 白馬三山が観えたり隠れたり 八方池では三山が隠れた

  第三ケルンを過ぎるとしばらくは低木の樹林帯を歩くが、やがて木々もなくなり大きく展望が開ける。
 行く手左側の雲が切れると明日の登る五竜岳が忽然と現れ、その威厳ある山容に足を止め見入った。
 休憩ポイントにと予定していた扇沢では殆ど雪がなく、岩に照り返す太陽の暑さもあり休まず通過した。
稜線から観えた明日登る“五竜岳”や後方に鹿島槍が望めた 扇沢雪渓は極端に小雪だった

 扇沢からの急登を上がり切ると丸山ケルンに出る。ここからの展望も素晴らしくしばし休憩。

 丸山ケルンからは開けた尾根を登り、途中トラバース気味に取り付けられた木の橋を渡り、しばらく進むと唐松山荘が観えてきた。
丸山ケルンで大展望を楽しむ 頑張れ!、もう少しで唐松山荘 唐松山荘が観えてきた

 唐松山荘で約一時間の昼食休憩をとるも、体力に余裕のあるメンバーは山荘の目の前にそそり立つ唐松岳登頂に挑んだ。  
 言うまでもないが、唐松岳山頂からの展望も剱岳を含め360度で言うこと無し、素晴らしい。
唐松山荘の前で昼食(後方は牛首の難所) 昼食後唐松岳をピストン 唐松岳に登頂したメンバーで(後方は剱岳)

 唐松山荘での昼食休憩を終え、いよいよ初日最難関の大黒岳“牛首越”に向かった。
 もちろんストックは使えないので全員リュックにくくりつける。
 ここは、とにかく鎖や梯子が殆どないと言える位、自身の手足を駆使して歩かなくてはならない。
 メンバーからは「スリル満点ですね」との声も聞こえてくるが、カメラを向けると余裕のポーズをとる女性メンバーも居た。   
牛首(大黒岳)の難所が約1時間続くも、余裕を見せる女性メンバー

 ようやく難所を通過し、ストックをリュックから外すための休憩。振り返ると今越えてきた大黒岳、その後ろに唐松岳が望めた
 ここからは単調で緩やかながら結構疲れる尾根歩きが白岳山頂直下の分岐点まで続く。
 分岐点を通過すると眼下に今日のゴール点、赤い屋根の五竜山荘が観えてくる。
 山荘では入館手続きに時間が掛かるも、全員が寝床を確保。
 食堂で冷えたビールで乾杯し今日の無事を称え合った。
 夕食後、外に出て毛勝山付近に沈み行く夕日を飽きることなく眺め、あとは明日早朝行動を控えているため早めに就寝となった。
難所を終え、ほっと一息(後方が大黒岳) 白岳を過ぎるとやっと五竜山荘が観えてくる 五竜山荘からの夕焼け(後方は毛勝山)
 ≪8月11日≫
 早朝3時半、空には満点の星空のもと山荘前に集合。しかし、風が強くとても寒い。
 何せ暗い中での集合、顔がよくわからないので声を出し合い員数確認を慎重に行い出発。
 
 30分ほど歩くと岩壁地帯に入り、慎重に岩をグリップしながら登らなくてはならない。
 それでも徐々に明け行く東の空を見ていると、疲れより期待感が増してくる。

 狭い山頂に一番乗りした我々は、徐々に増えてくる登山者を鑑み、日の出前に集合写真を撮り、日の出(ご来光)を待った。
足元に注意し慎重に登る
登山者のシルエットが美しい 五竜岳山頂にて、日の出(ご来光)前に集合写真 

 “ご来光”と言うイベントは格別な思いで待っている。二度と同じ光景に出くわすことは無い、その場限りのイベントだから。
 東の空がどんどん明るくなり、オレンジ色が増してくると、短時間で“ご来光”が始まり、そして終わる。周辺の山々を赤く染めながら。 
雲海の彼方からご来光が  剱岳にも朝陽が 鹿島槍ヶ岳にも朝陽が 

 すっかり、明るくなったころ下山開始。
 登り時は暗くてよくわからなかったが、明るくなると極めて危険な登りをしていたことが分かる。
 慎重に下山し、山荘が近づく頃振り返ると五竜はすっかりと明るい世界にその山容を見せてくれた。  
下山開始「三点支持で慎重に!」 少し緩やかな下りに  小屋から振り返る五竜

 山荘に戻り朝食を頂き、下山の身支度を整える。
 下山はいったん白岳に登り、遠見尾根を下っていく。
 白岳では目の前に広がる五竜や鹿島槍の見納めと瞬く佇んだ。  
 白岳山頂直下から観る五竜山荘と五竜岳の眺めは“絵”になる。素晴らしい。
朝食を済ませさあ下山開始 白岳山頂からの展望を楽しむ 五竜山荘と五竜岳

 白岳から西遠見までは急激なアップダウンが続き、疲れる。
 また、広い休憩場所も少ないことから、分散休憩となることもあった。
 ようやく西遠見まで来ると西遠見池があり、水面には五竜岳が写る“逆さ五竜”が楽しめる。  
白岳からの厳しい下り  狭い岩稜で休憩 西遠見池と“逆さ五竜”

 西遠見からは、大遠見、中遠見と遠見尾根の比較的緩やかなアップダウンを繰り返しながら下って行き、最後の遠見尾根最後のピーク“小遠見山”山頂に到着。
 ここは遠見尾根ハイキングの終点地でもあり、展望も素晴らしいことから多くのハイカーや家族連れで賑わっていた。 
 小遠見山からは下山口のテレキャビン(ゴンドラ)乗り場まで、途中植物園を楽しみながら下って行く。
 途中、昨日歩いた八方尾根がはっきりと望めた。
大遠見から五竜、鹿島槍を振り返る 小遠見から五竜、鹿島槍を振り返る  八方尾根とその後方に白馬三山

 下山後は、十郎の湯で汗を流し、コンビニで昼食を購入し新潟に向かった。
 参加者の足並みも揃い、ほぼ時間通りに歩き、怪我やトラブルが無いことが叶い、参加者全員に感謝申し上げたい。  
 本当にいい山旅をすることが出来た。

≪今回の山旅で出逢えた花々≫