会山行紀行文
No−015
グレード:C上
2016年
 4月10日(日)
曇り
(ひなたくらやま)
日向倉山

  1431m
参加者 (紀行文) 2216 S/K 
26名
(男性12名・女性14名) (写真) 2216 S/K
≪コースタイム≫
新潟駅南口(6:05)=小出IC=銀山平(8:10-8:30)…赤崩山−日向倉山稜線(9:40)…日向倉山山頂(11:30-12:45)
…赤崩山…日向倉稜線(14:20)…銀山平(15:00-15:25)=小出IC=新潟駅南口(17:50)
≪紀行文≫
〜〜〜良い山との出会いに嬉しさがこみ上げる〜〜〜
 
 登山道がなく残雪期にしか登れない日向倉山、新潟楽山会の登山隊19名とスキー隊7名が山頂を目指す。
 銀山平に到着すると想像以上に雪が少ない、身支度を整え全員で準備運動を行ってから、スキー隊と登山隊に別れて斜面に取りつく。
トンネルを抜けた所にバスを止め、先ずは全員で準備運動 リーダーとスキー隊隊長が入念に打ち合わせ
取りつく斜面を目指して進む登山隊 スキー隊が元気よくスキー板を滑らす 雪解けの進んだ斜面を登る

 登山隊はツボ足、リーダーが残っている雪を拾いながら高度を上げていく、次第に雪が多くなり歩きやすくなる。
 振り返ると大きくなった荒沢岳の山塊がドーンと迫る、雄大な山容からエネルギーをもらいながら雪面を登る。
 赤崩山と日向倉山を繋ぐ稜線の手前で傾斜がきつくなるが、リーダーと男性数人が急斜面の下で見守り恐怖心を緩和させる。
背後の荒沢岳がどんどん大きくなる 稜線直下の急斜面を登る 

 急斜面を登り切ると展望が大きく開ける、これから向かう日向倉山(1431m)の左に未丈ヶ岳(1553m)、
 振り返ると荒沢岳(1969m)と花降岳(1891m)が大きく連なり、その右に中ノ岳(2085m)と越後駒ヶ岳(2003m)。
 わずか1時間10分の登りで、こんな素晴らしい展望を手に入れることが出来るなんて、「来て良かった!」と嬉しさがこみ上げる。
右の稜線の先に日向倉山、その左に1,376mピークと未丈ヶ岳
右の荒沢岳から左の花降岳へと峰が連なる 左から中ノ岳、越後駒ヶ岳、八海山はその右下に黒く少しだけ

 「あ、あそこにいる!」私たちが登った尾根の隣の尾根にスキー隊を発見、しかし、まだかなり下にいる。
 長いスキー板を担ぎスキー靴で登っている7人に「がんばれー!」と声が飛ぶ。

 残雪期の道迷い対策の実践練習として、歩いた雪面に赤い旗(ルート旗)を刺しながら、日向倉山へ向かう。
 ホワイトアウトになったら迷ってしまいそうな広い雪原を進むと、神秘的な雰囲気が漂うブナ林が現れる。
 冬期以外人が立ち入らない環境が作った大自然の中を登山隊が進む光景は、アドベンチャー映画のワンシーンを彷彿させる
神秘的な雰囲気のブナ林を進む登山隊、まるで映画のワンシーンを観るようだと思いませんか?
日向倉山が大きく近づく、左の尾根を登りきれば山頂 雪庇に注意しながら傾斜のきつい尾根を登る

 日向倉山への最後の登りは斜度が大きくなる、藪を漕ぎ、雪庇に注意しながら高度を上げる。
 予定より30分早く山頂に到着、各自が気に入った景色の前に指定席を作り、ゆっくりと昼食を取る。

 30分遅れてスキー隊が到着、5人がスキー板を藪の手前にデポしてきたが、頂上まで担ぎ上げた2人が北東の斜面に挑み、
 見事なシュプールを描く。その滑りに大きな歓声が沸く。
山頂で好きな景色の前に座り、ゆっくり昼食を頂く 山頂から未丈ヶ岳を望む、後方には毛猛山塊
スキー滑降に歓声が沸く ワァ〜、凄〜い! キャ〜、カッコイ〜イ!

 昼食後は希望者にリーダーから山座同定のレクチャー「平ヶ岳は?」「会津駒ヶ岳は?」地図とコンパスを使って次々と探し当てる。
 数名の登山者が未丈ヶ岳の方角から歩いて来る、聞けば未丈ヶ岳をピストンした人や1272mピークの先の藪で諦めて戻ってきた人。
 未丈ヶ岳とその稜線を眺めながら思う「来年はあそこからの景色を観てみたい」

 昼食休憩が終わり、登山隊が一足先に下山を開始、雪庇と滑落に注意をしながら急な斜面を下る。
熱心に山座同定に取り組む 登山隊が一足先に下山を開始する
山頂直下の急な尾根を下る 前方に藪を発見、覚悟はいいですか  ♪藪を越え行こうよ、ため息、吐きつーつ♪

 間もなく満を持して斜面を滑り下りて来たスキー隊が合流し、自慢の滑りを披露しながら前方に消える。
 登山隊は正面の荒沢岳と中ノ岳、越後駒ヶ岳の景観を、ゆっくり楽しみながら銀山平への下降点に戻る。
スキー隊が追いついて来ました そして、あっという間に滑って行きました 随所でリーダーからアドバイスをもらう
素敵な景色に、思わず立ち止まる ホワイトアウトで進路を見失いそうな雪原を進む

 銀山平への下りは最初がかなりの急坂、リーダーが列の間にサブリーダーを配置させ、高度を下げて行く。
 スリップへの緊張感で思った以上に汗をかき終盤に休憩をいれる、雪が少ない斜面での足の置き場に苦労しながらバスが待つ銀山平へ戻る

 山行中、随所で丁寧に指導、助言をして下さったリーダーに感謝すると共に、良い山との出会いに喜びを感じながら帰路についた。
 い〜い山行でした。
銀山平への下りポイントに向かって、最後の坂を登山隊が力強く登る

 ■リーダーの言葉で印象的だったこと(忘備録)
 ・雪道で尾根を外れて下る等ルート変更の起点となる場所では、復路で見落とさないようルート旗を2本刺し、進む方向にもう一本刺す。
 ・雪山は尾根筋を辿る、樹林帯へのショートカットは方向を見失う恐れがある、万一迷ったら決して下らず、高い所に出る。
 ・急な下りのストックは@ザックに収納するA2本を片手で持ち片手を自由にするB手首をストラップに通して手を使う、から選択。
 ・事故は下りがほとんど、特に終盤の下りは筋力低下、判断力低下、油断、焦り、マヒで怪我のリスクが増す。終盤の休憩は効果あり。