会山行紀行文 2015年
 12.9(水)
晴れ
(からまつやま)(たかはなやま)
唐松山〜高鼻山
1079m  818m
参加者 (紀行文) 1861 K/Y
3名
(男性1名・女性2名) (写真) 1861 K/Y
≪コースタイム≫
登山口(高鼻橋付近)8:30…主稜線のピーク(唐松西峰)10:20…唐松山10:50…尾根分岐のピーク(11:35-12:05)…高鼻山14:10…高鼻橋16:00
≪紀行文≫

  数年前、土崩山に登りに来た時、唐松山から高鼻山に縦走したら面白そうなので、そのうちに登ろうと思いましたが、なかなか来れずにいました。
  高鼻山は県道538号線のどん詰まりに位置しています。県道538号線の除雪は松川集落までで、雪が着いたら松川集落から先には行けません。時期が早ければ唐松山から先の藪がきついだろうと思い、タイミングがつかめずにいました。
  今年は12月に入っても入広瀬方面に雪が無いと聞いていて、そんな折、9日は絶好の好天になる予報だったので、グッドチャンスということで、温めてきた計画を実行に移すことにしました。

  唐松山は、下権現山から上権現山、唐松山をまとめて登られたり、手の又沢から往復したりされていますが、松川集落奥の県道538号線の終端からも登山道が付けられています。
 多少急だったり、通る人が少ないとみえて、ピカピカに整備されてはいませんが、唐松山から高鼻山を周回縦走するにはまことに都合が良い登山道です。
 この登山道は538号線の終端(高鼻橋付近)から、猫岩と唐松山山頂の中間にある唐松西峰に通じています。
 写真でわかると思いますが、高鼻橋周辺には10台程度の駐車スペースが在ります。
県道538号線終端(高鼻橋付近) 駐車場所から権現山の尾根を見上げる 唐松山登山口

 登山口の付近には雪はありませんでしたが、少し登ると雪が出てきました。
 1、2日前のものでしょうか、雪の上に足跡が付いていました。足跡は一人の登山者が往復した様子のものでしたが、標高550mほどで無くなりました。雪が多くなったので引き返したのだと思います。
登山口付近の登山道の様子 標高450m付近の尾根の様子 標高550m付近、主稜線はずーっと先です

 登山道は、主稜線のピーク、猫岩と唐松山の中間にある唐松西峰に登り上がります。
 主稜線が近付くに連れ傾斜がきつくなり、しかも斜面が日陰になっているので、雪面は堅くなっています。
 雪はたいしたこと無いだろうとたかをくくり、念のため程度に簡易アイゼンしか持ってきていませんでした。
 当然アイゼンの機能だけでは登れないので、堅い雪面に蹴り込みを入れながらの登りになり、予想外に時間は掛かるし、足が疲れてガクガクしました。
 話は前後してしまいますが、ワカンも持ってきていなかったので、稜線上ではズボズボ内股あたりまで足が潜る箇所もありました。
 いかに小雪暖冬といえども、冬季は冬季、冬季の山をなめてはいけないと思い知らされました。
唐松西峰から、奥は上権現、白い塊が猫岩 唐松西峰から唐松山 唐松西峰から守門岳方面

 この日は雲一つない快晴です。主稜線からは素晴らしい眺望が望めました。
 ちょっと残念だったのは、稜線の南側には越後三山などの素晴らしい景観が見えているのですが、太陽位置の関係で逆光になり、写真を撮ることは出来ませんでした。
唐松山山頂部 唐松山山頂、標識が埋まっています 唐松山山頂から、守門、浅草、毛猛方面

  唐松山の先には雪を着けた稜線が伸びています。写真では見えにくいですが、稜線が右に曲がる屈曲点に尖ったピークがあります。その尖ったピークから左にナイフの様に細い尾根が分岐し、左に下っていますが、高鼻山へはその尾根を伝っていきます。
  まずは、唐松山を下って分岐点である尖ったピークを目指します。唐松山近くの尾根の雪は柔らかく、ワカンを付けていないツボ足は内股近くまでズボズボ潜りました。
  尾根上からは毛猛山塊の桧岳が圧倒的な迫力で眼前に見えていました。
高鼻山方面に進む尾根  唐松山を振り返る 尾根上からの桧岳

 尾根の分岐点である尖ったピークからの下りは、上から見下ろすと断崖絶壁の様、物凄い急傾斜です。ブッシュにしがみ付きながら下りました。この下りがこの山行で一番の危険で難儀な行程でした。
  尖ったピークを無事に下って尾根を進み、標高が下がると尾根上には雪が少なくなり、藪がうるさくなります。藪は尖ったピークの近くでは濃いのですが、先に進むに従って薄くなります。尾根には古い切り株やナタ目があります。切り株やナタ目が付いている位置、切り株の規模から推測すると、熊追いの衆が付けた道ではなく、かつては登山道があったのではないかと思いました。
尖ったピークを下り切ってヤレヤレです 標高が下がると藪がうるさくなる  藪尾根上から毛猛山塊方面

 高鼻山が近付くと尾根には松の木が生えてきます。尾根もゆっくりと登りになります。
 高鼻山の山頂には三角点が設置されているはずなのですが、雪に埋もれているようで見えませんでした。
高鼻山山頂部 高鼻山山頂  山頂から毛猛山塊方面

 国土地理院の2万5千図には、県道538号線の終端、高鼻橋から高鼻山に破線が描かれています。
 登山道があるように示されていますが、所々にかつて登山道があったであろう痕跡が残っている程度です。
 しかし、高鼻山までの間は藪が薄いので、藪歩きに多少の覚えがある人なら、さしたる苦労なく歩けます。               (おわり)
高畑山からの下り、高鼻山直下の尾根  下る尾根の下場は若いブナの尾根です 夕日は権現の稜線の向こうに沈みました