≪紀行文≫ |
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何年振りでしょうか。会の山行では簡単に中止と言う訳にはいかないので、2〜3時間程度は小雨や霧雨に遭うこともありましたが、自由が利く個人の山行では雨の中の山行がいつだったのか思い出せません。雨具はもっぱら風除けで使っていました。
初日の28日は午後から雨との予報だったので雨に打たれないよう早目に小屋に入りました。思惑が当たり、小屋に入ると間もなく雨が降り出し、やったね、とささやかな幸福感を味わいました。
29日は、10時から14時まで雨との予報でした。雨が降り出す前に大無間山に到着しようと思い、4時起床、5時出発としていましたが、5時時点では霧が濃く、視界は1〜2m、視界が10m程度になるまで20分ほど待機してから小屋を出発しました。
出発して間もない6時頃から雨が降り出しました。平地では雨の降りだしは10時頃からなのかも知れませんが、山の上では雨降りが早く来てしまい、以降16時ころまで降り続きました。
雨はひどい降りではなく、しとしと程度なのですが、長時間雨にさらされているので、何もかもがぐしゃぐしゃになってしまいました。
てしゃまんくの里に戻った時、何をさて置いても、下から上まで全ての衣類を着替えました。
≪27日(木)≫
新潟を出発したのは27日の8時30分、途中その日の夕食などを購入したりして、井川湖近くの静岡県民の森キャンプ場のロッジに到着したのは17時近くでした。
やっぱり南アの端っこまでは遠い、決して車の運転が嫌いではない私ですが、今回はいささかうんざりしました。
ちなみに、帰りは浜松から兵越峠経由で長野の遠山郷に出て、飯田ICから高速に乗って新潟に向いました。
下山した29日も静岡県民の森キャンプ場のロッジに宿泊し、30日の8時30分頃ロッジを出て、自宅に到着したのは21時過ぎでした。なお、静岡県民の森キャンプ場のロッジの宿泊料は、2段ベッド2つの4人部屋が、マットレス、毛布、まくら付きで一室2750円でした。もちろん浴室や水洗トイレ、炊事室などは揃っています。
≪28日(金)≫
静岡県民の森キャンプ場からてしゃまんくの里までは1時間弱です。てしゃまんくの里の駐車場にはりっぱなトイレがあります。
駐車場から車道を60mほど畑薙方面に歩くと左に入る道路があります。その道路突き当りのT字路を右に進むと左に手洗い場があり、前方に諏訪神社の鳥居が見えます。 |
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静岡県民の森キャンプ場のロッジ |
てしゃまんくの里(駐車場) |
諏訪神社の手洗い場 |
鳥居をくぐり、杉林の中の道を進むと舗装された林道に出、林道の向い側の歩道を登ると登山届提出所の小屋に到着します。
小無間小屋(避難小屋)に向かう登山道は、小屋までほぼ登りです。
最初は杉林が続き、道の傾斜は緩やかです。やがて杉林が終わり、広葉樹林になると傾斜がきつくなります。 |
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諏訪神社の鳥居 |
登山届提出場所 |
小無間小屋に向かう尾根 |
小無間小屋はP4と呼ばれている1796.2mピークのすぐ先に建っています。
P4の周辺には平地があるので、テントを張る登山者も居るようです。
小屋は5人なら楽々、詰めれば10人程度は泊まれそうです。
古い水色のトタン張りの外見に似合わず、内部はしっかりした造りの小屋です。
残念なことにこの小屋は水が得られません。雨水の溜めますがありますが、ボウフラの巣になっていました。
泊まるためには下から水を背負い上げなければなりません。てしゃまんくの里を出発する時、私は4リットル弱の水を持っていました。 |
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P4(1796.2mピーク) |
小無間小屋(避難小屋) |
小無間小屋の内部 |
≪29日(土)≫
小屋を出発して小無間山に向います。小屋と小無間山の間には、P3、P2、鋸歯、P1といったピークがあり、急な起伏が連続しています。また、P1の先には大きな崩壊地があります。
小屋を出発した直後は濃いガスに覆われていましたが、ガスが薄くなったと思ったら、間もなく雨が降り出しました。近年すっかり忘れていた最悪の山行になってしまいました。 |
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しとしと雨の尾根 1 |
しとしと雨の尾根2 |
崩壊地間近の尾根 |
P1と小無間山の鞍部の小無間山寄りの尾根が崩壊しています。崩壊地の区間は20m程度、事前に得ていた情報通り、崩壊地には3本のロープが張られています。
崩壊が進み、ロープが無くなっていた場合に備えて、沢で使っている8mm×20mロープを2本、ロープが無事に在ったとしても、そのロープにセルフビレイを取るために、各自ハーネスとエイト環、スリング1本、カラビナ2個を装備してきていました。
崩壊地に到着して、正直唖然とし、拍子抜けしてしまいした。ロープさえ無事に張られてあればどうということないんじゃないのと思いました。
事前情報を少し過剰に受け止め過ぎてしまいました。もちろん行きも帰りも、持参した装備は一切取り出す必要はありませんでした。
ただし、ちょっと気掛かりな部分がありました。ロープの支点の位置の関係で、ロープが尾根上の南側寄りに張られているので、崩壊地の中央部で南側に振られるような感じを受けました。
こうした場所に弱い人は、振られる感じを受けた途端に身体が固まり、足がすくみ崩壊地の中央部で身動きできなくなる可能性があります。
こうした場所に弱いと思える人がパーティーにいる場合は、心得のある人が崩壊地中央部で待機し、ロープにスリングなどを掛けて、北側に引き張っておく処置が必要かと思います。 |
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崩壊地と張られたロープ |
崩壊地を通過し、急な尾根を登り上がると程なく小無間山に到着します。
小無間山から先は緩やかな傾斜の尾根が続きます。 |
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小無間山山頂近くの尾根 |
小無間山山頂 |
中無間山(2109m)山頂 |
小無間山から中無間山、大無間山へと続く尾根は距離はありますが傾斜は緩やかです。
中無間山の少し先に尾根が広くなったところがあり、あちこちに踏跡が付いていて若干道が分かりにくくなっている箇所があります。
暗くなってからの通過は難しくなりますが、明るい時間帯であれば、落着いて歩けば大事無いと思います。
大無間山近くに尾根が痩せた箇所が2カ所ほどありますが、それほど危なっかしい所ではありません。
大無間山の山頂もしとしと雨の中でした。この日は自分が居るわずかな範囲しか見通せない一日でした。
(おわり) |
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大無間山近くの尾根1 |
大無間山近くの尾根2 |
大無間山山頂 |
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