会山行紀行文 2015年
 7.12(日)
晴れ
(ごずおぐらさわ)
五頭小倉沢
900m
(五頭一ノ峰
参加者 (紀行文) 1862 Y/I
6名
(男性6名) (写真) 1862 Y/I
≪コースタイム≫
どんぐりの森(8:18)…入渓点(8:30)…巨石CS(9:00)…水呑沢出合霧滝(9:15)…三階滝(10:00)…二ノ峰沢出合(10:30)…ハゲ沢出合(11:10)
…ハゲ滝(12:15)…龍神清水(12:30)…三叉路(12:40-13:33)…一ノ峰(13:48)…三ノ峰(13:58)…七合目長助清水(14:15)…どんぐりの森(14:55)
≪紀行文≫
〜〜〜今年初めての沢登りに歓喜〜〜〜  

 待ちに待った沢登りのシーズンがやって来ました。
 昨年10月に沢靴を脱いで以来実に9か月ぶりです。しかも今日は30度を超える真夏日との予報、絶好の沢日和です。
 沢登りの道具をそろえながら気持ちまで昂ぶってきました。
 ただ、沢を楽しむ人が年々1人2人と卒業していき、現在は1桁までに減ってしまったことが残念です。
 今日のメンバーは男性6名でした。もっともっと沢の魅力を知って戴き愛好者が増えることを願っています。

 ところで、沢の魅力とは一体なんでしょう。
 まずは、夏の暑いさなかに、重いザックを担いで汗まみれになって尾根を登るのに比べて、清冽な水を浴びながら遡る納涼感は、一度それを経験してしまうともう忘れることのできない魅力になってしまうことです。
 次に、自然が作り出す造形の美しさです。山に限らず自然には必ず美しさが秘められているものですが、沢は特にそれが凝縮されているように思います。芸術品のような見事な滝、切り立った岩壁、紺碧の淵や釜など知らず知らず我々を魅了してくれるのです。
 もう一つ、沢登りは定番の登り方などと言うものが無いことです。自分の経験や技術を駆使して、時には仲間の協力を得ながら苦難の道を乗り越えていくこと、その乗り越えた達成感が言い知れぬ喜びになっていくのです。

 時に沢は危険ではないのかと言う声も聞きますが、一定の技術と謙虚さがあればそんなに怖いものではありません。勿論技量以上の沢に無謀に突っ込んでいくのは危険ですし、単独で入るのもリスクが伴います。しかし、沢にもグレードがあり、我々の行くのは初級の沢です。
 カッタン岩程度の技術があり、先輩方の指導の下なら安心して沢登りを楽しむことができると思います。

 五頭山安野川水系の小倉沢(おぐらさわ)はまさに沢デビューにはうってつけの入門の沢です。その楽しさを写真で綴りますので、今度ご一緒にいかがですか。

(クリックで拡大)
歩いた軌跡です。青が沢の遡行です。
沿面距離8.5Km、累積標高+990mでした。

(クリックで拡大)
珍しい地図だと思いますが、これが沢の遡行図です。誰かが書いたもので正確ではありませんが、沢では大事な地図です。
どんぐりの森を横切って入渓点に向かう一向。沢靴にメット、不思議な姿ですね。 藪っぽい道を10分ほど歩き、鎖にぶら下がって降り立ったのがここ。
こんな気持ちの良い沢を歩き始めました。
今日のリーダーは三ちゃん、初仕事です。早速滝が現れましたが慎重にルートを探ります。
この沢一番の難所と言われる巨石チョックストーン滝に来ました。ちなみにチョックストーンとは、急峻な岩の割れ目に挟まった岩石のことです いかにも大変そうでしょう。でも今年は水量が少なく、一応ロープは出しましたが難なくクリアーしました。 そのすぐ上にある霧滝です。シャワー状のこの滝をくぐるのが大好きです。この滝の上部が水呑沢で源頭部が長助清水になっています。
別名雨霧沢、何とも優雅な名前ですね。
うまく撮れませんでしたが、虹がかかっていました。霧滝、ワンダフル。  沢に映えるアジサイの花、涼しげです。
五頭の沢はお花も豊富です。
深い釜、足を滑らすと首までドボンです。
慎重に慎重に。
しばらく4m、3mのナメ滝が続きました。
4mとは言え豪壮、素晴らしい。
清流の飛沫を浴びながらどんどん登ります。
実に爽快!
先頭がコバちゃんに代わりました。
この方も身軽で勇猛果敢です。
ナメ滝をよじ登る三ちゃん。なめらかな一枚岩(スラブ)の上を水が流れているのをナメ床と言いますが、それが滝になったのがナメ滝、美渓の必需品です。 ミニゴルジュはこうして登ります。足の長さがものを言います。ゴルジュとは、両側が険しく切り立った狭い場所のこと。 ヨツバヒヨドリ、疲れた時にふと目に着いたお花には本当に癒されます。
沢の難しさの1つに、本流と支流の見極めがあります。さてどっちに進むか思案橋。それにしても以前に比べ流木がやけに目につきました。ここ何年かの大雨、大水のせいですが渓相を損なう元ですね。 オオバギボウシ 何ともなさそうですがもう1歩の足が届かない。この後三ちゃんの肩を借りてヒロシが登り上げました。この手法をショルダーと呼びます。必要なら、仲間の背中や頭などなんでも使います。
一人が登り上げれば後はロープを降ろして次々に後続隊が続きます。 終盤です。10mのハゲ滝、あまり良い名前ではありませんがいわゆる初期のナメ滝です。ホールドはしっかりしていますので怖くありません。途中で左の藪を巻きました。 タマガワホトトギス。代表的な沢のお花です。
帰路、前一ノ峰から見た菱ヶ岳。手前の凹んだところが登って来たハゲ沢、小倉沢です。
沢歩きは尾根歩きに比べかなり重労働ですが、その分達成感は一入です。
以上