会山行紀行文 2015年
 5.09(土)
(からまつやま)
唐松山
1079m
参加者 (紀行文) 1862 Y/I
3名
(男性2名・女性1名) (写真) 1862 Y/I
≪コースタイム≫
新潟(6:00)=(関越道)=堀之内IC=中子沢(190m)(8:00)…(林道)…手ノ又登山口(310m)(9:00)…滝見場(500m)(9:30)…分岐(780m)(10:20)
…いっぷく平955m(11:10)…猫岩(1008m)(11:40)…唐松山(1079m)(12:10)…分岐 (14:00)…登山口 (15:00)…中子沢(15:55)=新潟(18:00)

歩いた距離15.9Km、累積標高1350m、行動時間合計7:55(林道1:00、登り3:10、下り2:50、林道0:55)
≪紀行文≫
                                 〜〜〜小雨に煙る唐松山〜〜〜

 5月17日に予定している会山行の下見です。魚沼にあるこの山はGWは明けたといってもまだ残雪が多く、下見は欠かせません。
 気がかりな場所は3箇所、中子沢から手ノ又登山口までの林道の状況、滝見場へ行く途中の急斜面のザレ場崩壊地、それと猫岩巻道の雪渓トラバースの安全確認です。
 1週間後の本番に参加される皆さんの参考にと紀行文として紹介します。

 GW以降、しばらくの間晴天が続いていましたが、9日は、1日前までは最高の晴れ予報でした。
 これは願ってもない下見だなと心の中でほくそ笑んでいましたが、あにはからんやいつの間にか曇り後一時雨の予報に代わってしまいました。 それでも一時雨程度ならと予定通り出かけました。ところがところが、林道を1時間歩き、手ノ又登山口を登り始めた途端に降り始め、以降下山するまでついに降り止みませんでした。
 やっぱり自分は“雨男”なのだなあと悲しくなりました。せめて、本番は晴れて欲しいのですが、今のところ、当日の予報は晴れなのですが前後は傘マーク、今後どう動くは分かりません。
 昨年は、下見は素晴らしい晴天、本番は雨で中止でしたので、今年は是非、その逆になることを祈っています。

 さて、下見の結果ですが、アプローチの林道は中止沢を左に曲がったところでその入口に「冬季閉鎖」の恨めしい看板、除雪の手は全くついていませんでした。
 林道を半分くらい歩くのは織り込み済みなのですが、諸に1時間の歩きとなってしまいました。
 しかもこの林道、脇を手ノ又沢が流れていて随所に雪崩のデブリがそのまま残っているのです。
 雪崩そのものは落ち着いているようでしたが、沢に落ち込んでいるデブリの上を歩くには、アイゼンとストックは必須の状況でした。
 場合によってはピッケルも必要です。
 あと1週間、もし除雪の重機が途中まででも入っていなければ40名を引率しての会山行はあきらめざるを得ないと思いました。
 その場合は、皆さんの了解の下、下権現堂山ピストンに切り替えになると思います。本番前日にもう一度様子見が必要なようです。
 ただ、登山口から上権現堂山への分岐までは雪はほとんどありませんでしたし、崩壊は進んでいるもののザレ場もまあまあ大丈夫でした。

 分岐からは新緑のブナ林の中、豊富な残雪の上を快適に歩けました。ここは皆さんに是非味わって欲しい爽快感を得る場所です。
歩いた軌跡です。距離およそ16Km、累積標高約1350mでややタフなコースです。 アプローチの林道の様子。
雪は固く、この状況はアイゼン必須です
ブロック雪崩の跡。でも雪解けは早いですから1週間後はどのようになっているか。
こういう場所はベテランでも最新の注意が必要です。会山行は無理かな。 手ノ又の登山口、残雪多し、例年ならフキノトウの宝庫です 登り始めると早速タムシバがお出迎え。
まだ蕾も多く、1週間後が楽しみです。

 急登を一登りすると、いっぷく平、猫岩、唐松山と素晴らしい展望の稜線歩きですが、意外にも登山道はほゞ露出していました。
 稜線やピークの雪解けは例年よりも早いように感じました。そのおかげか、猫岩下の巻道の雪渓も幅が狭く、谷底深く落ち込んでいるはずの雪渓がすぐ下が切れている状態でした。ステップをしっかり刻めばここの通過は大丈夫と判断しました。
 
 お花は、ピンクのミツバツツジは盛りを過ぎていましたが、ヤマツツジとタムシバは咲き初め、1週間後はちょうど見ごろと思われます。
 それに、なんと猫岩の岩場にシャクナゲが群生していました。思わぬ拾いものでした。
 雪解けしたばかりの場所にはマンサクが黄色く微笑み、足元にはイワカガミ、イワウチワ、スミレ、カタクリなどなどお花の競演でした。
 山の幸も目につきました。コゴメ、ワラビ、コシアブラ、フキノトウと豊富です。帰りにコシアブラとフキノトウだけ少しお土産に戴きました。
ヤマツツジ越しに轟音を立てる雪解け水の滝。滝見場にて。 振り返ると微かに越後駒ヶ岳が見えました。
雨に濡れたマンサクが瑞々しい。
沢の対岸にこれから歩く稜線と唐松山(右端)。結構な距離です。
上権現堂山との分岐あたりのブナ林。
新緑が素晴らしかった。
これ本物の野ウサギです。突然目の前に現れ、しばらくこちらを見ていました。 タムシバ咲く稜線、晴れていれば“展望廊下”です。中央の黒いのが猫岩、左奥がピークです。
稜線から振り返ると上権現堂山がどっしりと目に入ります。 猫岩に群生していたシャクナゲの花。 猫岩下の巻道の雪渓、1週間後はもっと痩せていると思います。
足も相当疲れましたが、最後の詰めです。
例年ならこの辺は銀世界なのですが、稜線の雪は少なかった。 
唐松山の頂上からのビュー。
左に毛猛山塊の桧岳が微かに見えます。本来なら遮るもののない大展望なのですが。パンを齧っただけで休みも取らずすぐに下山。 
下山中もずっと雨は降り続いていました。
八海山、越後駒ヶ岳、荒沢岳が見えるはずなのですが。その代り、ヤマツツジがしっとりと鮮やかに実にきれいでした。 

 それにしても、終日雨に打たれた下見山行、レンズも濡れて写真もほとんど撮れませんでした。た
 だただ本番の日が晴れることを祈るばかりです。

                                                                     おわり