≪コースタイム≫
冬期登山口(6:20)…嘉平与ノボッチ(10:15)…前岳(10:35)…浅草岳(10:15-12:00)…前岳(12:15)…嘉平与ノボッチ(12:30)
…冬期登山口(14:30) |
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≪紀行文≫
〜〜〜この景色に会いに来た!〜〜〜
昨年の秋、山頂からの眺望に魅せられた浅草岳「雪のある景色が見たい」の思いが募り、天気予報の良い日に決行。
登山道が雪で覆われているため、山スキ―で使われている白崩沢ルートを辿るが、初ルートのため余裕を持って大白川に前泊。
6時20分、民宿の御主人から教えてもらった登山口を出発。
少し歩くと斜面の雪がルート上に崩れ落ちている。ゴロゴロしたデブリの上を怖々通過。
数日前から気温が上昇している、雪崩と雪屁の崩壊に要注意と気持ちを引き締める。
最初は残っていた雪面の踏み跡は、間もなく無くなる。
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しらくずれさわ橋手前の登山口を出発 |
ルート上に崩れ落ちたデブリ |
大きく崩れた雪屁 |
ネットから入手した実績ルートが書き込まれた地図とGPSを頼りにルートを探るが2回も見誤る。
結局急坂を登る羽目に陥り、雪面にピッケルを突き刺しながら登るなどして時間を大きくロス。
その後も、急斜面のトラバースや雪屁の崩れている箇所に冷や汗をかき、序盤で残雪期登山の難しさを体感する。
しかし、振り返えれば大きな守門岳が励ましてくれる。
雪の白さが景色を際立たせ、木々の若葉が爽やかに生命感を奏でる。
心地良い鳥のさえずりが、緊張感をほぐす。
緩やかな雪面を、幸せ感に包まれながら一人歩く。
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振り返ると大きな守門岳 |
若葉が生命力を奏でる |
新緑が青空に映える |
しかし、お日さまの上昇と共に、歩は「快」から「耐」へ。
空はピーカン、気温が上がり、雪の照り返しで汗が噴き出す。汗がポタポタ落ち、曇ったサングラスが視界を妨げる。
こんなところで熱中症でダウンできないと水をとるが、残量が半分を切り不安になる。
夏道と合流する1484mの嘉平与ノボッチが、中々近づいてくれない。
ハァ、ハァ、言いながら何度も立ち止まり、亀の歩で前進する。 バテ気味の体が、ようやく浅草岳の頂きへ。
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嘉平与ノボッチが遠い |
夏道が出た嘉平与ノボッチの後方に守門岳 |
浅草岳の頂上が見えた |
山頂に立つと、眺望が疲れを一気に吹き飛ばす。
鬼ヶ面山の黒い断崖絶壁が圧倒的な迫力で迫り、その後方に毛猛山、さらに後方に白銀に輝く越後三山。
三層に重なった山の連なりが実に美しい。
エメラルドグリーンの田子倉湖が、残雪の山々に浮かび上がりこちらも素晴らしい。
眼下に広がる白きパノラマ「この景色に、会いに来たんだ!」喜びが湧きあがる。 |
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浅草岳山頂 |
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鬼ヶ面山の後方に毛猛山、その後方に越後三山 |
エメラルドグリーンの田子倉湖が美しい(湖畔の木々は新緑) |
ゆっくり昼飯を食べ、1時間以上もその贅沢な景色の中に身を置く。
12時00分、「ありがとう、また来ます」とザックを背負い下山。 |
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遠くに尾瀬燧ケ岳を望む |
遠くに粟ヶ岳、川内山塊を望む |
嘉平与ノボッチを4人のパーティが登って来た。挨拶を交わす互いの顔が自然と笑顔になる。 |
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下山で唯一出会ったパーティ |
鮮やかな新緑 |
木の熱が雪を溶かす |
視界良好にもかかわらず2回コースアウトしたが、GPSで軌道修正し無事登山口に戻る。
汗が帽子に塩田を作り、2.5リットルの水は底をついていた。
まずは車で自販機へ、冷えた赤コーラをカラカラの喉に流し込み、スカッと爽やかに「うっめ〜!」
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