会山行紀行文 2015年
 4.28(火)
快晴
(あさくさだけ)
浅草岳
1586m
参加者 (紀行文) 2216 S/K
単独
(男性1名) (写真) 2216 S/K
≪コースタイム≫
冬期登山口(6:20)…嘉平与ノボッチ(10:15)…前岳(10:35)…浅草岳(10:15-12:00)…前岳(12:15)…嘉平与ノボッチ(12:30)
…冬期登山口(14:30)
≪紀行文≫
                              〜〜〜この景色に会いに来た!〜〜〜

 昨年の秋、山頂からの眺望に魅せられた浅草岳「雪のある景色が見たい」の思いが募り、天気予報の良い日に決行。

 登山道が雪で覆われているため、山スキ―で使われている白崩沢ルートを辿るが、初ルートのため余裕を持って大白川に前泊。

 6時20分、民宿の御主人から教えてもらった登山口を出発。
 少し歩くと斜面の雪がルート上に崩れ落ちている。ゴロゴロしたデブリの上を怖々通過。
 数日前から気温が上昇している、雪崩と雪屁の崩壊に要注意と気持ちを引き締める。
 最初は残っていた雪面の踏み跡は、間もなく無くなる。
しらくずれさわ橋手前の登山口を出発  ルート上に崩れ落ちたデブリ  大きく崩れた雪屁 

 ネットから入手した実績ルートが書き込まれた地図とGPSを頼りにルートを探るが2回も見誤る。
 結局急坂を登る羽目に陥り、雪面にピッケルを突き刺しながら登るなどして時間を大きくロス。
 その後も、急斜面のトラバースや雪屁の崩れている箇所に冷や汗をかき、序盤で残雪期登山の難しさを体感する。
 しかし、振り返えれば大きな守門岳が励ましてくれる。

 雪の白さが景色を際立たせ、木々の若葉が爽やかに生命感を奏でる。
 心地良い鳥のさえずりが、緊張感をほぐす。
 緩やかな雪面を、幸せ感に包まれながら一人歩く。
振り返ると大きな守門岳 若葉が生命力を奏でる 新緑が青空に映える

 しかし、お日さまの上昇と共に、歩は「快」から「耐」へ。
 空はピーカン、気温が上がり、雪の照り返しで汗が噴き出す。汗がポタポタ落ち、曇ったサングラスが視界を妨げる。
 こんなところで熱中症でダウンできないと水をとるが、残量が半分を切り不安になる。

 夏道と合流する1484mの嘉平与ノボッチが、中々近づいてくれない。
 ハァ、ハァ、言いながら何度も立ち止まり、亀の歩で前進する。 バテ気味の体が、ようやく浅草岳の頂きへ。
嘉平与ノボッチが遠い 夏道が出た嘉平与ノボッチの後方に守門岳 浅草岳の頂上が見えた


 山頂に立つと、眺望が疲れを一気に吹き飛ばす。

 鬼ヶ面山の黒い断崖絶壁が圧倒的な迫力で迫り、その後方に毛猛山、さらに後方に白銀に輝く越後三山。
 三層に重なった山の連なりが実に美しい。


 エメラルドグリーンの田子倉湖が、残雪の山々に浮かび上がりこちらも素晴らしい。

 眼下に広がる白きパノラマ「この景色に、会いに来たんだ!」喜びが湧きあがる。
浅草岳山頂
鬼ヶ面山の後方に毛猛山、その後方に越後三山 エメラルドグリーンの田子倉湖が美しい(湖畔の木々は新緑)

 ゆっくり昼飯を食べ、1時間以上もその贅沢な景色の中に身を置く。
 12時00分、「ありがとう、また来ます」とザックを背負い下山。
遠くに尾瀬燧ケ岳を望む 遠くに粟ヶ岳、川内山塊を望む 

 嘉平与ノボッチを4人のパーティが登って来た。挨拶を交わす互いの顔が自然と笑顔になる。
下山で唯一出会ったパーティ   鮮やかな新緑  木の熱が雪を溶かす

 視界良好にもかかわらず2回コースアウトしたが、GPSで軌道修正し無事登山口に戻る。

 汗が帽子に塩田を作り、2.5リットルの水は底をついていた。
 まずは車で自販機へ、冷えた赤コーラをカラカラの喉に流し込み、スカッと爽やかに「うっめ〜!」