≪コースタイム≫
≪一日目≫
新潟駅南口(6:10)=北陸道=富山IC=新穂高温泉しらかば平(11:30-11:45)≒山頂駅(12:30-13:10)…西穂山荘(14:30)
≪二日目≫
西穂山荘(6:50)…西穂独標(8:10-8:30)…西穂山荘(9:40-10:00)…山頂駅(11:20-13:15)≒しらかば平(13:30)
=ひらゆの森(14:10-15:10)=松本IC=長野・上信越・北陸道=新潟駅(20:30) |
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≪紀行文≫
〜〜〜2701Mからの北アルプスの眺め、いつまでも感動に酔いしれていた〜〜〜
残雪期のアルプスを会山行にどうかと、それなら最初は西穂独標をと昨年計画した。ところが雨で中止に追いやられた。
それで今年再挑戦、今年は雨でも中止はしませんと計画書に書いた。雨でも独標に危険はない。
強風なら引き返しますと、山小屋泊まりなら、ほんの一瞬の晴れ間でもアルプスの雪景色が期待でき、雪山の雰囲気も味わえることができるだろうと。晴れてくれれば、夏山以上の雪の被った雄大なアルプスを味わえるだろうと。
≪一日目(5月19日)≫
当日の天気予報は目まぐるしく変わった。朝だけ雨が昼まで雨に変わった。西穂高は高地、麓は晴れても山は雨が降っているかも知れない。バスの中では不安いっぱいだった。でも翌日の晴天は期待大だった。
バスは予定より少し遅れ第二ロープーウェー乗り場に着いた。道中降っていた雨はこのころようやく止んでくれた。
しかしロープーウェーで山頂駅に着くと深い霧、その深い霧の中を歩く前に食堂で食事ができないか聞いてみたら、この展望台の食堂は持ち込みOK、それならと暖かい食堂で昼食を取った。外は深い霧、気温も低く、食堂のストーブがありがたかった。
歩きはじめ、雪道になってからアイゼンの装着を指示、初めてアイゼンを付けるという会員も不安そう。でも大丈夫、ここからの道は緩い登り下り、そして最後に急登になる。それまでにアイゼンに慣れる。
ところが今年は雪が少ない。事前に調べたところ3Mの情報だったが1Mくらいしかない。
雪解けがどんどん進んだのか。これなら独標までの雪は溶けてしまっているかもしれない。
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しらかば平にて準備 |
しらかば平駅乗り場 |
残雪の中を歩く |
霧の中、しばらく歩くと霧は晴れた。左側に雪のアルプスの山々がうっすらと、「ああ、とんでもないところに来た。」そんな不安な顔、でもロープーウェーで高度を稼いだのですよ。
樹林帯の中なので風はない。体は動かしているので寒さは感じない。そして雪の急登を登りきったら、そこが西穂山荘だ。
アイゼンを外し小屋の前に。お疲れ様、今日はここまでですよと。
その西穂山荘、私は雪に埋もれた山荘しか知らないが、山荘の周りの雪はほとんど溶けてしまっている。明日行く登山道も雪は少なそうだ。これでは夏山ではないか。
山小屋で荷物の整理、その後レストハウスで宴会が始まった。
霧の晴れた窓の外、雄大な笠ヶ岳が現れた。みんな感動の声、そしてその左には加賀白山、乗鞍、その前には焼岳、雪をたっぷり被った北アルプスの雄大な景色を堪能しながらのビール、お酒、焼酎、いやいや来てよかったなあと。
夕食は17時20分に放送があった。ローストチキンがメイン、豚汁、ご飯はおかわり自由、食事中山小屋スタッフから伝言があった。
「丸山まで5分で行けます。そこからの今日の景色は最高ですよ。ぜひ行ってきたら。」と。「じゃあ、行きましょう。」と食後みんなで登り始めた。 自分の記憶では丸山まで15分のはず、ましてやお酒をたっぷり飲んだ状態で登れるのかと。でもまだまだ明るい、一時間かかってもまだ暗くならないだろうと。
実際には15分かかった。
丸山からの360度の景色、下には上高地の梓川、帝国ホテルの赤い屋根、正面に西穂高、明日登る西穂独標、その横には前穂高岳まで、後ろに加賀白山、焼岳、そして霞沢岳、反対には笠岳、双六まで見えた。感動の時間帯、来てよかったと。
小屋に引き返すと夕日が落ちる瞬間に出会えた。
そしてこの日の夜は満天の星空もみんなで見ることができた。
この日の泊まり客は私たち以外に16人の団体だけ。
3部屋に分かれ、一人が布団一枚、ゆったりと疲れを取り、深い睡眠に入った。 |
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夕方の西穂、右奥は前穂高 |
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西穂丸山にて、左奥より笠ヶ岳、
ずっと右に双六 |
翌日登る稜線、一番高く見えるのが
ピラミッドピーク、その右が西穂独標 |
みんなで見た夕日の沈む瞬間 |
≪二日目(5月20日)≫
朝食は5時50分から、この先アイゼン不要との山小屋スタッフの話を聞いていたので出発を7時に変更していた。
出発前に集合写真、実はこの写真が西穂山荘のHPに掲載されることを前夜みんなに連絡しておいた。そのせいか女性会員はメイキャップを丹念にしたのか、いつもより若くきれいに見えた(?)。
この画像は西穂山荘のHPの「西穂deスマイル」のページから見ることができる。
5月26日頃に掲載予定ということだ。
「えっ、それじゃあ日本の誰でも見ることができるの?」「いや、日本だけでなく世界中、どこの誰でも見ることができるよ。」と前夜にタブレットの画像からみんなに紹介していたのだった。
丸山までは前日の夕方に登った道、空も青く澄み渡り、360度の景色を堪能しながらの登り道、疲れなど感じさせない。
早く独標へと足取りは軽い。でもこの日はゆっくりの行程、何度も休憩を取り、ゆっくりと景色を味わい、そして独標の麓に。 |
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朝食 |
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雪のない稜線をルンルンと。 |
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笠ヶ岳 |
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全員写真(西穂HPに掲載予定) |
絶景の中の登り、奥に焼岳、その奥が乗鞍 |
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左より西穂、ピラミッドピーク、西穂独標 |
さあ、もうすぐ独標ですよ。 |
乗鞍と焼岳 |
過去に経験があるとはいえ、独標の切り立った岩の壁を見て不安がよぎった。
20人のメンバーが怪我なくこの崖を登ることができるだろうかと。登っても下りはもっと大変だ。
まず半分の会員を登らせた。上の広さを確認、そして風のないことを確認して次に残りの半分を登らせた。
今回の山行の目的地、西穂独標の頂上での暫しの休憩、2701Mからの北アルプスの眺め、ずっとはるかかなたまでの大パノラマ、歩いて来た者(ロープーウェーを使ったが)だけの特権、いつまでも感動に酔いしれていたのでした。
下りはゆっくりでいいから慎重にと。その壁をみんなが降り切ったとき、疲れがどっと出てきました。果たして自分が歩けるかと。そして、「ゆっくり下りるよ。」と。歩き出したのです。
初めてのアルプスの会員も数名、感動を胸に、自分としては、これがきっかけで残雪の山登りにもっと興味をもってくれればと。
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あとは下るだけ、ルンルンと。 |
20人の大集団です。
木の緑と空の青がすばらしい。 |
西穂山荘で大休憩 |
西穂山荘に戻り大休憩、そしてアイゼンをつけて急な下り坂を下ったのでした。
山頂駅で生ビールでの乾杯、展望台から槍ヶ岳の雄姿、西穂高の全容、西穂山荘、西穂独標とこの日歩いた全容が見渡せました。
さあ、もうアルプスも怖くない。
登り切ったすがすがしさがみんなの顔に出ていました。 |
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雪原をトラバース |
急な下りも、もうアイゼンのベテランです。 |
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左奥より槍ヶ岳、南岳と続く(展望台より) |
西穂高全容(展望台より) |
歩いた全容、右奥に西穂山荘、中央より一直線に登って最初のピークが西穂独標 |
帰りは「ひらゆの森」の豪華な温泉に浸かり、松本経由、予定時刻は少し遅れました、元気に新潟まで帰ってきました。
LL、SL、そして会計、班長の皆様、ほんとうに御苦労様でした。
そして今回参加された会員の皆様、おかげさまで二日間とも天気に恵まれアルプスを満喫できました。また、どこかの山でお会いしましょう。
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