会山行紀行文
No−022
グレードC
2015年
 4.17(金)
小雨後晴れ
(たけやま)
嵩山

  789m
参加者 (紀行文) 2070 S/F 
19名
(男性5名・女性14名) (写真)2070 S/F 1866 S/T
≪コースタイム≫
新潟駅南口(6:05)=月夜野IC=道の駅たけやま駐車場(9:05-9:20)…表登山道…不動岩(10:40-11:05)…小天狗(11:15)…中天狗(11:35)…大天狗(12:00-12:05)…弥勒穴(12:35-12:45)…東登山道…たけやま館(13:20-14:30)=中之条町山里巡り=新潟駅南口(17:40)
≪紀行文≫
                           〜〜〜悲話伝説と百体の観音様との出会い〜〜〜
 一昨年に続き「霊山嵩山」に登ることにしました。
 この山は信仰の山だが、戦国時代はこの山中で多くの武士とその家族が命を落としたと言われます。
 この悲話と伝説の山を地元名ガイド“伊東”さんの名解説共に歩き楽しみました。

 心配された天気も、登山口のある中之条町まで晴れたり曇ったり、「よし大丈夫」と思い、登山口の道の駅たけやまで登山準備をしているとポツリ
ポツリと雨が…。それでも「大丈夫」と言い聞かせながら歩きはじめると雨足が目立ってきたため「雨具を着ましょう!」となりました。
 表登山道から登るのですが今年は芝桜が咲き始めでしたが鮮やかな色彩の花が迎えてくれました。
道の駅「たけやま」で登山準備(ポツリ?) 小雨の中登山開始(後方嵩山)  S/T 表登山道入り口   S/T

 登山道に入ってすぐに一番観音様があります。
 三十三観音全てに番号杭が建っておりとてもわかりやすいです。
 一番観音様から“蝙蝠穴”の二番観音様までは距離があり山の斜面を九十九折に登って行きます。
 (この間の観音様拝順:一番⇒二番)
一番観音様(このように番号杭が) 観音様を探しなが登って行く 蝙蝠穴の奥にもある(二番観音様)

 三番観音様を観たあとは滑り易い斜面にある八番、九番観音様を、そして枯草で滑りやすい急斜面を上がったところに“胎内くぐり”の入口があります。安全の為出口から逆回りする為、ここにリュックをデポし、胎内くぐりの裏側に下って行きます。
 此処から胎内くぐりへは鎖を使う急な洞窟風の登りとなります。この登りの途中に十一番、十二番、十三番の観音様がありますが、登るのに精一杯の方には確認できたか否かはわかりません。やっとの思いで上がったところにとても狭い道があります。ここが“胎内くぐり”と言われるところでメタボな方は通ることが出来ません。
 (この間の観音様拝順:三番⇒八番⇒九番⇒十番⇒十一番⇒十三番⇒十二番)
こんな急斜面もあります(胎内くぐり手前) 「胎内くぐり」に続く急な鎖場  S/T やっと入口(胎内くぐり)「抜けられない!」
(出口から入ってきました)

 胎内くぐりの後はこのコース一番の難所“不動岩”への登りです。
 自然にできたくぼみに足を掛け、鎖だけで見上げる岩を登ってきます。(一部棄権者あり)
 岩頂部の見晴は最高なのですが、兎に角狭く、360度切れ落ちていますので登頂者は中央部に寄り添わなくてはなりません。
 また山頂には番号が無い不動様が一体あります。
 (この間の観音様拝順:七番⇒六番)
不動岩への登り(一番のスリル場所) 不動岩、下から見上げるとこんな感じ S/T 不動岩登頂者(得意満面)

 次に向かったのが小天狗で、五番、四番観音様を観て登る。
 小天狗は岩場なのですが比較的安全に登れますので全員で登り集合写真を撮りました。
 眼下には先程苦労して登った不動岩が見えます。参加者の口々からは「あんな所に良く登ったね」の声が出ました。
 小天狗を降り天狗の広場の東屋へ、此処で行動食を摂るための休憩となりました。
 休憩の後、三社神社をお参りし、弘法の筆の後を経由し中天狗に立ちました。
 中天狗は狭いため通過に等しい滞在時間で下りました。
  (この間の観音様拝順:五番⇒四番)
先程登った不動岩を見下ろす  S/T
小天狗にて集合写真(狭い岩の上なので寄せ合って) 中天狗(狭いので通過)

 中天狗を降りていくと70体の観音様と1体の弥勒菩薩が安置されている広い場所に出ます。
 ここが嵩山城址本丸跡で“実城(御城)の平”と言うところです。ここでは戦いに敗れた憲宗(城主白虎丸の兄)が切腹をしたところです。
  (この間の観音様拝順:西国、秩父観音・阿弥陀如来)
実城(みじょう)の平(悲しい歴史跡) S/T 観音様70体、阿弥陀如来1体が安置 S/T 実城(みじょう)の平での伊東さんの解説

 いよいよ、嵩山の山頂に当たる大天狗に向かいます。
 その入り口付近には経塚があります。経塚には河原から持ってきた石に経を書留埋めてあります。
 経塚から大天狗までは急な岩稜が続き長い鎖を頼りの登ります。鎖が苦手な人には巻道が用意されていますので全員が山頂に立てます。
 (この大天狗から城主白虎丸が飛び降りた)

 山頂には女岩がありますが何故か女岩は標高(789m)に含まれません。

 ここで集合写真となりましたが女岩とその下に並んだため岩の上の方が小さくなっています。 
経塚にて伊東さんの説明を聴く 大天狗への登り(迂回路あり)  S/T 大天狗(山頂)での集合写真

 山頂大天狗から降り、東登山道を下ります。
 途中、嵩山城主の婦女子が飛び降りた岸壁一升水に立ち寄ります。この上の骨穴には未だ人骨があるそうです。
 この一升水には二十一番から二十五番観音様がありますが、見上げると今にも崩れそうで長居はしたくない場所です。

 そして少し降りたところに是が非でもお参りしなくてはならない弥勒穴(二十番と弥勒)があります。
 しかし、この弥勒穴に行くためには急な鎖場を真っ直ぐに登り、剣岳のカニの横這いが如く横にトラバースしていきます。
 結構なスリルを味わった方のみ弥勒穴に鎮座されている二十番観音様と弥勒様(縁結び・子宝)が拝めます。
  (この間の観音様拝順:二十五番⇒二十四番⇒二十三番⇒二十二番⇒二十一番⇒十九番⇒二十番)
一升水(上野骨穴には人骨が) 弥勒穴に向かう鎖場 弥勒穴前の岩場をトラバース

 予定した観音様をお参りし東登山道を降ります。
 やがてバスが待つ駐車場が見えてきますが黄色や桃色を中心にした様々な花も観えてきます。
 駐車場に無事戻り見上げる嵩山の男岩がくっきりと見えました。(4月下旬から5月にはこの岩から百数十のこいのぼりが下がります)
東登山道を下る「蕎麦が待っているぞ」 登山口の駐車場が見えてきました 駐車場から嵩山を振り返る

 下山後は待ちに待った“そば打ち体験”です。
 全員可愛くエプロンを付け、地元のそば打ち名人 ご指導のもと蕎麦粉100%、すなわち十割蕎麦を打つ事になりました。
 出来上がった蕎麦に山菜のてんぷらが付き美味しい昼食となりました。自分で打った蕎麦は最高です。
蕎麦粉を力を込めて“練る”S/Tさん そばを四角に“のす”皆さん   S/T 出来上がりました「頂きま〜す!」

 お腹も満たされた後は帰路につきますが、ガイドの伊東さんから「明日から中之条町フラワーフェステバルが始まりますので町内の花を観ながら帰って下さい」と提案があり、伊東さんの案内で町内をゆっくりとバス移動。
 桜や桃その他数えきれない位の素晴らしい花々が気取らない自然の如く咲いていてバス内は「綺麗、綺麗」の歓声が続きました。

 満足いく天気ではありませんでしたが、参加者各位とガイドの伊東さんのお蔭で楽しく充実した山行を実施することが出来ました。
山中で出逢えた草花の一部です