会山行紀行文
TL-04
2015年
 0215(日)
晴れ
(ちゃうすやま)
茶臼山
294m
参加者 (紀行文) 1866 S/T
21名 (俳句) 557 T/K
(男性5名・女性16名) (写真) 1866 S/T
≪コースタイム≫
新潟駅南口(7:00)=関越道・北関東道=太田藪塚IC(10:30)=東毛青少年自然の家(10:55)…NO.2地点(11:15)…NO.5地点(11:35)
…NO.6地点(11:40)…茶臼山・昼食(12:00-12:55)…NO.6地点(13:10)…NO.5地点1(3:20)…分岐(13:25)…不整合(13:35)…
東毛青少年自然の家(13:40)…滝野神社(13:55)…石切場(14:05-14:20)…滝野神社(14:40)=「伊勢崎ゆま〜る」入浴(15:05-16:00)
=波志江PA(16:15)=新潟駅南口(19:20)
≪紀行文≫
                               〜〜〜冬の山は関東に限りますね〜〜〜

 新潟を出るときは雲空でしたが、堀之内あたりから雪となり関越トンネルを越えて沼田を過ぎても雪は降っていました。

 しかし、高崎あたりまで来るとウソのように青空がのぞき、バス車内にも温かな陽光が差し込む天気となります。

 日曜日とあって反対車線はスキー場に向かう車の大渋滞、私たちの進行はスイスと申し訳ないほど順調な道路状況でした。

 登山口の「東毛青少年自然の家」で登山届を提出してから、かっては短いクサリを手繰って登り始めたのですが、今は楽々の登山口となっているクサリ場コースから出発しました。

  ここ茶臼山は、とても良く整備され管理された登山道が幾つものコースを為しており、要所ごとにとても親切な標識が建てられており、まず道に迷うようなことはありません。

歩いた軌跡(クリックで拡大)

   毛の国の やま乾きをり 春日差す
登山口の「東毛青少年自然の家」 登山口、左の斜面を登ります 明るい登山道、気持ちよく歩きます

 緩やかな尾根道を登ってNO.2地点まで来ると、広い平行道の稜線歩きとなります。しかし、この頃より予報通り梢を揺らす風が吹いてきました。
 上州名物カラッ風ですが、林間コースなので身体にはそんなに強く当たらず、歩くのに支障が出るほどではなく、順調に行程を進みます。
NO.2地点、ここより稜線歩きが始まります 解りやすい標識もたくさんあります 庚申塚、何ヶ所かにあります

 NO.5地点(290m)では、かって“前八王子砦”のあった跡があり、今は穏やかなこの山もかっては戦場だったことが窺えます。
 上杉勢に敗れたこの砦跡には、静かに石碑が建つのみでした。
 また、千日修行僧の碑などもあって、歴史の重みを感じます。

 地元の方でしょうか?、何組かの行き交う人に出会いますが、冬場でもこうして温かな山を手軽に登ることができてまことに羨ましき限りです。

   春落葉 深々と積む 砦跡     春寒し 僧千日の 修行跡
新しい仏像?もあります 陽光を浴びて、楽しい稜線歩き 八王子山、砦跡

 所々には庚申塔や地蔵様などが建つ登山道をゆっくりと進んで、最後の急坂を登り詰めればアンテナ群が聳える茶臼山山頂です。

 桐生市街地が一望できる見事な展望台は、更にその向こうに赤城山や信州の山々が望めるのですが、この日は生憎遠望が利きません。
最後の急坂を登れば、そこが山頂 山頂標識 アンテナ群

 茶臼山は、金山城主であった由良氏の茶臼山砦でしたが、やはり上杉勢に敗れて落城した歴史を秘めた山でもあります。
 桐生、伊勢崎、太田、高崎方面の市街地が眼下に望めて、砦として最高の立地であることは容易に理解できます。

 風の通らない場所を選んで、芝生の上で一時間の時間を取ってゆっくりと山頂でランチタイムの後、集合写真を撮って下山しました。

    風避けし 昼餉賑わい 暖かし
桐生市街が一望、その向こうに山々が・・ 風を避けて、昼食タイム 山頂を後に下山開始

 下山路は途中から右折して“不整合”の見学コースを行きます。
 地層が連続して重なっているのを“整合”といい、中断された重なり方をしているのを“不整合”というそうですが、ここの不整合は1億4千年前のもので、たくさんの放散虫化石が見られるといいますが、私たちの目ではよく判りませんでした。

    鎖場を 登る人あり 春日向
不整合、不連続の縞模様が見えます 「青少年自然の家」に下山しました 登山口に戻り、突然のクサリ登り研修でした

 青少年自然の家に下山してから、次に向かったのは“石切場”です。

 多くの火山活動によって堆積された軽石や凝灰岩が地殻の変動で隆起し露出したのが“藪塚石“となり、柔らかな質で加工しやすいことから、明治時代より建物の土台や塀などに多く使われたようです。しかし、同質の大谷石に比べて質が悪く、昭和30年ごろに閉鎖されたといいます。

   芽吹く木々 のせ垂直の 石切場 
石切場の圧倒される威容。見上げるスケールは、なかなか見応えがありました

 しかしその切り出された跡は今も生々しく、映画の撮影場所にも何度か使われたというこの石切場、なかなか見応えのある風景となって圧倒的なスケールで眼前に迫ります。
 茶臼山も良かったけど、この石切場の迫力もなかなかのもの、いいものを見せてもらったと、参加者の皆さんの感想でした。

   若きらと 話す二月の 石切場
茶臼山山頂にて、バックは桐生市街 石切場にて、居合わせた若いカメラマンに撮って戴きました

 楽しい1日の最後は、大型温泉施設“伊勢崎ゆま〜る“で入浴の後、一路新潟へと帰ってきました。
 新潟の鉛色の空に帰ってくると、同じ日本でありながら大きな環境の違いに溜息が出ます。やはり、冬の山は関東に限りますね。  (おわり)