自然保護活動
レポート・紀行文
2014年
 9.29(月)〜30日(火)
天候は下記
南大平ダム公園
大平山
(新潟県村上市神林地区)
参加者 (紀行文) 1861 K/Y 
15名
(男5名・女7名・講師3名) (写真)1861 K/Y 1862 Y/I
≪日程・カリキュラム≫
【9月29日(月)晴れ】 
  研修場所:村上市神林地区の南大平ダム湖公園
  研修内容:テントの設営と火器の取り扱い方法、応急手当と搬送方法
【9月30日(火)くもり≫
  研修場所:大平山
  研修内容:歩き方とストックの使い方、地図とコンパスの実践、ロープワーク
≪レポート≫
                              〜〜〜夜半には叩きつけるような大雨が〜〜〜
 研修初日は絶好の好天の中、ふかふかの芝生の上で、とても環境に恵まれた研修になりました。こうした環境下では、ゆっくりのんびり対応することが雰囲気に合うのでしょうが、欲張ったカリキュラムで、とてものんびりとはいかず、少し疲れるぐらい詰め込みの研修でした。

 夜半午前1時頃、大きな雨音で目が覚めました。昼間の晴天とは打って変わって大雨です。天気予報では、もともと30日はあまり良いお天気ではないと予報されていましたが、これほど激しい雨が降るとは思っていませんでした。

 大平山から鷲ガ巣山を越えて三面まではヒルの生息区域なので、雨が降るとやばいことになりかねません。
 困ったなと悶々していると、午前3時頃には雨音がしなくなりました。朝起きても、どこのテントからも悲鳴や騒ぎが聞こえてこず、どうやらヒルの侵入を受けたテントも無かったようで、ホッとしました。

 研修の初っぱなはテントの設営です。まずは一張りのテントを全員で設営し、テントの設営時に知っておくと便利な張り綱結びや投げ縄結びも研修しました。
 地面は手入れが行き届いたふかふかの芝生です。エアーマット無しでも快適に寝れますし、少々雨が降っても問題ありません。これでテント一張り1000円なら安いものだと思いました。(ただし、ヒルが居なければ・・・・)
まずは模範設営  今夜眠るテントを各自で設営 ふかふかの芝生の上のテント村

 応急手当は、心肺停止時の蘇生方法、三角巾を使った各種の手当方法や、捻挫時の対応を例にビニールテープを使ったテーピングなど、内容は盛りだくさんでした。(あれもこれもいっぺんに覚えきれるかなぁ…)
心肺停止者の蘇生、
事情により人工呼吸はパス
三角巾によるケガの手当 新聞紙で骨折時の副木

 山で事故に遭遇し、動けなくなった仲間を、私達の力だけで下山させれる力は残念ながらありません。しかし、ヘリコプターに収容してもらえる場所まで、あるいは、わずかな距離であれば救急車が入れる地点まで、仲間を搬送することが最善の手段であることがあり、搬送対応を知っておかねばなりません。
ストックと雨具で担架の作成 5〜6人掛りでよいしょ ザックを繋いでも担架が作れます
ザックの担架の方が担がれる人は楽です  ストックを台座にしたおんぶ、
ももが痛くなる 
雨具のねんねんこ、
一番楽な背負い方法です 

 やれやれ、研修一日目は何とか無事に終了しました。

 公園内のモダンな東屋(?)で晩餐です。
 山の上での幕営ではこうは行かないでしょうが、ここはテント場ま
で車が入るので、大量の食べ物や嗜好品が持ち込めます。

 良く目を凝らしてみると一升瓶も見えます。

 ラベルには「○中梅」と書いてあり、高級なお酒のようです。

 晩餐は延々と続き、かなり遅くまで頑張っていた人も居たようでした。

 夜半には叩きつけるような大雨が降っていました。テントはふかふかに伸びた芝生の上に設営されているので、洪水の心配もなく、静かな朝を迎えていました。
 研修中にヒルが一匹発見され、もしかすると大雨で元気になったヒルがテントの中に、という懸念はありましたが、そうした事態は生じませんでした。
 朝食は、それぞれが、それぞれに、気の向くままの場所で、それぞれの好みに応じて食べていました。
大雨に耐え静かに朝を迎えたテント村 某テントで朝げの支度  囲炉裏端で朝食する人

 空模様は、何とかもってくれるのではという、希望的観測が出来る程度に微妙でした。
 出発前に歩き方やストックの使い方について研修しました。
 ヒル対策で、防虫剤を足元にスプレーし、雨よ降らずにいてくれと祈る気持ちで大平山に向いました。
出発前に地図とコンパスのチェック さすが大ベテラン、
まず登山者カードのチェック
入り口は草むしていますが、
中は広い道です

 大平山は低い山なので、樹木に覆われ、途中の見晴らしは良くありません。
 それでも樹間から周りの様子がなんとか見える場所で、コンパスと地図で現在地のチェックを行いながら歩きました。

 急坂の箇所で懸垂下降の研修をしました。
 道迷いから脱出するために沢を越える時、沢岸は水による浸食で崖になっていて、簡単に沢床に降りることが出来ません。
 そんな時にロープがあり、懸垂下降ができれば、沢床に安全かつ容易に降り立つことが出来ます。
地図とコンパスで現在地のチェック 雲に覆われ鷲ガ巣山の前岳しか見えません 肩がらみによる懸垂下降、斜度が今一つ・・・

 雨降りが気になり、1時間30分程度で大平山に登れるスピードで歩きました。
 中には歩きが少し速いと思われた方が居たかも知れません。
 でも、地図とコンパスで現在地を確認したり、ロープワークの研修をしたりしながら登ったので、公園から大平山山頂まで3時間弱かかりました。


 下山後、足元をチェックしたら、靴やスパッツにヒルが付いていた人が二人いました。

 血は吸われていません。


 雨降りに合わず、ヒルの害も避け、一連の研修を無事に終了することができました。


                     (おわり)
   
 
大平山山頂、雲で鷲ガ巣山は見えません   無事終了式を執り行いました