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ダケカンバに覆われた草スベリの急登を、大池やカラフルなテント等を下に見降ろしながら落石に気を付けて登り切ると、稜線の小太郎尾根分岐だ。
仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山等の連なりが白い岩石で雪が降ったように見えていた。
又北岳がギザギザの岩肌をさらけ出して待ち構えている。 |
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白根御池 |
仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山 (小太郎尾根分岐より) |
もう少しだと思いワクワクしながら高度を上げると次第に風が当たるようになった。しかも冷たい風で段々と強くなる。 ここまで素手で歩いて来たが、手がかじかみ、手袋、ウィンドーブレーカーなどを急遽身に着ける。
北岳肩の小屋でお昼休憩を取るが、とてもじっとしていられず早目の出発とし、山頂に向かう。
幸い山頂の稜線風下側は風が当たらず寒さから救われた。ここは極楽だと思った人は自分達だけでは無かったらしい。
一息入れる事が出来て最後の踏ん張りはザレた危なっかしい下りで、時にはしゃがみこむような強風にあおられながら下る。
すぐそこに見えてる小屋だが中々着かず、つらいだけに時間が長く感じられた。
山小屋でのスペースは布団1枚に2人。 窮屈な一夜でろくに眠れず、うとうとしながら明日の工程を考えた。 |
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≪二日目(10/13)≫
5:20分風は少し弱まったようだが、歩いてみると身にしみる。
目の前の間ノ岳に手が届きそうで晴れて遠くまで見渡せる絶好のチャンスだった。
昨日の冷たい強風にあおられ、体調を崩したのか?高山病にでもなったのか?行きたい気持ちと、往復できるかどうかの不安を感じつつ日の出を見ながら稜線を20分位歩いただろうか?自分達はここまでが精一杯、ここで折り返す事とした。
凹んだ気持ちで何とか一歩ずつ歩を進めて北岳への登り返し〜肩の小屋へと辿り着くと気が楽になった。
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朝日と富士山 (北岳山荘付近より) |
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間ノ岳〜農鳥岳 (北岳山頂より) |
甲斐駒ヶ岳〜鋸岳 (北岳山頂より) |
北岳肩ノ小屋への登山道と仙丈ヶ岳 (北岳山頂より) |
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小太郎尾根の分岐まで下がるとやっとお湯を沸かし、朝食弁当を食べる。
白根御池小屋で、まったりとした時間を過ごし一片の雲一つ無い澄み切った青空をバックに北岳を見上げると稜線に歩く人たちの、寒さと強風に震えている事など全く表していなかった。
複雑な思いで白根御池小屋を出発し、下るうちに徐々に足取りが遅くなってきたが思ったより早く広河原に到着する。
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北岳山頂と八本歯のコル (白根御池より) |
白根御池小屋 (白根御池より) |
丁度良いバスがあり、さっさとバスに乗り込み駐車場に着いたが、・・このまま帰るのは空し過ぎる・・。急遽宿泊先を見つけた。 先ずエネルギー補給をし、熱い風呂に入って、不足分のエネルギーをさらに補給タンク満タンにして明日に備える |
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≪三日目(10/14)≫
帰る途中どこか良い所に登ろうと思うが山が決まらず、(鳳凰三山への登山口)夜叉神峠登山口から夜叉神峠まで登った。
ガスで見え隠れした(北岳、間の岳、農鳥岳)白峰三山の景色が昨日の複雑な思いを癒してくれ、悔いなく南アルプスを後にする事ができた。 |
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夜叉神峠登山口 |
農鳥岳方面 (夜叉神峠より) |
間ノ岳方面 (夜叉神峠より) |
帰路ではいつも一目散にひたすら運転するのみだったが、今回は各サービスエリアごとに地図を広げ ゆ〜くり 山を見ては楽しんだ。
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